DTMをやっている方にお勧めのミキサーがあります。SSL SIXです。
SSL (Solid State Logic) ( ソリッドステートロジック ) / SiX アナログミキサー
値段こそそこそこ高いですが、その分以上の働きをしてくれます!
まずはルックス、黒基調でSSLとすぐにわかるツマミの配色、SSL好きにはこれを見ただけでテンションが上がってしまいます。 メーターもマスターだけはなく各チャンネルごとについているので安いミキサーのように個別の音量メーターが見れないなんてこともありません。
まずはSSLの魅力である「SUPER ANALOGUE」回路です。この回路は音質や位相に影響を与えてしまうコンデンサやトランスなどを排除したSSL独自のアナログ回路です。 微弱な音の信号を処理するミキサーなのでアナログミキサーを通した時の倍音付加が欲しいけれど、音質劣化が起きたり、位相がズレてしまうのを避けたいそんな時にはぜひ使って頂きたいミキサーです。 フェーダーも100mmと長い為、微妙な調整にも対応できます。フェーダーが短いとフェーダーカーブが大きく少し上げただけで予想以上に音量が上がってしまうという事が起きてしまいます。 この大きさでロングストロークの高品位なフェーダーはなかなかありません。
マイクインプットが付いているチャンネルにはHI-Zも付いているのでエレキギターなどのハイインピーダンスの楽器も直接繋ぐことができます。 SSL SIXインプットを使ってプリアンプとして、出た音をDAWへ入力録音をすれば好きなアンプシミュレータのプラグインを使うことができます。 HI-Zスイッチがない機種だとハイインピーダンスの楽器を入力しても音が出ないか、相当小さく使い物にならないという事が起きてしまいます。

他にもHPFは当然付いていますし、コンデンサーマイクも使えるファンタム電源もチャンネルごとについています。 小型ミキサーは、各チャンネルではなくまとめてファンタム電源がかかるものが多く、ダイナミックマイク、コンデンサーマイクを同時に使用する場合、別々に付いているのは非常に助かります。
そして、この2チャンネルにはコンプレッサーも付いています。 オンオフの切り替えもできますし、ボーカルやギター、ベースの録音をする時に薄くかけておけば録音の段階である程度音の粒が整うので加工をする時や、MIXをする時にもとてもやり易い音で録音ができます。 その下にはHF(HIフィルター)とLF(LOWフィルター)も付いています。これもオンオフができカーブもベルとシェルフの2パターンを選べるので音質に合った選択をすればさらに音を整える事ができます。
コンプレッサーのもう一つの特徴がトータルの出音へ「G-SERIES BUS COMP」をかけられることです。 このコンプはミキサーを通った音全体にかける事ができるので音をしっかりとまとめたい時には非常に重宝します。 スレッショルドとメイクアップのみのツマミのみですが、これだけあれば十分と言えるかかり具合で使わない時がないくらいです。
アウトプットも豊富にあります。通常のメインに加えてAUX代わりに使えるBUS Bアウト他にもCUE1と2のアウトがあります。 そしてトークバックも付いているので、プライベートスタジオを持っている方や自宅に防音室を持っている方など、ブースにいるアーティストやボーカリストへのディレクションも簡単に行うことができます。
メインアウトにはDIMとCUTスイッチが付いていて、制作途中にちょっと話すときや電話が掛かってきた時などはボタンを押せば素早く音量を下げたり、完全にカットしたりもできます。
モノラルのインプット2チェンネルの他にもステレオのチャンネルが2つあるので、オーディオインターフェイスのアウトを入れたり、レコーダーのアウトを入れたりすれば同時に聴くこともできます。
背面にはD-SUBの拡張端子もあるので初期段階でのインアウトだけで不足した時は、別途購入にはなりますが、簡単にインアウトを増やすことができます。 アウトボードが増えたりした時でも、センドリターンで使用したりと工夫次第でDTMだけではなく様々なところで使う事ができます。

自宅で録音をする方もコンパクトなので場所も取らず、小さなテーブルやMIDIキーボーの脇に置いて素早く操作することが可能です。
リスニングにはヘッドホンはメインとBUSB、EXT1と2のスイッチがそれぞれついているのでモニタリングをしない音を素早く選ぶことができます。 音量の差があってもボリュームノブもそれぞれについているのでとても便利です。
メインアウトはミキサーのマスターアウトからの音はもちろんですが、ALTアウトとMONOアウトのスイッチがそれぞれについているので、どれかを押せばマスターアウトはカットされて押したスイッチの出音を聴くことが簡単にできます。
高級なSSLの音を自宅で簡単に手に入れる事ができるので、安いとは言えない値段でも導入する価値は十分にあります。制作をする時にこれが手元にあるとモチベーションも上がりますし、とてもオススメのミキサーです。
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