最近、DAWを使ったドラムの打ち込みに挑戦しています。かれこれ10年ほどドラムを叩いてきた私にとって、ドラムの打ち込みは無縁だろうとずっと思っていました。「打ち込みのドラムを作るくらいなら、自分が叩いて録音すればよいのだから・・・」と。
ところが最近、バンドで音源を制作したり、ドラムトラックの制作依頼をいただいたりすることが増えてきて、毎回ドラムの録音をするのは現実的ではないと気付きました。自分ひとりで録音を行なおうとすると、その音楽にふさわしい機材の用意、場所の確保、時間もお金もかかる上、知識と経験がなければ高いクオリティには仕上がりません。
そこで、ドラムの打ち込みを始めることにしました。打ち込みなら自宅で完結でき、レコーディングをする時のようなまとまった時間が取れなくても、毎日少しずつ作業を進めることができます。音源のラフは簡単な打ち込みでイメージを作り、それを元に最終的な音源は自分の演奏を録音するなど、打ち込みと録音を使い分けることによって、音源制作における選択肢も広がります。
そこで気になっていたドラム音源FXPANSION / BFD3を試してみました!
FXPANSION (エフエックスパンション) / BFD3 USB 2.0 Flash Drive
BFD3はかねてから定評のあるドラム音源として有名。私のような「打ち込み初心者」かつ「音にこだわりたいドラマー」にもぴったりのドラム音源だと感じました。私もまだまだ使い始めたばかりですが、注目すべきポイントをいくつか紹介します。

こちらが実際の画面です。左側に選択できる音源がずらりと並びます。例えばバスドラムだけでも、こんなにもたくさんのモデルが用意されています。画面中央には、バスドラムのブランドやシェル材、サイズ、ビーターの種類など詳細が表示されます。

画面右側の項目でサウンドの調整が可能です。音量やチューニングはもちろんですが、マイク設定だけでいくつもの選択肢があります。オーバーヘッド、ルーム、アンビエンスなど、あらゆる位置にマイクがセッティングされており、どのマイクをONにして、どの程度ブレンドさせるかを調整できるようになっています。
さらに、スネアとバスドラムのマイクに、どの程度音のかぶりを含めるかまで調整できます。タムやシンバル類のかぶりを一切含めず、一つ一つの音の分離の良さを求めることもできますし、程よく音のかぶりを含めて、実際にマイクを立ててレコーディングをしたかのような一体感のあるドラムサウンドに仕上げることもできます。

さらに画面を切り替えると、ミュートのかけ具合のほか、強打したときにどの程度ピッチが上がるかなんていうマニアックな調整もできます。リアルなサウンドを得るために、とことん作り込みができます。

音作りはできたけど、実際にMIDIを打ち込んでいくのが苦手だという方は少なくないはず。私もそうです。必死に打ち込んでいっても、いまいちグルーブ感のないビートになってしまい、実際に自分で叩いたほうが早い!とイライラしたことは何度もあります(笑)。
そんな方にもBFD3はおすすめ。なんとBFD3は音源だけでなく、様々なジャンルのビートやフィルなどがあらかじめ用意されていて、DAWにコピペするだけで簡単に打ち込めるのです。
膨大な数のフレーズが用意されていて、ジャンル名で検索をかけてあげると、欲しいビートを簡単に見つけることができます。もちろんMIDIデータなので、DAWにコピペした後でも、自分好みにフレーズをいじることができます。必要に応じてオーディオデータでコピペすることもできます。
用意されているビートフレーズを繋げるだけで簡単にトラックが制作でき、なおかつ高品質で収録されたバリエーション豊かなドラム音源を、求めるサウンドまで追い込んで作れる豊富な機能性。まさに冒頭で触れた通り、BFD3は「打ち込み初心者」かつ「音にこだわりたいドラマー」にぴったりなドラム音源です。