ギタリストの皆さん。どんなピックを使っていますか?「自分はもっぱらフィンガーピッキングだぜ!」という方も是非お付き合いください。
ピックといえば、ギターの演奏に欠かせないアイテムであり、演奏性やサウンドに大きな影響を与えるものです。私自身、今の演奏スタイルは、今のピックありきと言っても過言ではないほど。しかし、ピックの種類はとにかく多く、なかなか好みのピックに巡り会えないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、ピック選びに絶賛迷走中のピック・ジプシーのお力になるべく、いろいろと試奏し紹介させていただきます。サウンドハウスで取り扱っているものの中からいくつかピックアップし、その違いに迫っていきます。ぜひピック選びの参考にお役立てください!
それではまずトライアングルから・・・というのが一般的です。しかし!今回は、私が普段から愛用しているジャズシェイプについて紹介させてください。
ジャズシェイプは、他の形のピックに比べ、小ぶりなものが多く、ピックのコントロールがしやすいため、細かいフレーズを弾くプレイヤーに好まれる傾向にあります。もともとは、Jim Dunlop社のJAZZ IIIという形がそもそもの始まりです。今回は、JAZZシェイプの本家本元であるJim Dunlopの製品に的を絞ってチェックしていきます。
■Jim Dunlop / JAZZ III
JAZZ IIIといって多くの人が思い描くであろうモデルです。以前は「赤と黒では硬さが違うらしい」なんて都市伝説風に話されていましたが、今はメーカーで違う商品として扱っているようですね。
- 素材
- ナイロン
- 形
- ジャズシェイプ
- 厚み
- 1.38mm
- 滑り止め
- ロゴの浮き彫り
厚めのナイロンという素材の特性からか、ほかの同シェイプのピックよりもピックのフチが丸めという印象を受けます。サウンドはというと、高域はあまり強くなく丸めの音という感じです。
- サウンド
- 低域強めの丸いサウンド
- 弾きやすさ
- ★★★☆☆
- グリップしやすさ
- ★★☆☆☆
■Jim Dunlop / TORTEX PITCH BLACK JAZZ III GUITAR PICK/1.00
ポリアセタールに独自の表面処理を施したTORTEX素材のJAZZ III。複数の厚さをラインナップしている中から、今回は1.0mmを試しました。
- 素材
- TORTEX
- 形
- ジャズシェイプ
- 厚み
- 1.0mm
- 滑り止め
- なし
アタックの立ち上がりが速く、パキッとした音作りがしやすい印象です。握った感じよりもしなりにくく感じるのも特徴。強く歪ませたサウンドよりもクランチに向いているピックという感触です。
- サウンド
- 高域が強いアタッキーなサウンド
- 弾きやすさ
- ★★★☆☆
- グリップしやすさ
- ★★☆☆☆
■Jim Dunlop / ULTEX JAZZ3
もうかれこれ2-3年使い続けているピックです。下で紹介するPrimetoneの「基本モデル」的なピックでもあり、自分の中では基準となるピックです。
- 素材
- ULTEX
- 形
- ジャズシェイプ
- 厚み
- 1.38mm
- 滑り止め
- ロゴの浮き彫り
ポリアセタールやTORTEXなどに比べると、ピッキングノイズのカリカリした成分が出にくいのが特徴で、強く歪ませても耳に痛いサウンドになりにくいのが特徴。使い始めのうちは、ややエッジが角張っているので、2-3時間弾いた後の状態が個人的には好みです。
- サウンド
- 中域が豊かなサウンド
- 弾きやすさ
- ★★★☆☆
- グリップしやすさ
- ★★★☆☆
■Jim Dunlop / John Petrucci Primetone Jazz III
米国産プログレッシブメタルバンド・DREAM THEATERのギタリストであるジョン・ペトルーシのシグネチャーピックです。
- 素材
- ULTEX
- 形
- ジャズシェイプ
- 厚み
- 1.38mm
- 滑り止め
- ロゴの浮き彫り
上で紹介したULTEX JAZZ IIIのエッジ部分を滑らかに研磨したようなピック。この加工のお陰で、ピッキングのアタック、弦離れが驚くほど滑らか。フルピッキングの速弾きや、スウィープを多用する方におすすめです。
- サウンド
- 中域が豊かなサウンド
- 弾きやすさ
- ★★★★★
- グリップしやすさ
- ★★★☆☆
■Jim Dunlop / Primetone Jazz III
Primetoneシリーズのジャズシェイプ。ULTEX JAZZ IIIのエッジ部分に加工を施しているのはジョン・ペトルーシモデルと同様ですが、厚みや滑り止めの加工が異なっています。
- 素材
- ULTEX
- 形
- ジャズシェイプ
- 厚み
- 1.4mm
- 滑り止め
- 細かい点の浮き彫り
ジョン・ペトルーシモデルとの相違点としては、厚みが1.4mmになっていることと、滑り止めが細かい点によるザラザラした加工になっていること。グリップのしやすさ、弦への食いつきの良さはこちらに軍配が上がります。
- サウンド
- 中域が豊かなサウンド
- 弾きやすさ
- ★★★☆☆
- グリップしやすさ
- ★★★★☆
■総評
というわけで、Jim Dunlopのジャズシェイプ・ピック5種類を弾き比べてみました。TORTEXを除けば、ほぼ同じ厚さのピックばかりで、材質によるサウンドの差や、加工による演奏性の差がはっきりと出ていたように感じます。個人的には、ジョン・ペトルーシモデルの弾きやすさが桁違いに良く感じ、初回にして弾きやすさ★5をつけてしまいました。しかし、まだまだ奥が深い(沼が深い?)のがピック道。これを超えるピックに出会えることを期待して、次回からは普段使っているものとは異なるピックにも手を出してみたいと思います!
(2017-12-30公開 2024-04-30更新)