はじめに
今回はWARM AUDIOの Mutation Phasor II をレビュー。Mu-Tron Phasor II 譲りのスワーリーでサイケな音色を100%アナログ回路で再現。ギターはもちろん、キーボード用途でも使えるのか?操作性や音の幅も含めて探っていきます。
基本情報・スペック
- 製品名:Mutation Phasor II
- メーカー:WARM AUDIO
- エフェクトタイプ:アナログ/エレクトロオプティカル・フェイザー(Rate,Depth, Feedback)
- 発売時期:2023年6月頃
- 価格:¥23,800
- 主な特徴:
- RC4558Pオペアンプ、ヴィンテージ抵抗・フィルムキャップ採用
- フィードバックノブ搭載で“フェイズ+自発鳴り”が可能
- サイズ:幅3.5″×高さ2″×奥行6.5″/重さ約2lb(約900g)
- 9V DCセンターグランド、またはバッテリー駆動対応(電池交換にはドライバー必要)
- バッファードバイパス仕様
実際に使ってみた感想(サウンド編)
● Rate(速度)
10時方向からテンポ速めのスワールも可能。10時以下でMagnatone系ヴィンテージ・ロータリーっぽい揺れ。
● Depth(深さ)
控えめ設定でうっすらフェイズ、深め設定でペーパー音のような独特のうねりが特徴。
● Feedback(共鳴)
70年代感を強調可能。低速・高FeedbackはLeslie感、高速では“メタリックハミング”風にも展開。
● 総評サウンド
- 「スワイリー/ドリーミー」「サイケ/ファンク」幅広い。非常に音楽的で“鳴り”が深い。
- ギターはもちろんシンセやキーボードとの相性が特に光る。
使い勝手・操作性
- ノブ配置が縦一列で直感的。操作感は感度が高く、微調整が効きやすいため細かな設定にも向く。
- バッテリー交換や筐体の大きさ(約7cm x 17cm)など、ペダルボード設置時は要スペース確認。
- バッファードバイパスで音質劣化を防止。
他機種との比較
- Original Mu-Tron Phasor II:かなり忠実な設計。バッテリー運用など現代的配慮もあり。
- Electro-Harmonix Small Stone/MXR Phase 90 等:Mutationはより音楽的・広域で“実験 的”な揺れが可能。フェイズだけでない深化されたフェイザー体験。
- **Aguilar Grape Phaser(ベース用)**比較では、「Mutationは低域しっとり・スムーズ」
どんな人におすすめ?
- サイケ/ドリーム系フェイザーを探している人
- シンセ/キーボード用に深いモジュレーションが欲しい人
- フェイザーに“実験性” や“共鳴鳴り” を求める人
- 一方で、コンパクトで軽量なペダルを好む人や簡単操作重視派には向かない可能性あり。
総評・まとめ
Mutation Phasor II は、70年代に人気を博したMu-Tronスタイルのスワーリーでリッチなフェイザーを、現代的な品質で手に入れられる1 台。音楽性・サイケ感・実験精神を持ち合わせ、価格も魅力的。空間系モジュレーションを極めたい方や、シンセ素材を揺らしたい人にとって非常におすすめです。
動画
Mutation Phasor II を使用し今回は、Rhodes、Clavinet を使用し動画を撮らせていただきました。
Mutation Phasor II+RHODES
Mutation Phasor II+CLAVINET
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