こんにちは。
私は普段、カフェや介護施設などでのライブの際、機材持ち込みでライブを行うことがよくあります。
その際、HX Stompの設定をフル活用することで、大幅に荷物を軽くしてライブを行うことができています。今回これを紹介させて頂きます。
Line 6 ( ライン6 ) / HX Stomp マルチエフェクター
機材持ち込みライブにありがちな悩み
本来、機材持ち込みの場所で弾き語りでソロのライブをしようとする場合、下記のような機材のチョイスが一般的だと思います。
- アコースティックギター用のアンプで最低限のセッティングで行う
- 小型のミキサーとパワードスピーカーを持っていく
ただ、これらの場合下記のような悩みがありませんか??
- 機能、エフェクトが選べない(例:アンプやミキサーに備わっているリバーブのみしか使えない)
- 音質を良く、もしくはある程度の音量にしようとすると、必然的にアンプ、スピーカーが重くなる(例:アンプやスピーカーだけで5kgを超える)
車移動が必要になったり、キャリーカートをガラガラ引きずっての移動が必要になったりする割には、ライブ中に使える音色が一つしかない!!となってしまうのは悲しいものです。
HX Stompを活用することで、これらの悩みを解決しようと思います!!
HX Stomp含む、必要な機材
まず最初に、下記が普段、機材持ち込みライブをする際に私が使う機材です。
- ダイナミックマイク
- マイクとHX Stompを接続するケーブル
※XLR-フォンケーブル。HX StompにはフォンTS(モノ)のインプットしかないので、必ず片方はフォン端子に - ギターシールド
- HX Stomp(820g)
- パワードモニタースピーカー YAMAHA MS101-4(2.1kg)
- HX Stompとパワードモニタースピーカーを繋ぐケーブル
※HX Stompの性能を活かすためには、HX Stompとパワードスピーカーは、TRSケーブル、もしくはTRS-XLRケーブルを使って接続するとGoodです。 - (これらは必要に応じて、、)マイクスタンド、電源タップ、譜面台、BGM再生用のスマートフォンとスマートフォン接続用の有線など
※マイクスタンドや譜面台が必要な場合は、軽い、折りたためるものを使い、ギターケースにくくりつけるかリュックに一緒に入れましょう。

どうでしょう?大きめのリュックに収まるぐらいの総量でHX StompとYAMAHA MS101-4は合計しても3kg以下なので、ギター以外はリュックで運べそうですよね?なので、ライブ会場への移動もかなり楽になります。ライブ後の打ち上げ会場が多少遠くてもホイホイ行けちゃいます(たぶん)。
私もこの機材で、室内で約30人くらいに向けて演奏したことがあります。音量も結構稼げてバッチリです。
ちなみに今回の記事とは話が逸れますが、ギターをミニギターに、マイクをヘッドセットマイクにすると、さらに軽量化可能です。
生声と生音で頑張る、、、??さすがに逸れ過ぎるので触れないでおきましょう。
セッティングの紹介
ではセッティングを紹介します。
まず、各機材の繋ぎ方はこのようにしています。(HX Stompをミキサーのように使うイメージです)

HX Stompの設定を見てみましょう。
まず今回のようにパワードスピーカーに繋ぐ場合、必ずやっておく設定があります。
グローバルセッティングで、アウトプットレベルを「Line」にしておくこと
です。HX Stompを買ったばかりの状態では、ここは「Inst」になっているので必ず変えておきましょう。

続いて、エフェクトの中身を見てみましょう。
上がギター(inputのLに繋いだ側)のエフェクトで、
下がマイク(inputのRに繋いだ側)のエフェクトです。

※InputのLとRで別々のエフェクトをかけるようにしておくことをお忘れなく。
(それにしても、エフェクターの画面って見てて飽きないですよね。これ見てるだけでご飯0.0001杯くらいいけちゃいます)
色付きのブロックだけではわかりにくいかもしれませんが、このような設定になっています。

どうでしょう?ギターとマイクそれぞれ、一般的に使いたいエフェクトを使えているんじゃないでしょうか?
もちろん、ルーパーやイコライザー、リバーブ以外のエフェクトも使うことができますし、曲によって使うエフェクトを分けることもできます。
例:
- ルーパーを使わない代わりにギター側にディレイを入れる
- エレアコがプリアンプ内蔵なので、HX Stompではギターにプリアンプを使わない
- オーバードライブやワウなど、エレキギター的な音色を入れる
※HX Stompでは、MAX8個までエフェクトを配置できます。
セッティングのコツ
細かいエフェクトのパラメータ一つ一つ説明しているとものすごく長くなってしまうので割愛しますが、設定の基本的な方針としては「音量はHX Stomp内で極力大きく(ブースト)しておく」と考えておくと楽です。特にマイク側、そしてギターがパッシブタイプのピックアップであった場合は両方とも可能な限り大きくしましょう。

※マイクプリアンプのレベルなどは基本MAXにしておきます。

※プリアンプだけでなく、他の箇所でも割れない範囲でレベルを上げておくのがおすすめです。
HX Stompで音量をあまり上げずにスピーカー側でボリュームを大きくするよりも、HX Stomp側で極力音量を大きくして、スピーカー側のボリュームは小さめにすることで、音質も良くノイズも少なくできます。
(あ、そうそう。HX Stompの音量レベルを上げ終わったら、自身の演奏レベルも上げておきましょう笑)
このセッティングが適さないライブの例
ただ、このセッティングは万能なわけではなく適さない条件も当然あります。
- 電源が無い場合
※HX StompとYAMAHA MS101-4で1つずつ、計2つの電源が必要です。1口しか電源ない時は電源タップを使えばいいですが、そもそもコンセントが使えない場所ではこのセッティングはできません - 無線で演奏やBGM再生など行いたい場合
※有線限定になります - ファンタム電源が必要な機材(コンデンサマイクなど)が必要な場合
- 重低音聞かせるようなストロークなど、低音、音圧を出したいような場合
- ボーカルだけ少し上げる、などの微調整が演奏中に都度必要な場合
※微調整するには都度HX Stompを操作する必要があるので、調整はリハーサル時か、演奏の合間に限られます
実際には演奏スタイルや会場の制約など踏まえながらこのセッティングを使ってみて下さい。
(え?セッティングこだわったのはいいけど肝心のお客さんがいないって??大変どうしましょう。さすがに内容が専門的過ぎるので、そういう場合はLine6の公式サポートに問い合わせてみて下さい笑)
編成や機材の応用
今回はソロの弾き語りライブを、HX StompとYAMAHA MS101-4を使った機材の組み合わせ、30人程度の観客に向けて実施する例を元に紹介させて頂きましたが、別の編成や機材の組み合わせ、キャパでも実現可能です。
編成の例
- ギターデュオ
- マイク録りの楽器とギターのデュオ
機材の組み合わせの例
- HXシリーズの別の機種エフェクター
- 2つのInputがあり、別々にエフェクトをかけられるエフェクター
(例: Boss GT-1000Core)
キャパ
観客数少ないならさらに軽いスピーカー、観客数さらに増えたり屋外だったりした場合はスピーカーを二つにしたり、さらに大きなスピーカーにしたりなど、任意のスピーカーに変更可能(性能を十分に活かしたい場合は、TRS端子、もしくは変換プラグなどを使う前提でXLR端子の入力が可能なスピーカーが望ましいです)
(例: BEHRINGER B205D EUROLIVE パワードスピーカー)
(例: Classic Pro MoniOne PAスピーカー)
いかがでしょうか?今回、HX Stompを使って比較的軽い荷物で機材持ち込みライブを実施する設定を紹介させて頂きました。
今回紹介した方法に限らず、セッティングを色々工夫して使うと思わぬ使い方が見つかるものです。皆さんもぜひ自分なりのおすすめの使い方を探してみて下さいね!
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら