今回は、前回解説したエンベロープについて、より深く説明していきます。
そもそもエンベロープとは
直訳すると「封筒」という意味ですが、封筒とは関係ありません。
語源を調べてみましたが、「なるほど!」となるような説はありませんでした……。
というワケで、「エンベロープはエンベロープ」として覚えてください。
具体的には、「音の鳴り始めから、音が消えるまでの音量」だと思ってください。
↓こういう奴です

エンベロープの解釈の仕方については色々あって、それがシンセの機種のキャラクターになったりもします。
が、色々あるとは言っても、やはりある程度「定番」となる考え方は決まっており、その中でも最も一般的なのが「ADSR」です。
ADSR(エーディーエスアール)
ついに出てきた、難しいっぽい名前ですが、ただ頭文字をとってあるだけです。
Attack :アタック。音の鳴り始め。よく「立ち上がり」と言ったりする。
Decay :ディケイ。立ち上がったあと、音が安定するまで。減衰という意味。
Sustain :サスティン。音が伸びている間。「伸び」と言ったりする。
Release :リリース。音が鳴りやむ時。

ADSRをそれぞれ、もっと正しく言うと、
Attack Time:立ち上がる時間。アタックタイム。
Decay Time:減衰して落ち着くまでの時間。ディケイタイム。
Sustain Level:音が伸び続ける時の音量。サスティンレベル。
Release Time:音が鳴りやむまでの時間。リリースタイム。
となります。 (なんでサスティンだけ「レベル」なんじゃ!と不満を持ったことは誰しもあるはず!)
正直言って、ADSRは図を見てわかるものではないです。
しかし、この図を見ながら前回のようにエンベロープをいじってみると、「あ、なるほどね」という感覚が味わえます。
この感覚が、シンセをいじっていて「楽しい!」と感じる瞬間であり、また「シンセシス」という言葉の由来でもあります。
味見をしながら、「もうちょっと塩が多いほうがいいかな……」、「隠し味で砂糖を入れてみよう」と色々考えながら、気持ちイイ音を探すことが「シンセシス(音作り)」です。
おさらい
もっと説明しちゃおうと思ったのですが、今回は新しいお話だったため、一気に説明するとお腹いっぱいになってしまいそうなので、エンベロープの他の使い方はまた次回説明することにしました。
最後は、前回の5分類にならってエンベロープの絵を作ってみましたので、それぞれの音を聞きながら、イメージを固めていってください。これが解れば、シンセの音作りの半分は解ったも同然です。
(実際のパラメータ数値通りに図を書いたら、イメージしづらくなってしまったので、ちょっとデフォルメしてあります。)

単発系

減衰系

持続系

管弦系

上物系
さあさあ、さっそくエンベロープをいじって、この感覚で遊んでみてください!それでは。