こんにちは!
“ギタリスト専門整体師”のフジオカタクトと申します。
いつもはギターにまつわる身体のことについてコラムを書いているのですが、今回はギターについて少し感じたことがあるのでシェアさせて頂きたいと思います。
今回のコラムは個人的な見解を超絶多く含みますので、ギター好きの一意見として受け止めてください。そういった話が苦手な方は読むのをストップしてください。
よろしいでしょうか?ではいきましょう!
初めてのギターは高いほうが良いのか?
なぜ今回このような記事を書こうと思ったのか、そのきっかけとなったお話をここでしたいと思います。
先日、偶然通りかかった楽器屋さんで店員さんがお客さん(おそらくこれからギターを始めようとしている初心者の女性)に対して声高々にギターについて話しているのが聞こえてきました。
その内容というのは、
「安いギターはどれだけ練習しても右手のニュアンスが出ない。高いギターは練習した分良い音で鳴らせるようになる」
「高いギターの方が良い音が出るので練習のモチベーションが高くなる」
「安くても10万円以上のギターを買うべき」
といったものでした。
…皆さんはどう思われますか?
僕はその後すぐに売り場を離れたため、その方がどうなったかはわかりません。前後の脈略も知りませんし、ただの通りすがりの他人がとやかく言うことではないのかもしれません。
しかし客観的に聞いていて、その女性に寄り添った言葉がけではなく、高いギターを買わせるために丸め込もうとしているように感じました。
もちろん、そのお客さんが楽器店員さんの話を聞いて納得した上で購入されるのであれば良いのですが…。その話を鵜呑みにしたり、店員さんの勢いに負けて買ってしまう、なんてことがないことを祈るばかりです。
ここからは一個人の意見として見て欲しいのですが、楽器店員さんのコメントもわからないでもないです。良いギターはたしかに良い音がします。
しかし別に安いギターでも右手のニュアンスは練習すれば出せるようになるし良い音も出せるようになります。もっというとギターを始めた頃ってニュアンスや良い音の定義とかも正直よくわからないですよね。
「ギターを楽しく続けるためのモチベーションをいかに保つか」ということの方が重要だと思いますが、そこも人それぞれ。ギターの何が楽しいのかは人によって違うので、一概に良い音が出ればモチベーションが保てるとは言い難いです。
良い音が出るとかそんなことよりも「どんなジャンルの音楽やアーティストが好きなのか」「なぜギターを始めようと思ったのか」というギターを始めようと思った動機に沿って、楽器を選んだ方がギターを続けるモチベーションには繋がるのではないでしょうか。
高いギターは本当に良いのか?
そこで疑問に思ったのが、高いギターって本当に“良い”のでしょうか?
ギターの“良さ”はギターを買う人が何を求めているかによって異なると僕は思います。ですので一概には「高い=良い」とは言い難いと思います。
“良いギター”と聞くと“値段が高い”イメージがあるかと思います。それは良質な木材やパーツを使い、職人によって時間をかけて組み上げられるため必然的に値段が高くなるのです。(他にも様々な要素はあるかと思いますが、)素材が良くて人件費もかかるのでその分値段が高くなるのは当然ですよね。手間暇かけられたという意味では“クオリティの高い良いギター”だと言えるかもしれません。
またヴィンテージギターはその希少性や新品のギターにない音色から“良いギター”と思われる人も多いと思います。
しかしギターは楽器なのでセッティングによって弾き心地が大きく左右されます。どれだけ良い木材やパーツを使って楽器としての完成度が高くても、メンテナンスがされておらずお粗末なセッティングで弦高がめちゃ高かったりチューニングが狂いまくりで弾きにくいとそれは良いギターとは言えません。逆に、安価な木材やパーツを使った安価なギターでも手をかけてセッティングをすれば、セッティングされていない値段の高いギターよりも弾きやすい、なんてことは十分あり得ます。
そこで僕が思う“良いギター”の条件とは「見た目が気に入った、しっかり調整された弾きやすいギター」です。
僕が思う“良いギター”の条件
まず何をいっても“見た目”です。一番テンションが上がるルックスが良いです。
好きなアーティストが使っているギターでも完全に直感でも構いません。ルックスは後から変えられないので時間をかけてでも絶対に好みのギターを探すべきです。
また見た目で気に入ったギターがあれば、それが安かろうが高かろうが気にする必要はないと思います。
安価なギターも最近では精度が上がってきているという話もよく耳にしますし、実際僕もRecording kingというメーカーの低価格アコギを手に入れて、そのパフォーマンスの高さからMartinのアコギを手放しました。
もう“安かろう悪かろう”という言葉は古いのです。

しかし、もう一つ大切な点は“弾きやすさ”です。
どんなギターも買ったら、まず弾きやすい状態にすべくプロにセッティングしてもらうことをオススメします。
ギターを買った時にバッチリ調整してくださる楽器店もありますが、そうじゃない場合も多いです。特にこれからギターを始められる方は初心者に適したセッティングになるよう調整を頼んでみましょう。ここを怠ると、ギターが弾きにくい→どれだけ練習しても弾けない→楽しくない、という最悪の展開になってしまいます。
初心者だからといって萎縮せず、楽しくギターを続けたいなら必須のポイントです。
またギターを買ったところでセッティングを頼まないといけないルールはないので、自分が納得して安心してギターを預けられる場所を探しましょう。
これも個人的な見解ですが、大手の楽器店でも全員がリペアやセッティングに精通しているわけではなく対応にもバラツキがあります。お店の下調べは念入りにしておいた方が良さそうです。買ったばかりの大切なギターを預けるのならば親身になって話を聞いてくれる場所がいいですよね。
その点、個人工房をされている方に依頼する方が職人さんと直接コミュニケーションが取れるため料金、納期などがわかりやすいことも多いです。また最近ではSNSを活用されている方も多いので口コミや職人さんの人柄、仕事ぶりなんかをチェックしてみるのも一つですね。
ここまでしてやっと“自分にとっての良いギター”に巡り会えるというわけです。
これからギターを買おうと思っている方がもしいましたら、楽器店員さんに任せ切ってしまうのではなく、「自分にとって良いギターってなんだろう」と自分で考えてギター選びを楽しんでいただきたいです。
一個人の意見をここまで読んでくださりありがとうございました。
それではまたー!