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Ravish Sitarで弾きたいラーガ・ロックこの5曲!!番外編(HR/HM編)

2018-05-31

テーマ:ギター

これまで2回に渡りお届けした「Ravish Sitarで弾きたいラーガ・ロックこの5曲!!」第3回目は番外編として、「エレハモ担当によるRavish Sitarで弾きたい曲5選」です!前2回と違い、本物のシタールを使用していなかったり、個人的趣味が濃かったりしますがぜひ最後までお付き合いください。

1. 筋肉少女帯 / 日本印度化計画 (1989)

ギタリスト・本城聡章と橘高文彦が加入して1枚目のアルバム『猫のテブクロ』収録曲。卓越した技術を持つ橘高は、この曲でインド風のフレーズを披露。インド風~猛烈な速弾きへとなだれ込む構成がメタラーの心に突き刺さる1曲です。

2. DEAD END / PROMISED LAND (1989)

DEAD ENDが1990年の解散前にリリースしたアルバム『ZERO』に収録。不穏なアルペジオにMORRIE (Vo.) の歌唱が乗り、妖しい雰囲気を漂わせる1曲です。YOU (足立祐二/Gt.)のトレードマークともいえる中近東フレーズが全編で堪能できます。

3. ORPHANED LAND / All Is One (2013年)

日本から見てインドよりさらに西に位置する国、イスラエル発のメタルバンド・ORPHANED LANDの出世作。フォークメタル/シンフォニックメタルに分類されることの多いバンドです。中近東の民族音楽に根ざしたメロディーを、劇的なオーケストラサウンドとともにヘヴィに奏でるスタイルが持ち味です。シタールやウードといった民族楽器もふんだんに使われています。ヘヴィなバッキングギターとRavish Sitarをつないだギターでパート分けをして演奏しても面白いかもしれません。

4. Yngwie Malmsteen / Pyramid of Cheops (1994年)

イスラエルよりさらに西へ足を伸ばし、エジプト風味な1曲。90年代におけるイングヴェイの名盤の一つと誉れ高い『SEVENTH SIGN』収録曲です。このアルバムからボーカルが元LOUDNESSのマイク・ヴェセーラへと交代し、楽曲もよりヘヴィなものが増えています。その中でも特にヘヴィかつダークなこの曲では、イントロとアウトロでシタール風の演奏を聴くことができます。ギターソロはそのまんまいつものイングヴェイなのが、彼らしいといえば、らしいポイントです(笑)

5. MYRATH / Believer (2016年)

北アフリカに位置する国、チュニジア出身のメタルバンドMYRATHによる1曲。2016年に、日本最大のメタルフェス・LOUD PARKへ出演し来日も果たしているバンドです。前述のORPHANED LANDと同じくフォークメタルに分類されるバンドですが、大仰ともいえるアレンジを施したORPHANED LANDとは違い、民族音楽由来のメロディーを取り入れながらも、キャッチーな曲が多いのが特徴です。

ここで、ちょっぴり理論的な話を。インド音楽、そしてイスラム圏からアラビア地方の音楽は「ハーモニック・マイナー・スケール」から派生した音階を使っていることが特徴です。(インド独自の音階は膨大な数があるため、一概には言えませんが。。。)Ravish Sitarを使って演奏する際には、下のようなスケールを使うとより雰囲気が出るかもしれません。

・ハーモニック・マイナー・スケール:

ナチュラル・マイナー・スケールの第7音(m7)を半音上げM7としたスケール。イングヴェイをはじめとしたネオ・クラシカルスタイルのギタリストが多用するスケールでもあります。
Key=Am時の構成音は

A B C D E F G#
T M2 m3 P4 P5 m6 M7

譜例1

Aハーモニック・マイナーを使ったフレーズの例です。F ( =2弦18フレット)と、G#(=1弦16フレット)の間を多く行き来することにより、音程差の大きいフレーズにしています。また、音使い的にはDドリアンに♭5を足したフレーズと見ることも出来ます。そのように解釈した場合、G#(=1弦16フレット)が♭5にあたるため、この音を多用するとスケールアウトしたような不穏な響きにすることができます。

・ハーモニック・マイナーP5↓(パーフェクト・フィフス・ビロウ):

別名フリジアン・ドミナント・スケール。スパニッシュ・スケールと呼ばれることもあります。ハーモニック・マイナーの5音目から始まるスケールですが、「Keyの5度下のハーモニック・マイナーを弾く」と考えると覚えやすいです。
Key=Am時の構成音は

A A# C# D E F G
T m2 M3 P4 P5 m6 m7

ちなみにAmの5度下であるDハーモニック・マイナーの構成音は以下の通り。同じ音を使っていることがわかると思います。

D E F G A A# C#

譜例2

Aハーモニック・マイナーP5↓を使用したフレーズ例。5弦開放のAをペダル音として繰り返すフレーズです。スケールの構成音は拍頭に弾くことになりますが、3連符のためダウンピッキングとアップピッキングが入れ替わります。拍頭に確実にアクセントを付けることを意識して、ゆっくりから始めると良いと思います。

・ハンガリアン・マイナー・スケール:

ジプシー・スケールや、ダブル・ハーモニック・マイナーとも呼ばれるスケールです。「ハーモニック・マイナー・スケールの第4音(P4)を半音上げ、♭5にしたスケール」と覚えると使いやすいと思います。♭5のもつ妖しげな雰囲気と音程差の大きさがエキゾチックな響きを持つスケールです。
Key=Am時の構成音は

A B C D# E F G#
T M2 m3 ♭5 P5 m6 M7

譜例3

Aハンガリアン・マイナー・スケールを使用したフレーズ例。m3(C=1弦8フレット)から♭5(D#=1弦11フレット)への音程差を視覚的にも確認できるようなフレーズです。3小節目からのクロマチックを混ぜた運指はネオクラシカル派のギタリストにも使えるフレーズになっていると思います。

最後の最後で小難しくなりましたが、「エレハモ担当によるRavish Sitarで弾きたい曲5選」いかがでしたでしょうか。インドからさらに遠く離れた、イスラエル~エジプト~チュニジアと、イスラム圏やアラビア地域までをも巡るような形になりました。このシリーズで興味を持った方はぜひRavish Sitarで日本を印度にしてしまってください!

Ravish Sitarで弾きたいラーガ・ロックこの5曲!!
●第1回 サイケデリック編
●第2回 クラブ・ミュージック/ブラック・ミュージック編
●第3回 ソフトロック編
●番外編 HR/HM編

サウンドハウススタッフ

サウンドハウススタッフによるブログです。 ここでしか聞けない、サウンドハウスのスタッフだからお届けできる、とっておき情報が満載です!本音トークもあるよ♪

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