

今回のテーマは「ライブの心構え」!
前回はサウンドチェック編だったので、今回は本番編、ですね。
本番直前は(曲順、曲繋ぎ、MCの場所などの)流れのチェックをしますね。
ザ・キャプテンズは。
はい。この曲とこの曲はつながるよ、ここでメンバー紹介するよ、この曲終わりは全員でお辞儀をするよ、などなど。
必ず楽屋でチェックしてますよね。
え、それも珍しいの?
いやー、やってるバンドあんまり見たことない…。ザ・キャプテンズは流石だな、とは思いますよ。ナショヲナルは打ち合わせてもMCの箇所くらいかな〜。ジングルが入ったりするので。あとは…オープニングのジャーン!はやるよね?ぐらい。
まー、それでも細かい方なんじゃないかな?ミッシェルガン・エレファントに比べれば?(笑)
ミッシェルがそんな打ち合わせやってたら嫌ですけどね(笑)
ここでお辞儀だぞ!ってね(笑)
あとは告知の内容を確認するぐらいですかねー。次のライブは何月何日、とか。 あ、自分の場合は30分くらいのステージでも必ず曲順表を用意します。
ああ、それは僕もやる。
それを用意しとくと、ステージの上で考えることがひとつ減るんですよね。
うん、その分プレイに集中できるね。
かなり違いますよね。
でも、今後はホーリーは考えることがもうひとつ増えるよ、歌がね。
わわ(笑)それはまた別の問題。
いや、ひとつじゃないな、歌はね、考えることがいくつも増えます。音程でしょ、リズムでしょ、歌詞でしょ?しかもそれを楽器弾きながらやると、コード進行やフレーズも、だし。
はい。
あ!ところで、ベーシストって、というかホーリーはライブ中の目線ってどうしてる?
フロアの一番奥、ですね。一応まんべんなくは意識しますけど。
ステージ上だとドラムを見たり?
はい、キメの時とかお互い目を合わせて。それもステージングのひとつになってますね。
うん、見せ方にもつながるよね。
あと、見るといったら(ミスった時)「お前大丈夫か?」「何かトラブルか?」っていう意味で見たり、ぐらいですかね。
僕はなるべくお客さん全員の目を見るようにしてる。でも楽器のプレイヤーはそうもいかないよね?手元が優先だもんね?
そうですけど、なるべくフロア奥の方を意識してます。音も、一番奥の人に届くような意識で弾いてますね。なんやったらPAさんのとこ。
なるほど!
他にはあるかなあ…気をつけてること。ほとんど無意識でやってますからね。
うん、長年やってるとね…ナショヲナル以外の現場ではどうなの?
はい、なるべく目立たないように心がけてます(笑)。
(爆笑)
他のメンバーに気を配りつつ演ってますね。
じゃあさ、トラブった時はどうしてる?
MCでつなぐ、ぐらいですかね。
機材というか、同期モノのトラブルもあるよね?
はい。
あれってさ、「じゃあ同期なしで行くぜ!」みたいなことにはしづらいもんね…?
もう一回やり直しですね。ひとつ前の曲のケツから、とか。
ああ、そこまで巻き戻して演ってあげるのもアリだね!
あ、話全然変わるんですけど、こないだ日本武道館でザ・イエローモンキーのライブを観た方の話を聞いたんですけど。
イエモン、いいねえ。
「悲しきASIAN BOY」って曲あるでしょ、アレ二回演ってたらしいですよ。
なして?
曲紹介の口上を間違えて「悲しきイエローボーイ」って言っちゃって。
はあ…。まあ、長年やってるとそうゆうこともありますよね…。
で、一曲まるまる演ったあと、「やっぱりこれじゃいかん!」ということで。
でもさ、あの規模だと、特効とかあるじゃない?二度目の特効どーするの?
それは、特効の代わりにスタッフが飛んでたり、お茶目な感じだったそうです(笑)。
(笑)
そのひとつ前の曲「バラ色の日々」の最後からやり直して。 でもそういうのもお客さんからしたら嬉しいですよね。
うん、レアなもの観られた!ってね。
トラブったとしても焦らないで、これはこれで面白いでしょ、的な。
そうそう、たしかROLLYさんも著書で同じこと言ってた。「君たち、今日はこのトラブルが観られてラッキーだったね」ぐらいの気持ちで、と(笑)。
トラブルが起きたらそれを楽しまなきゃしゃーない。ライブなんてナマ物なんだから。
うん、醍醐味だよね。僕も何というか、トラブった瞬間の、ヒリヒリした感じ、嫌いじゃないです。
予定調和じゃない感じね。
イエモンの話で思い出したんだけどさ、ザ・キャプテンズの曲で「ハートにピットイン」って曲があるじゃない?
はい、ライブの定番曲ですね。
アレを初めてライブで披露したのが、たしか青森のライブハウスだったんだけど、本編で演ったらあんまり上手く出来なくて、アンコールでもう一回演らせてもらったことがある。
そりゃまた…。
僕には「この曲は今後大事な曲になる!だからちゃんと見せたい!」って勝手な予感があったんだけど、メンバーに怒られたなあ…(笑)
そういう、予定調和以外のことってのはキャリア積めば積むほど楽しめるものなんですかね?
そうかもね。あの頃はキャリアも浅かったし、全員がトラブルを楽しめるような余裕はなかったよね。
段々と楽しめるようになりますよね。これを読んでる人も、トラブルがあっても落ち込む必要はない、楽しめ!と。
言いたいね。だからホーリーの歌もそーいうことかもよ?
は、はい…。声が裏返ろうが気にしない…?(笑)
今まででさ、これヤバい!みたいなトラブルってあった?
前やってたバンドで、一曲目の終わりで弦が切れたことがあって。予備の弦持ってきてたんで張り替えさせてもらいましたね。
へえ、あんまり弦を切るイメージ無いけどね、ホーリー。
当時はピッキング強かったんですよ。
ピッキングも変わるもんだねえ。
昔ほど力入れて無いです。
でも芯のある音を出せるようになった訳だ。
あとは…ジャックごとイカれたことがあって。
それはマズそうだね!直しようが…
無かったので、その時は対バンの方に借りました。傷彦さんはコレやばいな、なんてトラブル今までありました?
ライブが連チャンで、声が完全に出なくなった時がありましたね。
あ、その時のこと何となく覚えてます。
ウチの場合はベーシストのテッドが歌う曲もあるし、そういう、他メンバーが歌うレパートリーを増やしたりしたんだけど。あとの部分は…お客さんに歌ってもらった覚えがあるなあ…。
あんまり声嗄らすイメージないすけどね、傷彦さんは。喉が強い。もともと丈夫なんですか?
うん、そうだと思う。今年に入ってから、さらに嗄らさないようになった。いまみちともたかさんと一緒に行ったボイストレーニングの効果だと思う。ゴスペル式の。でも、声は本当のナマものだから、ケアが難しいね。
ボーカリストは打ち上げでもあんまり喋らないようにしてる、とか聞きますけどね。
僕の場合は「タロット占いして下さい!」って人が寄ってくるんだよ(笑)。 ※編注・傷彦はタロット占い師でもあるのだ※
しゃーない(笑)。あとは…ケアの話でよく聞くのは、油飲んだり?
うん、蜂蜜とかね。噂には聞くよね。
人それぞれだからなー。
その人の体質にもよるよね。すごく神経質な人になると、ライブ中も側に加湿器置いたりするってね。確かに乾燥を避けるのも大事だけど、それよりは普段の発声法なんだろうな〜。
ですよね。
あと!ライブの心構えとしては、どれぐらいまで「サブ」を用意するのかは聞いてみたい。
サブ?
例えばピックなら何枚も予備、つまりサブを持って来やすいじゃない?
ああ〜〜、そういうことか!
じゃあ、シールドなら?とかさ。
用意します?シールドのサブ。
いや…(苦笑)。
ピックは何枚か用意しますけどね、シールドは…鞄の中には持って来てます、一本は。で、パッチケーブルは何本か用意してますね。
あ、じゃあかなり用心深い方なんじゃない?
でも弦は用意してないですね。ピック、パッチケーブルぐらいかな。シールドはライブハウスで借りられる場合もありますからね。
30分のステージではサブベースまでは用意しない?
王子みたいに馬車移動だったら持ち運ぶんですけどね(笑)。
※編注・ザ・キャプテンズは馬車でツアーへ行くのだ※
あとは…トラブったら対バンに助けを求める、と。結局そーいう、(対バンやライブハウススタッフとの)コミュニケーション能力次第だよね?
そーすね(笑)。困った時はスタッフを頼る。
大事だよね。
その為にも、リハの時からしっかりコミュニケーションをとる。
うん。あとさ、新しい機材を導入した時もPAさんに意見を聞きたいよね。「どうでした?」って。
はい。普段からお世話になってるPAさんだと、余計にね。
今までとどう違うか、バンドサウンドにフィットしてるのか、聴きたいよね。
PAさんによっては毎回足元覗き込んで行く人が…(笑)
いるよね!あんたも好きね〜〜って人が(笑)。マイクとかもね、新しいのを持ち込むとPAさんが気にしてくれたり、するね。
そーすよね。
では、今回のまとめは「トラブルに対処するためにはスタッフさんや対バンとのコミュニケーションも大事!」ってことでいいかな?
はい!
そう、すべては?
愛ゆえに〜!