
祝、第4回
ポール・マッカートニーの新作『ダンジョン・レインの少年たち』で
M44G用交換針を聴き比べ!

親愛なる数少ない私のブログ読者の皆様。ワタクシはサウンドハウス営業部のレコード好きスタッフ、市原雅之でございます。相変わらず色男で申し訳ございません。
好評か不評かわからないまま連載を続けております、SHUREのレコードカートリッジ「M44G用の交換針」をロックの名盤で聴き比べる本ブログ。
今回は、この連載をポールの新作で!という声を友人からいただきましたので、ビートルズのアルバム、リボルバーのUSオリジナル盤での聴き比べに続き、ポール・マッカートニーの最新作、『ダンジョン・レインの少年たち』で2つのM44G対応針を聴き比べしてみたいと思います。
DJ用途のみならず、リスニング用途としても、約半世紀にもわたり多くのリスナーを魅了してきたSHUREのM44Gカートリッジ。2018年頃に惜しまれながらも生産/供給終了へ。そんな中、国内を代表するレコード針メーカー「NAGAOKA(ナガオカ)」と、気鋭のDJ機器ブランド「100Sounds(ヒャクサウンズ)」が対応の交換針をラインナップ!
そんな伝説的カートリッジM44G用の交換針、ナガオカ製と100SOUNDSでサウンド特徴にどのような違いがあるのか、ポール・マッカートニー最新作にて“聴き(効き)比べ”してまいります!
なお、このブログを書いている筆者は、ビートルズよりもポールのソロのファンで、特に80年代以降のアルバムや変名プロジェクトであるThe Firemanの作品に非常に思い入れがある人間なので、例えで出てくる曲名がソロの曲ばかりになるかと思いますが、予めご了承くださいw
まずは今回の使用する針を簡単にご紹介しましょう!
NAGAOKA ( ナガオカ ) / DJ-44G - M44G・M44-7対応 交換針
パワフルな音圧、かつ繊細なワイドレンジで迫力の あるサウンドを実現させたモデルということで、聴きこむにもよし、DJでもアガる音質です!”Once Upon A Long Ago”の12インチ最長バージョンとB面の”Back On My Feet”は必ずこれで聴いています!
100SOUNDS ( ヒャクサウンズ ) / RS-44-100B2 M44G/M44-7対応 交換針
現代的なサウンドも考慮されアレンジされた仕様とあって、古いナンバーも曲によっては今のクラブサウンドにマッチさせるような効果も!”This One”の12インチに入っている”Good Sign”や” Deliverance”の12インチはこれで爆音をかけると最強の幸福感です!
さて、ポール・マッカートニー、新作『ダンジョン・レインの少年たち』のアナログ盤ですが、販売するお店によって様々なバリエーションの盤がカラーレコードを中心にリリースされております。マニア心をくすぐられながらも家庭を持つサラリーマンのお財布事情なので、一枚だけ購入となりました。日本ではビートルズの作品をリリースしていた東芝音楽工業が、赤盤という赤い色のレコードで販売していたので、ポール新作も馴染みのある赤いカラー盤を選ぶことにしました!
盤のカラーによって音の違いあるかもしれませんが、SNSでは赤い盤で再生している投稿をよく見かけるので、同じ盤で聴いている方も少なくないようです。このアルバムを機に、名機M44Gを探し出して聴いてみたいという方、M44Gをお持ちでまだこの二つの針を検討されている方への参考になれば幸いです!
それではさっそく針を落としてみましょう!!


1. As You Lie There/アズ・ユー・ライ・ゼア
ブライアン・イーノ風アンビエントなサウンドの上で語りかけた後歌いだすソフトなナンバーかと思いきや、展開部分では” I Want You To Fly” のコーダ部分のように感情むき出しのマイナー・ピアノ・ポップになるところが実にスリリングです。ドラムがポールなのも肝。さてそんな早くもニンマリなオープニングナンバーをこの針で聴き比べるとどうなるか!

●NAGAOKA
イントロからAメロギターとベースと歌が絶妙にバランスよく、なおかつそれぞれが団子状でなくリアル鳴り響きました!展開部分のポールのシャウトをはじめ各楽器の細かいリバーブ余韻を感じます!先ほどドラムがポールなのが肝と書きましたが、とくにスネアの音が実に心地いいです!全体的に曲の和みを感じる音で、アルバム『パイプス・オブ・ピース』や『エジプト・ステーション』を聴いているような幸福感!楽器、ボーカルの音ともに、録音した音をダイレクト伝えるナガオカの針はやはり信頼を裏切りません!
●100 SOUNDS
ギターよりも歌が目立つサウンドで、ストーリーテラーな側面がより強調されたようなどこかシリアスに聴こえるところも。展開部分のベースの音が指弾きや柔らかい弦で弾くときのリッケンバッカー・ベースのような感じで、ブロード・ストリートの時の”So Bad”を思い出しました!しかし全体的には和みというよりは、『ケイオス…』のように微妙にシリアスなテイストも感じます!今の音に聴かせる100SOUNDSならではでしょうか。
2. Lost Horizon/ロスト・ホライズン
ゆるくなった”Flaming Pie”。コーラスも何となく同名アルバムに入った他のナンバーにも通じるジェフ・リンチックなマジックがかかっているように感じますが、Bメロで絡んでくるギターがじつにポール節でカッコいいこのナンバーを聴き比べるとどうなるか!?

●NAGAOKA
ボーカルがメインながらギターのカッコ良さが、バランス良く響いてきます!随所にベースは盛り上がってくるあたり、この曲のいいところを最大限に引き出しているように思います!心地よく響くバックコーラスにリンダの影?とは言いすぎでしょうか…
●100 SOUNDS
ベースがもう、ひたすらうねる、うねる!ドラムのスネアのパンチのある音もひたすら心地いいです。サビになるとメインボーカルとコーラスが一気に盛り上がるのは、クラブ志向の針ならではの醍醐味でしょうか!
3. Days We Left Behind/デイズ・ウィ・レフト・ビハインド
ポールの曲では数多くあるアコースティック中心の中でも”The Song We Were Singing”みたいにSP盤フォークにも通じるノスタルジー度を感じるナンバーですが、こういう静かなナンバーではどういう聴き比べができるのでしょうか?

●NAGAOKA
歌とベースが目立つ感じですが、アコースティックギター、ピアノが出るときには出るという感じで、ピアノの音の余韻も素晴らしい!涙ものです!バックコーラスもクリアで、田園フォークの素晴らしき世界へどんどん引きずり込まれます!『ケイオス・アンド…』のジャケを思い出してしまいます….
●100 SOUNDS
アコースティックギターの低音がより目立ち、キュッっていう音を含めてポールの手癖を感じる音で、『ワイルド・ライフ』の”BIP BOP LINK”を思い出しますが、同時に『ケイオス・アンド…』に入った” Jenny Wren”を聴いているようなハッとするような瞬間も!
4. Ripples in a Pond/リップルズ・イン・ア・ポンド
『パイプス・オブ・ピース』に入ってもおかしくはない(?)21世紀版”The Man”!”Girl Friend”にも通じる強引な展開部分もソロファンにニンマリで、個人的には1,2を争うかもしれないナンバー!これは実に聴き比べが楽しみです!

●NAGAOKA
このイントロの各楽器のクリアさよ!歌とスネアの音のリアルさも素晴らしいですが、特にアコースティックギター、ストリングスの音の鮮やかさ!ジョージ・マーティンの息吹が1980年代作品の様にかかっている様に聴こえ、もうポールを聴き始めたころの童心に還ります!!タッグ&ピースな心に満たされたいならこの針でしょうか!
●100 SOUNDS
ベース、ドラムが目立ち、特に先述の強引な展開でベースとドラムが思いっきり遊んでいるようなサウンドが、理屈抜きで楽しいです!ノスタルジックに聴くよりも今のロックとして聴かせるのが100 SOUNDSでしょうかやはり!
5. Mountain Top/マウンテン・トップ
前曲の21世紀版”The Man”でイタコ・マイケルと一緒に弾けた様なトラックに続いて登場するのは、サイケをベースに、レゲエ、グラムロック、オルタナを足してグシャって潰したような実に痛快なポップ・ナンバー!これは聴き比べ甲斐ありそうです!いややっぱりこの曲がベストかな…

●NAGAOKA
ボーカル、ドラムのエフェクトがグッときて、ポールがリンゴっぽく意識して叩いているの?という妄想も膨らむ60’sフレーバー満載サウンドです!当然ながら、XTCの変名プロジェクトはじめ80年代以降のネオサイケバンドを軽く凌駕するこのアシッド感覚を最大限に引き出している音質です!エンディングのギターもエッジが効いていて、ジミー・マカロックを思い出しました!!
●100 SOUNDS
ボーカルがブリット・ポップな効果も狙っていたミックスなのかなとも思われる様に響くと同時にギターはグランジなイメージが強調されているかのように聴こえました。サビになるといい意味で楽器全体が団子状態!とどめのエンディングではベースのうねりが凄まじく、幻の未発表アルバム”COLD CUT”でこっそり”Night Out”を聴いていた頃を思い出してしまう勢いでした!
6. Down South/ダウン・サウス
“Confidante”をさらにシンプルにしたような弾き語りフォーク。83歳のポールの声、実にいいです!しかしこんなシンプルな曲で、針による音質の違いがでるでしょうか?
●NAGAOKA
ボーカルのリバーブのかかり具合まで、味わえて幸福度マックスですね!ギターの音色も本当に深く、深くいい音色に響きます。レコードで聴く醍醐味ここにあり!
●100 SOUNDS
“Oh Yeah” “Rock N Roll”という歌う箇所が強調されている様で、弾き語りなのに、若き荒くれ不良少年なイメージもほんのり。” Lavatory Lil”の歌い方をも連想させます!
7. We Two/ウィ・トゥー
再びジェフ・リンチック=アルバム『フレイミング・パイ』チックなサウンドの曲が登場。4トラックでシンプルにレコーディングしたというこの曲で、2つの針でどんな違いがでるか!
●NAGAOKA
ボーカルと左右のアコギが本当にクリアです!ベースの音も、遠くで鳴るメロトロンもじっくり味わえる音質です!
●100 SOUNDS
今回のアルバムで聴ける肝の一つ。ポールのドラムが目立ち、ソロファンにはニンマリ。“Spies Like US”を聴きたくなるのはワタクシだけでしょうか…
以上A面を2つのM44G対応針で聴き比べてみましたが、B面の”効き比べ”はどういうものになるのでしょうか!リンゴ参加曲をはじめ、興味が尽きませんね!!








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