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たまの休みにこそDIY「手持ちのエフェクターを魔改造!!オーバードライブ編」

2026-01-20

Theme:Serviceman Diaries, Guitars

今回のブログは、誰でも1個ぐらいは有るだろう使わなくなったコンパクトエフェクターの有効活用方法を伝授する。

使わなくなった理由は恐らく、演奏しているジャンルに合わないとか、もっと気に入ったブツを入手したとか、ただ単に飽きたとかいろいろあるだろう。
しかしそれらがタンスの肥やしになるのはもったいない。
今一度、自分好みの音が出るように魔改造を施してみようではないか。

気が向いたときに都度アップするが、とりあえず今回の生贄になるのはオーバードライブ。
どこをどうイジればどう変化するのかを詳しく教えよう。
内容的には永久保存クラスだ。


まず、歪みの回路の基本を覚えてほしい。
基本中の基本で有るOP-AMP(オペアンプ)を使用した回路図だ。

特殊な場合を除き通常はデュアルオペアンプと呼ばれる1個の中に2つの回路が入ったものを使用している。
※図の4558DDと書いてあるのがOP-AMPの外形で、足に番号が書いてあるが、1~3が一つの回路で、5~7がもう一つの回路である。
4はアースで電源の-や信号の-を繋ぐ、8は電源の+を繋ぐ。


さて、OP-AMPについては過去にも触れたことがあるが、デュアルOP-AMPであればほとんどどれでも音は出る。
しかし音の違いについてははっきり検証した結果の情報は驚くほど少ない。私見で恐縮だが、いくつか試した内容を共有したい。

  • JRC-4558D(新日本無線):エフェクター用としてはかなりスタンダード、Hi-Fiでは無い。
    これを基準として他のOP-AMPの傾向をつかむ、
  • JRC-4559D(新日本無線):JRC-4558Dの高域特性を改良したモデル。抜けの良さとノイジーさが特徴。
  • JRC-4580D(新日本無線):低域から高域まで出音がフラットで癖が無い。4558の系統では一番Hi-Fiと思われる。
  • BA-4558(ローム):大変音が太く、高音がこもる。抜けが悪いが聴感上のノイズは少ない。
  • CXA-4558(ソニー):どこかで聞いた音だなと思ったが、70年代の艶ありJRC-4558Dと同じ音だ。低音も高音も元気が良く全体的に高音よりの音。
    Sony表記だったが表面は艶ありで恐らくJRCのOEM品。

簡単に言うとまず回路図の(?マーク)に何を繋ぐかで歪みのニュアンスが変化する。
通常は互い違いのダイオードという部品がついているのだが、このダイオードが無くても歪むし、いっぱいつけても歪む。

オーソドックスなつなぎ方はこうだ。

■ その1

■ その2

■ その3

このダイオードの品番、繋ぐ数、繋ぎ方で無限にニュアンスが変化する。
使用するダイオードはゲルマダイオード、スイッチングダイオード。


次に、そのダイオードがつながっている部分には大体同時に可変抵抗(ゲインやボリューム)がつながっている場合が多い。

その抵抗値を変化させると歪の量を増やせる(例えば100KΩのポットを250KΩにすると歪量は2.5倍、500KΩのポットなら5倍だ)。
ただし、歪量を増やすとその分ノイズ量もふえるしOP-AMPも発信しやすくなったり、つぶれまくった汚い音になったりすることもあるので注意。


次にそのポットの接続部分には大概並列にコンデンサーが付いているはず。

余計なノイズを除去したり、OP-AMPの発信を抑えたりするものだ。
数値的にはあまり大きい値ではないが(ちなみにみんな大好きなTS9は51pF、OD-1はOP-AMPの2段目に18000pFが付いている)、これがこもり具合や滑らかさを作っている。


例が出たのでTS-9で説明を進めよう。

入力した信号がまず通るのはOP-AMPではなくトランジスターである。
ここでは2SC1815という大変ポピュラーなトランジスターである。

このトランジスターの役目は入力信号のインピーダンスを下げることなので、違うトランジスターにしても(というか何に交換しても)音はほとんど変化しない。

しかし後段のトランジスターは少々話が変わってくる。

歪具合や高音の出方を作り終えて、出力レベルを整える役目のこの部分は、結構品番によって変化具合が分かりやすい。
通常のNPNトランジスターで耐電源電圧が12V以上あればよい。
私個人としては2SC2240など使用したい。


今回紹介したのはOP-AMP、ダイオード、トランジスター、コンデンサーの4か所。

他にもたくさんのイジる個所は有るが、とりあえずこの4か所
このいずれか(またはすべて)を交換すればはっきり変化が分かるであろう。

手を加えるのは個人の自由だが、あくまでも自己責任で行う事。
音は各パーツのカット&トライで決めていくスタイルが望ましい。

ではまたいずれお会いしましょう。

mori

Bogner、 ENGLのカスタマーエンジニア経験を経てあらゆるメーカーのAMPを修理し続け早や20年、中でもMarshallの修理では他の追従を許さぬほどの経験値あり。Noasharkエフェクターの回路設計者でもあり、あらゆる音響機器に造詣が深く、自分用のエフェクターは自分で作るがモットー。しかしただのビンテージコンデンサーフェチではないか?と噂されている事を本人は知らない。

 
 
 

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