

今回は、2017年に50周年を迎えたLaneyの軌跡を追います。
1967
“Laney Amplification”は、Lyndon Laney(リンドン・レイニー)がドラムのJohn Bonhamと、ボーカルのRobert Plantと共に地元のバンド「The band of Joy」で活動していた頃であり、彼の音楽の関心がアンプの構造へ変わった時、1967年に始まりました。
当初、父親のガレージで作業をしていた彼は、その時代に聞こえなかった重要な "トーン"特性を持つアンプを設計し、構築しようとしていました。

1967
Lyndon Laneyによって1967年に設立されたLaney Amplificationは、West Midlandsにあります。そこは、ヘヴィメタルという音楽ジャンルの誕生時にBlack Sabbath (ブラック・サバス)のTony Iommi(トニー・アイオミ)と密接に関わったギターと楽器アンプの製造元の拠点でもありました。
1967年以来、Laney Amplificationはますます力をつけ、現在、あらゆるスタイルとレベルのミュージシャンに可能性を与えるための「トーン」ソリューションを設計し続けると同時に、「トーン」によるエクスタシーを実現し続ける多国籍企業です。
The Prodigy(プロディジー)、Killswitch Engage(キルスウィッチ・エンゲイジ)、Skindred(スキンドレッド)、Black Sabbathなど、世界的に有名なミュージシャンやバンドと一緒に活動しているLaney。彼らのデザインアーカイブコレクションは、音楽の歴史の数十年に及びます。
1968 Led Zeppelin米国ツアーのPAシステムをRobert Plantに提供

バーミンガムとウエストミッドランドで音楽的に繁栄していたこの時期に、Lyndon Laneyの革新的なアンプは、地元のギグ回路で多くのミュージシャンの間で人気を博し、高まるアンプの需要も手伝って口コミでどんどん広がっていきました。

1970 ブラック・サバス、デビューアルバムをリリース

比類のないパフォーマンスと手ごろな価格とが相まって、Laneyの特徴的なトーンは、Laneyアンプを競合他社と差別化するのに役立つ重要な特性でした。 Laneyアンプは高度に探求されていき、また非常に多くの地元ミュージシャンに使用されました。
著名人で言うと、Tony Iommiが1970年2月13日に発売したBlack Sabbath初のリリースアルバム「ブラック・サバス」のレコーディング中にLaneyアンプを使用。ヘヴィメタルの新しいサウンドを確立させたアルバムでした。

1973 「KLIPP」アンプの着手

1970年代の急速な拡大期に、Laneyは新しい領域として、革新的な「KLIPP」アンプを開発しました。 KLIPPは、高音域ブースターを内蔵し、第一世代Supergroupのギタリストが求めるサウンドを実現したモデル。現在、バーミンガム市のDigbeth地区にある有名なカスタード工場で、大規模に製造が行われていました。

1978 世間が求めたカスタマイズ級が箱からすぐに!

これまでのアンプの成功を基にして、「トーン」の革新を推進するため、LaneyはAOR(Advanced Overdrive Response)チューブアンプを開発し、リリース。AORは、「箱から出す」前からプリアンプのゲイン量を増加し、カスタマイズしたような設計でした。
ギターの科学と技術の進歩を携えて、AORシリーズは多くのプレイヤー《ほんの一部の名前を挙げるとすると、Vinnie Moore(ヴィニー・ムーア)、Warren De Martini(ウォーレン・デ・マルティーニ)、Ace Frehley(エース・フレーリー)、Vinnie Vincent(ヴィニー・ヴィンセント)、George Lynch(ジョージ・リンチ)など・・・》がプレイし、大変な賞賛を得ることとなりました。

1980 ヘア・メタルの台頭

1981年、サンセット・ストリップとヘア・メタルがロックに取って代わりました。
よりゲインの高いAORシリーズは、ハードロックとヘヴィメタル仲間の間で、ますます強力になります。Laneyにとって1980年代は、絶え間なく大きくなる需要を満たすために、国際市場の拡大とアンプの多様化によって特徴付けられた期間でした。


1991 To be with you

1991年、Nirvana(ニルバーナ)の 『Nevermind』がリリースされ、ロックラジオをシアトルムーブメントが席巻し、オルタナティブが中心となっていきました。メタルやロックはまだ生きていたものの、よりクラシックでオルタナティブなサウンドが、より多くのヴィンテージかつ伝統的な楽器とともに人気を博していきました。音楽の好みとともに、Laneyも進化し続けます。
1990年代、Laneyは、当時のモダンデザインと生産技術を融合させ、画期的なアンプを生み出すことに定評がありました。この時代のスターモデルといえば、初代GHシリーズ(GH100L、GH50L、GH100S)、VH100R&VC50、VC30などです。また、ハイブリッドアンプの市場に変化を与えたパッケージとして、ソリッドステートパワーアンプと真空管プリアンプを組み合わせたTube Fusionシリーズをリリースしました。

1995 GH & VC RANGE
90年代半ばのUKロック・ムーブメントは、EL84を搭載したClass A駆動のVC30にとって完璧に合ったものでした。プレイヤーが求めたのは、よりヴィンテージで飾りのないトーンでありながらも、現代的な信頼性を伴うものだったのです。ポータブル・コンボアンプについては、LC30とLC50のコンボも追加され、より多くのゲインと多様性を必要とするプレイヤーに選ばれるようになりました。 この需要に確信を持ち、Laneyはユーザーにとって賢明な選択肢を現在に至っても提供し続けています。
1996年、より小さなワット数、ポータブルチューブアンプが流行し始め、扱いやすい音量でリアルなチューブ・トーンを提供することにより、LC15は大きな評価を得ました。
Paul Gilbert(ポール・ギルバート)、Tony Iommi、Frank Gambale(フランク・ギャンバレ)、Andy Timmons(アンディ・ティモンズ)、Pat Travers(パット・トラバーズ)、Joe Satriani(ジョー・サトリアーニ)、Nuno Bettencourt(ヌーノ・ベッテンコート)など90年代のユーザーリストに名を連ねる彼らとともに、Laneyは世界中のステージで見られ、アーティストたちの間では相当なトーンエキスパートとして認識されるようになりました。

1995 パワー・バラードのためのGC80A
パワー・バラードが流行する1990年代、GC80Aは、アコースティック用チャンネルとエレキ用チャンネルの両方を1台に兼ね備えた最初のアンプでした。 それは、ロックソングが並ぶ中にあるわずか1曲だけのアコースティック楽曲にも対応することができる、当時の理想的な仕様だったのです。

1999
「Music Reader Awards」100ポンド~300ポンドのクラスに於いて、LaneyのTF200がベストアンプ賞を受賞

2001 A BASS ODYSSEY
2001年にはLaneyベースアンプBシリーズが発売されました。これは初のクラスDベースアンプとなり、軽量かつパワフルなパフォーマンスを実現しました。

2001 CONCEPT PA

Laney のConcept PAは、実際に演奏中のミュージシャンに提供するかどうかにかかわらず、コンサートやリハーサルにてミキサーからモニターまで、ミュージシャンが聞く必要があるすべてのものが提供するように設計されています。

2004 成長し続けるLaney

Lyndon Laneyの息子James Laney(ジェームス・レイニー)は、家族経営で「公式に」キャリアをスタートさせました(非公式には、彼はもっと早い時期から参加していました!)。彼の素晴らしい誇りを引き継いだジェームズは、現在LaneyグループのCEOです。
2004年には、近くのHalesowen(英国)に新たに特注施設を移転。 Lyndon Laneyの長年の友人であったTony Iommiは、新本社のグランドオープニングでリボンをカットしました。
2007 40周年とLIONHEARTとNEXUS

Laneyの40周年を迎えた2007年には、ハイパワー・ベース・アンプのNEXUSとパラレル・シングル・エンドを採用した非常に特殊なクラスAチューブアンプLIONHEARTが発売されました。
ライオンハートは、The Killers(ザ・キラーズ)やThe Foo Fighters(フー・ファイターズ)のようなビッグバンドを含め、多くのライブセットアップに使われることになりました。
2007 LIONHEART

Laneyの40周年を迎えた2007年には、ハイパワー・ベース・アンプのNEXUSとパラレル・シングル・エンドを採用した非常に特殊なクラスAチューブアンプLIONHEARTが発売されました。
「私たちがいままで繋いできた中で、最高のアンプの1つだ。」LaneyのLionheart L50Hは、ギタリスト雑誌でとても高い評価を得ました。

2011 THE HOME OF METAL

2011年、Laneyはバーミンガム美術館の「Home of Metal」のメインスポンサーの一つに就任。その結果、音楽としてのヘヴィメタルや文化遺産、そしてブラック・カントリーと街との歴史的な繋がりへの貢献が、多くのメディアに知れ渡ることとなりました。
Lyndon LaneyとTony Iommiの長年のコラボレーションにおける次なるステップは、ECC83が8つのプリアンプ・チューブを搭載した怪物「TI100アンプ」のリリースです! TI100は、Black Sabbathの19枚目のアルバム『13』のレコーディングとツアーのためのTony専用アンプでした。

2011 CUB RANGE
CUBシリーズは、いわばLionheartの息子といえます。素晴らしいギター・サウンドを容易に得たいプレイヤーのために、シンプルで直感的なチューブ・トーンを提供するように設計されました。

2012 IRONHEART 開発

IRONHEARTシリーズの登場により、ロック&メタルの世界は大騒ぎ。Killswitch Engageのような評判の高いアーティストの多くはLaneyに移りました。
火を吹く勢いのIRONHEARTモデルは、組み込まれたプリブースト、様々なワット・コントロール、スピーカー・エミュレーション付きDIアウトなどの卓越した機能により、多くのプレイヤーのニーズに応えました。
続いて、LaneyはIRONHEART にT-USB DAWインターフェイスを備え、デジタルレコーディングを可能にする「IRT-STUDIO」を発表したのです。

2013 AH-FREESTYLE
あなたが行くどんな場所であっても、あなたの音楽を楽しむ自由。

2013 A1+
A1+は、アコースティック楽器のトーンとダイナミクスに合わせるためにポータブルで包括的かつコンパクトにパッケージ化された、Hi-Fiアコースティック楽器用アンプです。

2014 NEXUS SL

NEXUS SLは、スタジオでもライブでも活躍するスマートでパワフル且つポータブルなベースアンプ。シンプルな2Uラックマウント型の中に、比類のないベース・トーンと膨大な機能を兼ね備えています。

2015 AUDIOHUB 4X4

Laneyは、キーボード、電子ドラム、マイク、アコースティック楽器、電子楽器などに幅広く対応するオーディオ入力用のマルチ・パフォーマンス・アンプ、「AUDIOHUB」を設計しました。AUDIOHUBシリーズは、バッテリー駆動のAH-FREESTYLEや、AH4X4など多彩なラインナップを誇ります。AUDIOHUBがあれば、いつ、どこにいても自由にパフォーマンスが可能です。

2016 GHR

2016年、Laneyは、GHRとして非常に愛されていたGHシリーズを再開発し、「トーン・マシン」のマスターボリューム・アンプ・フォーマットに洗練さを加えました。Laneyが長年行なっているギタリストと、チューブアンプとの相互作用に関する研究の一環として、GHRには独自のMaster Outputコントロールが装備されています。それは、プレイヤーごとのスイート・スポットを見つけるために、プリアンプとパワーアンプの歪みのバランスを最適化するための機能です。

2017
LA100BLとLA412は、Black Sabbathの初期にTony Iommiが使用したオリジナルのアンプとキャビネットを、手作りで正確に再現したものです。手で空けられた基盤から、パーツリスト、本物の配線プロセス、出力トランスを備えたオリジナルのボックスフレームまで、アンプ内のすべてのパーツはオリジナルと同じです。当時のLA100BLを買うのと同じといえるほど、本物に近いものなのです。
