こんにちは!サウンドハウスの杉本です。
学校の集会や講演会、カラオケなどで突然、
「キーーーーン!」
という大きな音が鳴った経験はありませんか?
いわゆる「ハウリング」です。
一度鳴るとかなり耳につく音ですが、そもそもなぜこんな音が発生するのでしょうか。
そして、ライブやイベントの現場でハウリングが起きたとき、PAオペレーターは何をしているのでしょうか。
今回は、ハウリングが起こる仕組みから、本番前・本番中に行われている対策、ハウリング対策をサポートしてくれる機材を紹介します!
そもそも、なぜ起こるのか?
ハウリングの仕組み自体は意外とシンプルです。
例えば、ボーカルがマイクへ向かって歌ったとします。
その声が、
マイク → ミキサー → スピーカー
を通って客席へ出ます。ここまでは通常のPAです。
ところが、スピーカーから出た音が再びマイクへ入り、もう一度スピーカーから出て、さらにまたマイクへ……という状態になると、
マイク → スピーカー → マイク → スピーカー……
という音のループができます。
このループの中で特定の周波数が繰り返し増幅され、異音がなってしますのがハウリングです。

ハウリングが起きたら、まず何をする?
本番中に突然ハウリングが起きた場合、まず優先するのは音を止めることです。
原因を詳しく調べるより先に、お客さんや出演者へ大音量のハウリングを聞かせ続けないよう、原因となっているマイクやモニターへの音量を下げます。
マイクが何本も立っている現場では、ミキサーのメーターや直前の操作、ステージ上の状況を見ながら、どのマイクで音のループが起きているのかを判断します。
つまりハウリングが起きた瞬間、PAオペレーターは音量を下げるだけでなく、同時に原因も探しているわけです。
EQの前に、マイクとスピーカーの位置を確認
ハウリング対策というと、「EQで鳴っている周波数を削る」というイメージが強いかもしれません。
ただし、その前に確認したいのが、マイクとスピーカーの位置関係です。
マイクをスピーカーへ向けたり、ボーカルがマイクから離れすぎたりすると、声よりもスピーカーからの音を拾いやすくなり、ハウリングまでの余裕が少なくなります。
さらに、会場の響き方も重要です。
壁や床が硬くて音が反射しやすい会場では、スピーカーから出た音が回り込みやすく、ハウリングしやすくなることがあります。
また、部屋の形や広さによっては、低音がたまりやすかったり、特定の帯域だけ響きやすかったりすることもあります。
同じ機材を使っていても、会場が変わればハウリングの起こりやすさも変わっていきます。
ステージ上のモニタースピーカーの置き方も重要です。
一般的なカーディオイドマイクは真後ろの音を拾いにくいため、その特性を利用してモニターを配置できます。一方、スーパーカーディオイドなどは真後ろにも感度があり、音を拾いにくい角度が異なります。
モニタースピーカーは何となくマイクの後ろへ置けばよいのではなく、使用するマイクの指向性に合わせて位置を考える必要があります。

それでも鳴りやすい周波数をEQで抑える
マイクとスピーカーの位置を整えても、会場の響きなどによって、特定の周波数だけがハウリングしやすいことがあります。
そこで使用するのがEQです。
例えば2kHz付近が先に鳴り始める場合は、その周辺を狭い範囲で必要な分だけ下げます。
ただ、広い範囲を下げすぎると、ボーカル本来の明瞭さや音色まで変わってしまいます。できるだけ問題のある部分だけを抑え、音質とハウリング対策を両立させていきます。

本番前に「どこで鳴るか」を確認している
PAでは、本番中にハウリングしてから対処するより、事前に鳴りにくい状態を作っておくことが大切です。
サウンドチェックでは、モニターやメインスピーカーのレベルを少しずつ上げながら、どの周波数が先に鳴り始めるのかを確認し、必要に応じてEQで抑えます。
こうした作業は「リングアウト」と呼ばれます。
以前私のブログで紹介した「ワンツー」「シーシー」といったマイクチェックでも、単に音が出ているかだけでなく、音色やモニターの返り、ハウリングまでの余裕などを確認しています。
⇒ 関連記事:【PAの本音】「ワンツー」「シーシー」って何言ってるの?マイクテストの謎と、一番助かる声出し
ハウリング対策をサポートする機材もあります
最近では、ハウリングしやすい周波数を自動的に検出し、細い帯域だけを抑えてくれる機能を搭載したデジタルミキサーやPA機器もあります。
Ui24Rは、24チャンネル入力に対応したラックマウント型のデジタルミキサーです。
モニター出力で使用できるdbxの「AFS2 オートマチック・フィードバック・サプレッション」を搭載。ハウリングしやすい周波数を検出し、狭い範囲へフィルターをかけることで抑えられます。
入力・出力にはRTAも搭載されているため、鳴っている周波数を確認しながらEQを調整することも可能です。
モニターミックスを複数使用するバンドライブやイベントなどで、ミキシングとハウリング対策を1台でまとめたい場合に便利なモデルです。
すでに使用しているミキサーに自動ハウリング抑制機能がない場合は、専用機を追加する方法もあります。
dbx AFS2は、ハウリング周波数を自動検出し、狭いノッチフィルターを設定する2チャンネルのフィードバックサプレッサーです。
会場やスピーカー配置によって決まる鳴りやすい周波数を抑える「固定フィルター」と、本番中に発生するハウリングへ追従する「ライブフィルター」を使用できます。
ミキサーを買い替えず、現在のPAシステムへハウリング抑制機能を追加したい場合の選択肢です。
FBQ3102HDは、ステレオ31バンドのグラフィックイコライザーです。
「FBQフィードバック・ディテクション」機能を搭載しており、ハウリングしている周波数帯をLEDで確認しながら、該当するEQフェーダーを調整できます。
自動でハウリングを抑えるタイプではなく、問題となる周波数を見つけて自分で調整したい場合に便利なモデルです。
まとめ
ハウリング対策では、発生してから音を止めるだけでなく、事前にマイクやスピーカーの位置、会場の響き、音量バランスなどを整えて、起こりにくい状態を作っておくことが大切です。
また、必要に応じてEQで鳴りやすい周波数を抑えたり、今回ご紹介したフィードバック抑制機能や専用機を活用したりすることで、より安定したPA環境を作ることができます。
ハウリング対策に役立つ機材をお探しの方は、今回ご紹介した製品もぜひチェックしてみてください。
それではまた次回!!









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