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ウッドベース(コントラバス)のピックアップについて語りたい

2020-11-10

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

どうも皆様こんにちは。今回はウッドベースの話をしたいと思います。
クラシックはもちろんジャズ、ポップスにも使われるウッドベース。多くの人を惹きつけるセクシーな低音。いいですよね。
そんなウッドですが、現代の音楽ではマイク、ピックアップなどを使用するのが一般的です。
一般的であるので選択肢が多く、どれを使えばいいのか?と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。お力になれればと思い執筆させていただきました。

*ウッドベースに使うピックアップは、ピエゾのみではなくマグネチックピックアップもありますが、性質上ガット、ナイロン弦では使えないため今回は触れません。何にでも使えるピエゾピックアップのみ解説します。

ウッドベース用ピックアップは大別するとクランプ、貼り付け、コマ下の3種類に分かれます。それぞれのメリット、デメリットを記します。

まずコマにクランプするタイプ。代表的なものはフィッシュマンBP100です。

FISHMAN ( フィッシュマン ) / BP-100 Classic Series Upright Bass Pickup

簡単に装着可能で、ハウリングの心配も少ない優秀なデザインです。
反面サウンド的にはシャリシャリした音になりがちで音質の調整を必要とすることが多いです。アンプを使い卓に流さないならアンプで調整できますが、卓に流す時はPAに任せるかプリアンプやイコライザーで調整する、もしくはピックアップそのものを加工して調整不要の音を目指すなどなかなか面倒。面白いところではあるのですが、煩わしいと思う方が多いと思います。

次に貼り付け形。コマやボディ等にピックアップを貼り付けるタイプです。
代表的なものはシャドウSHSB。

SHADOW ( シャドウ ) / SH SB

これは本当に面白いです。コマの低音側、真ん中、高音側、Fホールのそば、指板下、指板裏、全て違う音が出力されます。こうやってお気に入りのポイントを探すのが楽しいですよ。
反面貼り付けが気難しい。接着力が弱い両面テープを使うと落ちてしまいます。だからと言って強力なものを使うと塗装にダメージを与えかねない。接着剤を使って貼るのが最高なのですが、これだとほぼ100%塗装へのダメージが生ずる… 見事なまでのジレンマを味わえるピックアップです。ですが良い勉強になるので1度は触っていただきたいです。

最後にコマ下形。コマの足の下(基本的に低音弦側)に挟むタイプですね。代表的なものはリアリストWBASS-PICKUPでしょう。ウッドタイプは私も使ってます。

REALIST ( レアリスト ) / WBASS-PU

おそらくこれが普通に載せる(何らかの工夫を必要としない)なら最も音の良いタイプだと思います。 反面ボディとコマの間に傷ができたり、コマの高さが変わるのに伴い弦高も変わるため調整したり、自分で取り付ける場合は魂柱が倒れないよう慎重に作業する必要があるとか、なかなか面倒です。とはいえ傷はコマ下なので見えず、弦高は攻めたセッティングにしている方以外は気にならないと思いますし、取り付けに自信がないなら楽器屋へ、とあまり気にしなくてもいいかと思います。

紹介は以上になります。

次にハウリングの話。これは使っている機材のみならず、ハコの大きさや他の楽器(アコースティック楽器が多いと起きがち)、やっている音楽(美味しい音はジャンルによって異なりますので)、レコーディングなのかライブなのか状況によってかなり変わります。求める音にも考慮しながら全ての状況に対応する手段はないと思っています。邪道かもしれませんがコマ下とクランプの2つを取り付け、状況に応じてチョイスするのがベターだと思います。手間がかかるかもしれませんがそれでもマイクを使うよりはるかに楽です。

最後にアンプの話をしてまとめたいと思います。
現役当時、多く使用されていたのはアコースティックイメージやフィルジョーンズベース。スタックよりコンボの人気がありました(小さなハコで演奏しているのを見ることが多かった。生音の補正として使っていたのだと思います)スタックを使う場合キャビネットは一般的な15インチ1発+ツイーターよりはミッドレンジを複数搭載したものに人気がありました(10インチ2発とか)太さよりもハッキリとした発声を重視していた方が多かったです。特にローポジ(枕寄り)の立ち上がりが遅いので反応の良いアンプが好まれました。私感ですがマークベースも良いかと思います。チューブアンプを使用している方だとアンペグの使用者が多かった印象。エレキと異なり非常に太い音であるためチューブアンプの特長である温かみが裏目に出てボヤけて聞こえることが多かったです。
*機材の進歩が著しい現代。10年以上前の話なので現在では違うかもしれません。

最後までご覧いただきありがとうございました


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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ネモト

親指弾きにこだわる多弦好き。かつてベースとPAを担当。1度音楽を辞めて10年程経ってから再開しました。真面目に活動をしていないため音楽歴は長いけど下手。よしなに。
最近はレリックが楽しいです。
twitter https://twitter.com/amaze3551

元プロでベーシストのネモトと、クラフトマンでベーシストのCheenaによる、楽器への深すぎて自由すぎるこだわりトーク
→ C&N Crafthouse

 
 
 
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