スマートフォンの普及と共に世の中に「USBアダプター」が広まったことにより、音響機器もUSB給電により電源が入る、充電も可能であることが、当たり前になってきたことは皆さん実感いただけているかと思います。
それに伴い『USB接続しているのに充電できない!電源が入らない!』という問い合わせが増えてきました。
PC業界の規格であるUSBは日進月歩で進化しており、前から販売されていた製品には対応していない事例もあり、メーカー側や販売店側でも全てを把握出来るものではありません。
今回は2024年11月現在で、増えていることや以前からよくある問い合わせをまとめてみました。よりわかりやすく簡単に解説したいと思います。
01 USB-C タイプのUSBアダプターによる給電ができない
以前はUSBアダプターといえば
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / UA201 コンパクトUSB電源変換アダプター
このようなアダプターが一般的でした。これはUSB-Aのアウトプットになっています。
近年では↓のようにUSB-CのアウトプットのUSBアダプターが出回ってきました。
2022年に欧州連合(EU)で販売されるスマートフォンなどの端末が、USB-Cの採用を義務化されることを可決されたあたりから増えてきたように思います。iPhoneなどのMac製品の新機種がライトニング端子からUSB-Cに変更されたことはご存じの通り。
このタイプのアダプターから給電しようと思うと必然的にUSB-C~USB-Cのケーブルを使用し充電する必要があるわけですが、じつはこのUSB-C仕様のアダプターやケーブルは機器によっては使用できません。
USB-C~USB-Cで給電するためには、「USB Power Delivery」という規格に準じている必要があります。これは機器本体、USBケーブル、USBアダプターのすべてがそれに対応していないと給電はされません。
以前から販売されていたようなUSB-Cの口がついている製品では、PCやスマートフォンを除けばほとんどの機器が対応していません。
以前のUSB-Aなどではそれぞれの端子が正常に接続されれば電機は流れたわけですが、「USB Power Delivery対応の製品はそれぞれに必要な電圧や電流量を送受信しあって初めて充電ができる仕組みになっており、それにより過剰な電力配給を防ぐなどのメリットがあるとのことです。
音響機器の数々は、現状多くの場合に「USB Power Delivery」には対応していません。サウンドハウスで販売している製品にかかわらず、他店舗やネットショップでも商品説明などにUSB PD充電対応などの記載がなければUSB-Cのアダプターでの給電はできないと考えた方がよいでしょう。いくらグリグリとコネクターを動かしても給電はされないので、ご注意ください。
ちなみにUSB-Cのコネクターは、新品の製品を購入した場合に挿すのが固い場合があります。電源が入らないということで預かった機器でコネクターが奥まで挿さっていなかったという事例もありますのでご注意ください。
02 PCから給電できない
PCに接続すればスマートフォンは充電できますが、機材によっては充電できない場合があります。これはUSBのタイプによって供給できる電力は決められており、機器側が大きめの電力を必要としている場合に正常に動作しないなどの現象があります。
USBハブやUSBの変換アダプターを間にかましている場合にも電力不足で充電できない、インターフェースが正常に動作しない、などの現象がおきます。
筆者自身、職場で使用している電動ドライバーの充電をPCに接続して行っていたところ、全く動作しなくなるということがありました。接続すれば充電中のLEDは点灯するのですが、充電自体は溜まっていなかったようです。その後USBアダプターに接続して充電したところ、正常に充電し動作するようになった経験があります。当初モーターあたりが故障したか?と思いましたが、充電方法が悪かったという話でした。
03 安価なUSBアダプターから給電できない
100均ショップなどでアダプターを購入したけれど、スマートフォンの充電がなかなか終わらないという経験をされた方は意外に多いのではないでしょうか。筆者も経験がありますが、10年ほど前の安価なUSBアダプターの中には出力が弱く充電できないものが多くありました。
これも筆者の実体験として、スマートフォンを接続し充電のマークが出ているのに一向に溜まらない、それどころか普通に減っていくということがありました。その後、あまり安いUSBアダプターは購入しなくなったので、100円均一で近年販売されている物がどうなのかはわかりません。
先にも申し上げましたが、当社でも以下のUSBアダプターを販売しています。
⇒ CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / UA201 コンパクトUSB電源変換アダプター
上記の電動ドライバーも、このUSBアダプターで充電できました。デスク周りで様々な機種の検証にも使用していますが、問題なく使用できています。
USB規格はPCの業界で急速に進化や変化している物なだけに、以前のものが使えなくなる、対応できないなどのケースが見られることが多いように感じます。何気なく使用しているUSBアダプターですが、ユーザー側も変化に対応する必要が出てきます。今回はよくあるトラブルを例に挙げて簡単に説明しましたが、より詳しいことは検索するとたくさん出てきますので、気になった方は調べてみてください。