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同期のジャガーを直してみよう その1

2025-06-17

Theme:Guitars

謎ギターシリーズ が完結し、寂しさと手持ち無沙汰に耐えられなかった私に「2年近く放置していたボロボロのジャガーがあるんだけど……」という相談が同期のスタッフから持ち掛けられまして。
そんなわけで、1本のジャガーを預かることになりました。

ちなみにこのブログ、直し終わった後に思い立って書き始めたので、ほとんど作業中の写真がありません……。
次回からは、Beforeの写真もちゃんと撮っていこうと思います。

言い訳はここまでにして、さっそくメンテナンス後の姿をお見せしちゃいます!

かっこいいですね。こちらのいかにもジャガーらしいジャガーはFender Japan JG66という機種です。こういうオーセンティックなギターはついつい欲しくなってしまいます。


今回行ったメンテナンス内容やカスタムはこんな感じ

  • ナット交換
  • フレットのバリ取り・バフ掛け研磨
  • ムスタング用サドルに交換
  • バズストップバーの取り付け
  • スライドスイッチの応急処置

それぞれ簡単に解説していきます!

ナット交換

まずこちらが取り外したナットです。とはいえ見ただけでは状態が分かる訳ではないですが、溝が深くなりすぎて開放弦にビビりが発生しており、溝切の精度が悪くチョーキングすると「ピキピキ、キリキリ」と嫌な音が出ている状態でした。

このままでは楽器として成立しない状態なのでまずはここから直していきます。
今回製作に使用したナットはこちら!

SONIC ( ソニック ) / OB-01 OILED BONE NUT FENDER STYLE

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ナットを選ぶ条件は初めからナット溝の底面にアールが付いている事!ナット溝は真っ直ぐなものとアールが付いている2種類が存在しているのでお間違えなく!(自力で底面にアールをつけるのは面倒くさいですよ!)

そしてもう1つの理由はオイル漬けであること。
オイル漬けの恩恵で弦とナットの接点がスムーズに動作し、チューニングが安定する傾向にあります。そして何より見た目がカッコいい。これ、超重要です。

私はリペアが専業ではないので作り方や詳しい工程については割愛させていただき、交換後の姿をお見せします。

もちろん機能面はバッチリ改善さました。
そして何よりこの見た目ですよね。オイル漬けの牛骨ナットに変更するだけで一気に雰囲気が出ます。

フレットのバリ取り・バフ掛け研磨

放置されていたギターだけあって、弦はサビつき、フレットは光を全く反射しないほどくすんでいました。もちろんフレットサイドも指に引っかかる状態です。
こちらも加工した後をお見せします!

フレットはバフかけしたことによりテカテカの仕上がりで、フレットサイドのバリも解消されてとても快適になりました。
2枚目の写真で指板の際を見ていただくと若干面取りがされていると思います。元々はかなり角張っていて、握り込むようなフォームではフィット感に違和感がありました。この部分を少しだけ面取りすることで、格段にソフトで自然な握り心地になります。特にCシェイプのネックグリップとの相性は抜群です!

ムスタング用のブリッジサドルに交換

こちらはもともとついていたサドルですがこれが多くのギタリストを悩ませる存在です。

楽器自体のテンションが緩いこと、サドルの溝が浅い事が複合的に弦落ちやズレを連発させてしまうわけです。
強いストロークやチョーキングでこのような症状を体験したことのある方も多いのではないでしょうか。そこで定番のカスタムの一つとしてムスタング用のサドルを流用する手段を取りました。

MONTREUX ( モントルー ) / Mustang saddle set [9720]

MONTREUX ( モントルー ) / Mustang saddle set [9720]

載せ替えた後のムスタングサドルを見てみると元のサドルよりも弦の溝が深く安定している印象を受けると思います。

この後ご紹介するバズストップバーと組み合わせれば、弦落ちやズレは格段に改善されます。

バズストップバーの取り付け

続いてはバズストップバーの取り付けです。
固定の仕方はとても簡単でベースプレートのビスを2本外してバズストップバーの下穴と共締めするだけ。

ではこのパーツのメリットが何なのかというと、先ほどサドルのくだりで触れたテンションを強くすることができるのです。
分かりやすく画像を見てみましょう。

写真の赤線は取り付け前の状態における弦が通るラインです。
その下に走っている青い線がバズストップバーを取り付けた際の弦のライン。

従来の赤線のように弦が緩やかな角度でサドルに向かう場合、サドルに対して弦を押さえつける力が弱くなります。その結果、弦落ちや不要な共振が発生する原因となることがあります。

一方、バズストップバーを取り付けた青いラインを見てみるとバーを支点に角度が付き始めているため、弦がサドルにかかる力が強くなっていることが分かると思います。

よって弦落ちや共振ノイズに対して有効なカスタムとなっている訳です。
悩んでいる方はぜひお試しください!

MONTREUX ( モントルー ) / Buzz Stop Bar [8057]

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スライドスイッチの応急処置

そして最後はスライドスイッチの応急処置です。
どうやらスライドスイッチの接点が悪いとのことですが、今回はスライドスイッチの用意がなかったので応急処置を行い、次回新品に交換したいと思います。

一番左のスイッチの基盤がカシメから外れて斜めになっています。
ここが浮いてしまうと内部で接点となっている端子とプレートがうまく接触しなくなってしまうので、ペンチで爪を折り直して固定しました。
症状は改善されたもののこういったパーツは新しい物に交換したいものです。


今回は放置されまくった同期のジャガーを直してみました。
ここまで手を入れるとポットやスイッチ一式、ピックアップまで変えたくなるのが心情。次回からは電装パーツについてのカスタムをお届けしたいと思います!

Soichi Takehara

リッチーブラックモアの影響でギターを始めました。 次第にスキャロップ加工やピックアップ交換をするようになり、ギタークラフトの専門学校へ入学。営業の業務以外にギター、ベースの出荷検品も行っています。 ギターはワンハム フロイドローズ、車は軽量FRをモットーにしています。

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