1. AT2020とは?
「AT2020」は、オーディオテクニカ(audio technica)が手がける初心者〜中級者向けの定番コンデンサーマイクロフォンです。
自宅録音、配信、ポッドキャスト、ナレーションなど幅広い用途で支持を得ており、2006年の発売開始以来、全世界での販売数は200万本以上。非常にロングセラーのマイクと言えます。
今回は「AT2020」がどのようなマイクなのか、多くのユーザーレビューをもとに解説していきます。



ユーザーから評価されている点
- コストパフォーマンスが良い
- 音質・音の素性が良い(特に中~高域の明瞭性が高評価)
- 録音した際、ノイズ耐性や混ざりのバランスが良い
- 用途の幅広さ・扱いやすさ◎
- ハウリングしづらい性質により、ピーク時にも安定して使える
注意・不満として挙げられている点
- 低域の厚み不足
- 周辺ノイズの拾いやすさ
- 性能を引き出すには機器・設定が肝心
■ サイドアドレスマイクロホン【AT2020】オーディオテクニカ
2. スペック解説:基本仕様と特徴
項目 | 内容 |
---|---|
型式 | バックエレクトレット・コンデンサー型(サイドアドレス) |
指向性 | 単一指向性(カーディオイド) |
周波数特性 | 20Hz ~ 20,000Hz |
感度 | -37dB(14.1mV)(0dB=1V/Pa、1kHz) |
最大入力音圧レベル | 144dB SPL(1kHz THD1%) |
ノイズ | 20dB SPL(A特性) |
ダイナミックレンジ | 124dB(1kHz at Max SPL) |
SN比 | 74dB(1kHz at 1Pa、A特性) |
出力インピーダンス | 100Ω |
ファントム電源 | 48VDC、2mA |
出力コネクター | 3ピンXLR-Mタイプ |
外形寸法 | 長さ:160mm、本体最大径:52mm |
質量 | 345g |
付属品 | 専用スタンドマウント、マイクポーチ、変換ネジ |

AT2020の強み解説
- 指向性(単一指向性/カーディオイド)
- 周囲の雑音(リバーブ、反響、ノイズ)を抑えつつ、正面音をしっかり拾う性質。配信・録音環境でのノイズ除去力を高める設計。
- 高入力耐性(最大 144 dB SPL)
- 大音量のギターアンプ・ドラム・ブラスなどでもクリッピングしづらく、許容量が広い。録音用途で安心感がある。
- 広帯域(20 Hz ~ 20 kHz)
- 人声・楽器ともに低音から高音までバランスよくキャッチ可能。ハイエンド機ほどの伸びは出ないが、価格帯を考慮すると十分な性能。
- SN 比・自己ノイズ
- 74 dB という仕様は、ノイズレベルを抑えやすい水準。自宅録音や動画配信でも「ざわつき」の印象が出にくい設計。
- サイズ・重量
- 比較的コンパクトかつ堅牢な金属筐体。扱いやすさと適度な質感を両立。
3. どんなユーザーにおすすめか/選び方のポイント
おすすめユーザー像

- 配信者・ストリーマー(YouTuber / Twitch / ゲーム実況 等)
- 単一指向性とノイズ耐性を活かし、デスク周辺ノイズを抑えながら人の声をはっきり拾えるため適性が高い。
- ボーカル・弾き語りアーティスト
- 自宅録音やデモ制作用途でコストパフォーマンスを求めるユーザー。
- ポッドキャスター / ナレーター / 音声コンテンツ制作者
- 音声明瞭性とノイズ耐性のバランスから、中級マイクへのステップアップを狙う層に適合。
- 音楽スクール / 教室 /録音学習用途
- 多人数導入・入門クラスでの使用にも適する耐久性・扱いやすさ。
向かない/注意すべきユーザー像
- プロのレコーディングスタジオでの最上位クオリティを要求する用途(例えばハイファイ・マスタリング用途)には、上位機種(AT2035、AT4050、コンデンサ・ショットガンマイク等)のほうが適している場合あり。
- 極端なローフリーケンシー(サブベース帯域)やハイエンド帯域を強く求める用途。
- 騒音環境(街中、交通量が激しい環境)では遮音特性を補強する必要あり。
- USB 接続オンリーで使いたいユーザーには、USB モデル(例:AT2020USB)を検討すべき。
比較・選択基準のチェックリスト
- 予算感との照らし合わせ
- 録音環境(遮音状況/ノイズ源)
- 用途別の優先要件(声重視か楽器重視か)
- 将来拡張性(上位マイクへのステップアップ予定など)
- 付属周辺機器との相性(ショックマウント、ケーブル、インターフェイス)
4. 注意点・運用上のヒント
- ファンタム電源(DC 48 V)供給
- マイクは単体では使えず、ファンタム電源供給できるオーディオインターフェイスやミキサーが必須。
- ケーブル・接続周り
- XLR ケーブルはクオリティ(シールド性能や導体品質)で音質やノイズ耐性に影響することに注意が必要。
- ポップノイズ・風ノイズ対策
- ポップガードやウインドスクリーンの併用、マイクマウントの距離や角度の調整。
- ショックマウント・振動遮断
- テーブル振動・騒音対策としてショックマウントの導入を推奨。
- 録音レベル設定(ゲイン調整)
- クリッピングを防ぐための適切なレベル設定、余裕マージンを取ることが大事。
- メンテナンス
- 湿気・結露対策、定期的なクリーニング、キャリング時の保護方法にも気を使いましょう。
- 長時間使用時の発熱・漂うノイズへの配慮
- PC周辺機器からのノイズ干渉対策(グランドループ防止、ケーブル取り回し、USB給電ポートの選び方など)も要チェック。
● 接続例

5. まとめ
AT2020 は「コストパフォーマンスに優れた定番コンデンサーマイク」であり、配信・録音用途で非常に高い評価を受けてきたモデルです。
スペック的には、単一指向性・高入力耐性・広帯域対応というバランス型設計。内部構造も堅牢設計で、長期使用を見据えた耐久性も確保されています。
音質傾向としては、ボーカルの明瞭さ・中高域の伸び・ノイズ耐性が比較的高評価。初心者〜中級者、配信者・歌い手・ポッドキャスターなど、多くの用途で“初めて本格マイクを買う人の定番”として強くおすすめできるマイクです。
ただし、プロ用途や特殊用途(極端な帯域特性を求めるなど)には上位機種の検討も視野に入れましょう。
商品ページ
- AT2020
- AT2020 ショックマウント+デスクアームセット
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