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SPITFIRE AUDIO / BBC SYMPHONY ORCHESTRA詳細レビュー!

2021-06-22

テーマ:DTM・DAW

近年、オーケストラなどのソフト音源で多方面からの注目を浴びているメーカーがあります。その名もSPITFIRE AUDIO。
サウンドハウスでも満を持して取り扱いを開始しました!
今回、数多くの作曲家やミュージシャンから支持を得るその理由を検証していきたいと思います!

SPITFIRE AUDIO ( スピットファイア オーディオ ) / BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL

言わずと知れた世界的に有名な英国BBC交響楽団とSPITFIRE AUDIOがパートナーシップを結んだことで誕生した夢のような音源です。
BBC交響楽団の演奏を、手元のMIDIキーボードなどで操ることができるのです!
BBC交響楽団の本拠地となる“Maida Vale Studios”での200時間 / 1,000,000サンプルを超えるレコーディングで構成された、オーケストラ音源の歴史上でもとても重要なソフトウェアです。

早速、操作画面を見ていきましょう。
同社製品はNative InstrumentsのKONTAKT Player上で動作する製品も多いですが、本製品は独自に設計されたスタンドアロン・プラグインとなっています。

美しく洗練されていて、豊富な機能を備えるにもかかわらずシンプルな構成となっています。
実際に触ってみると、マニュアルを見なくても感覚的に理解できる、優れたインターフェイスと感じました。

最初に目を引くのは大きなコントロールノブ。これはパラメーターを切り替えながら調整できるものとなっています。各パラメーターは繊細に音色が変化するため、大きなノブで微調整ができることで狙い通りの音色が作りやすいです。
最も重要といえるダイナミクスとエクスプレッションのパラメーター調整用には、左に別のフェーダーが設けられています。こちらはMIDIキーボードやフィジカルコントローラーのフェーダー操作に対しても、リアルタイムに素早く追従します。ダイナミクスの音色変化は自然に、連続的に変化するため、直感的な調整が可能です。

ウィンドウ下半分は、「テクニック・セレクター」、「シグナル・ミキサーシグナル・ミキサー」、「エフェクト」と切り替えて使うことができます。

「テクニック・セレクター」は、レガートやスタッカート、トリルなどの奏法(アーティキュレーション)を視覚的に選択することができます。

奏法の種類は多岐に渡りますが、その時々で使用するテクニックを絞り込むことができるため、使い勝手も抜群です。
オーケストラ音源として重要な、奏法の切り替え方法もここで設定します。
切り替えをキースイッチで行うか、MIDIチャンネルの変更で行うか、など制作スタイルに合わせて選択できます。CC(コントロール・チェンジ)やベロシティの範囲を指定して切り替わるように設定することなども可能です。

▶キースイッチ‥‥MIDIキーボードで演奏には使わない低音部などを奏法切り替えスイッチに割り当てる方法

続いて「シグナルミキサーシグナル・ミキサー」は、PROFESSIONAL版では11種のマイクを含む20種のミキサーシグナルから自由にミキシングができます。

マイクポジションは、Close、Tree、Ambientなど一般的なものに加え、1930年代からBBCで使用されているMonoマイクや、各セクションリーダーの上に配置されたLeader micsなど多数のマイクを組み合わせて最適な空間表現が可能となります。そのため、調整次第でどんな楽曲にも馴染ませることが可能です。
このバランスでこだわり抜くのも良いですが、予めバランスが取られたMix1またはMix2のミキサーシグナルを使うことでメモリを消費せず、手軽に均整の取れたサウンドを得ることができます。また、上記はデフォルトのADVANCED VIEWですが、これをオフにすると視覚的にシンプルに、距離感などのバランスを調整することができます。

ADVANCED VIEWをオフにしたバランス調整

「エフェクト」は、演奏のニュアンスをコントロールしたり、エフェクトのかかり具合を調整します。

一般的なREVERBやRELEASEはもちろん、同じテクニックで異なる演奏バリエーションが選択できるVARIATIONや、サウンドのタイトさを調整するTIGHTNESS、ビブラートの量を調整するVIBRATOなどが用意されています。(使用する楽器によって調整可能な項目は異なります)

では、そのサウンドをチェックしていきます!

順番にプリセットを弾いてみた最初の感想は、静かに弾いていても、その質感というかテクスチャーがとても心地良い!適当に弾いていてもそれがそのまま音楽的に響くように思いました。
アンビエント・ミュージックが好きな自分としては、ただコードを抑えるだけで音楽になるような、漂うような心地よさに恍惚としてしまいます。
しかし特筆すべきは静かなサウンドだけではありません!
激しめのロックのオケに充ててみても、埋もれることなくフレーズがしっかり立ってきます。
繊細な音源はこういった音圧あるジャンルに弱いケースもありますが、全くその心配には全く及びませんでした。スピード感やタイトさが求められるジャンルにもしっかりリアクションしてくれます。
また、同じホールで全て録音されているためか、多数のトラックを立ち上げてアレンジしても、特に意識しなくても自然に音がなじんでくれます。なじませる作業を省けるため、時短にも繋がります。
多彩に用意されたアーティキュレーションも、一つ一つ丁寧に録音されていることを感じます。
スタンダードなLegatoは滑らかで、実際に弓が弦を移動しているかのように自然です。LongやStaccato、Marcatoなどベーシックなものはオケの中に入ってもそれぞれの特性が活かされます。
個人的にノックアウトされたのは荘厳で美しいTremoro!風景が浮かんでくるようなリアリティです。PizzicatoやHarmonicsなどもソロで弾いているだけで気持ちよくなれます。(笑)
リアルなオーケストレーションを追及する職人はもちろん、インスピレーションを求める作曲家やアーティストにもピッタリな、芸術性と万能さを兼ね備えた音源です。

なお、BBC SYMPHONY ORCHESTRAはDISCOVERとCOREとPROFESSIONALの3バージョンが用意されています。
「DISCOVER」はシンプルでグラフィカルなGUIで35種類の楽器と47種類のテクニックにフットワーク軽くアクセスすることが可能です。それにも関わらず上位版と同等のプロ仕様の録音品質!
「CORE」は42種の楽器を収録し、すべてのアーティキュレーションを備えています。ミキサーシグナルが1種となるため、ストレージ容量をあまり使わずに合理的にプロフェッショナルのオーケストラサウンドを実現することができます。
そして「PROFESSIONAL」。418のテクニックを含む55種類の楽器を収録。さらに11のマイクポジション、20のミキサーシグナルを備えることで、サウンドのディテールをどこまでも追求することができる完全版です。

このように、BBC SYMPHONY ORCHESTRAは初心者の方が気軽にそのクオリティを体感できる一方、プロレベルのクオリティまで追求することのできる商品となっています。

既に様々さまざまなストリングス音源をお持ちの方も、これからストリングス音源に手を出してみようという初心者の方も、ぜひ一度はこのBBCサウンドを体感してください!!

サウンドハウススタッフ

サウンドハウススタッフによるブログです。 ここでしか聞けない、サウンドハウスのスタッフだからお届けできる、とっておき情報が満載です!本音トークもあるよ♪

SPITFIRE AUDIO / BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL

SPITFIRE AUDIO

BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL

¥149,237(税込)

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