
音楽雑誌や他のブログでは、あまり紹介されないタイトルのモノラルレコードをご紹介するこのブログ。今回は、惜しくも来日公演が中止になったボブ・ディランの作品。中止の悔しさも吹っ切れる、異色ながら実に身体に染みる様なナンバーをモノラルレコードで聴いてみたいと思います。
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT-MONO3/LP モノラルカートリッジ
盤に刻まれたモノラルサウンドを深く、深く楽しみたい方は、モノラルカートリッジがオススメ!もちろん、サウンドハウスでも販売しています!
ヘッドシェルとの取り付けだって、そんなに難しくないので、ぜひトライしてみてください!
さて、今回ご紹介するのは、1969年にリリースされたアルバム「ナッシュヴィル・スカイライン」からシングルカットされたナンバー「レイ・レディ・レイ( Lay Lady Lay )」。

ボブ・ディランと言えば、クールな表情で歌うしゃがれ声のイメージがあります。しかし、このアルバムでは珍しく爽やかで澄んだ歌声が前面に出された異色作であります。アルバムのジャケット写真の様に、優しく温かい、アーシーなカントリー・テイスト溢れた作品ではありますが、そんな一面もあるからこそディランの歌は、現代社会に投げ掛ける啓示の語り部としても、ロックファンに支持されているのかと想像します。リリース当時、激化するベトナム戦争や反戦運動のニュースが往行するアメリカ社会を癒していたであろうことも想像してしまう、実にハートウォーミングなアルバムだと思います。
さて、ディランの異色作としてスリリングに聴くか、カントリー・ロックの素晴らしきアルバムとして聴くかなど、いろんな楽しみ方を提供する本作。このアルバムからのシングルを聴きながら、モノラルレコードの魅力をお伝えします。
この曲「レイ・レディ・レイ( Lay Lady Lay )」ですが、その異色なアルバムからの1st シングルながら、ディランの作品としては久々に全米トップ10入りしたナンバーです。モノラル盤は当時シングルのみのリリースということですが、アルバムで聴くステレオバージョンとの違いが発見できるか聴いてみましょう。
ステレオでは、まずパーカッションの音が、凄く鮮烈で、優しく響くディランの声との対比が楽しめます。モノラルは澄んだ声ながらも、ステレオと比べると、ともすると強引とも感じられる程の力強い歌が響きます。またベースが大きめに鳴りき、Bメロでドラムの主張が激しく、初めてモノラルレコードに針を落とした時はリンゴ・スターが叩いているのかと錯覚しました。また、モノラルで聴くパーカッションは、ステレオの様な華やかさとは違い、歌を盛り上げる、底上げ的な存在に聴こえて、フィル・スペクターのシングルで聴ける様なサウンドに近いものを感じました。

アメリカンマナーに沿った、日向のポップスにもより沿ったカントリー・ロック。やはりディランの中でも異色作であることを再発見した次第です。
勿論、この曲のスタンダードなステレオバージョンと、ニッチなモノラルバージョンのどちらがいいかということではなく、その両方のバージョンを楽しむのが、アメリカンロックの奥深さを楽しむことだとも感じます。このアメリカ製シングル。貴重で高価な様に思われるかもしれませんが、前述のとおり、ヒットシングルなため多くの枚数が流通しています。かくいうワタクシも、このシングルはフリマサイトにてワンコインで入手。あなたが心ときめくモノラルレコードもそばにあるかもしれません。
さて、このモノラルレコードの魅力をお伝えするブログ。これまで古いシングル盤をご紹介いたしたが、LPにもスポットを当ててきましたが、次回はニューアルバム「McCartney III 」をリリースした、ポール・マッカートニーのアルバム「ラム」の モノラル復刻LPの魅力に触れていいきたいと思います。

それでは皆様、次回のブログでお会いしましょう。Back To Mono!