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【トミエマのギターテクの裏側に迫る!ギターヒーロー姿勢分析~Tommy Emmanuel編~】ギタリストは知っておきたいカラダのこと

2020-03-24

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

お疲れ様です! ギタリスト×作業療法士の二足のわらじを履く男、、、 ”ギターセラピスト”のフジオカタクトと申します。

前回好評だった(?)ギターヒーロー姿勢分析第2弾!
みんな大好きアコギ界のゴッド、Tommy Emmanuelの姿勢を分析していきます。
僕も2年前にエレキギターからアコースティックギターに転職した頃、初めてトミエマの演奏を見た時、寝ててベッドから落ちたとき位の衝撃(?)を受けたのを覚えています。夢か現実かわからないくらい、まさに異次元のギターでした。

今日見ていくのはTommy Emmanuel公式チャンネルで公開されている、「Angelina Songs」の演奏動画です。

こうやって手元が映っている演奏動画が上がっているのはギターキッズからするとめちゃめちゃ嬉しいことですねっ!

今回はYouTubeに上がっている動画の中から1シーンを抜粋して見ていこうと思います!

トミエマの姿勢を一言で言い表すと、「体幹がしっかりしている」ですね!(ちょっとお腹出てますけど。笑)
特に上部体幹の安定性が高く、肩関節・肘関節・手関節のコントロールが抜群にうまいです。さすがは神様と崇められる存在です。体の使い方まで完璧です。元ドラマーということも関係しているのでしょうか。偏見ですがドラマーは体幹がしっかりしている人多いですもんね。
そんなギター神のギターテクの裏側に姿勢分析の観点から迫っていきますよ〜!

トミエマの凄いところは、ハープのような繊細な表現や時にはブルージィに激しくかき鳴らしたり、はたまたパーカッションのようにギターを叩いたりと、まるでバンド演奏を聴いているかのようにも感じさせる「右手の表現力」だと思います。
このハイレベルな表現力を実現させるためには「ピッキングの安定性」というものが絶対的に必要になってきます。
ここでいう安定性というものは再現性とも言い換えられると思います。「何度同じフレーズを弾いても同じクオリティで弾くことができる」という再現性が高ければ高いほど安定したプレイが生まれます。その安定性があることでライブ毎によってアレンジやアクセントを変えたり、パフォーマンスをしたりと自由に演奏することができるのだと思います。
「ピッキングを安定させる=肩甲骨を安定させる」という話は前回の記事で説明していますので、ぜひそちらも合わせてご覧になってみてください( ・∇・)

話を戻します。 今回は右側の上部体幹に着目していきます!

ちょっと雑な感じで申し訳ありません。笑

青い三角形が肩甲骨の位置、赤色の線が背骨の位置、緑色の線が腕の骨(上腕、前腕、手の3つ)と思ってください。
なんとなくで良いのでこの3つの位置関係を意識して見てください。

この動画中、というかどの動画を見ても、座っていても立っていても、 トミエマの肩甲骨の位置は基本的にこの写真の位置から動かず、脇をちょっと大きめに開いて腕の位置をピッキングする位置に(ちょうど手部がブリッジ付近にくるように)セットしています。ピッキングの位置の微調整やアクセントをつけるために手の位置を変える時はギター自体の位置を動かしたり肩関節や腕部分を動かし、肩甲骨はほとんど動いていないのです。

どの動画のどのシーンを見ても、激しめのパフォーマンスの際も、基本的に肩甲骨と背骨と腕の位置関係が大きくズレるようなことはありません。演奏に適した良い姿勢を上手くキープしているのです。
このことからトミエマは自分の体が今どうなっているのか正しく理解しコントロールする能力が高いことが考えられます。なんだかスポーツ選手みたいですね。

また右腕と手で繊細な表現をするために、中枢部である肩甲骨を正しい位置で安定させていると考察できます。
ここでポイントなのが「正しい位置」ということです。
肩周囲の筋肉に力を入れて肩甲骨をガチッ!と完全に固定してしまうと、その肩甲骨に連なる腕や首回り全体に力が入ってしまい、繊細な動きができなくなってしまいます。結果肩甲骨の位置も本来の位置からズレてしまいます。
逆に肩甲骨周りの筋肉の力が弱すぎると、肩甲骨の位置が下に下がったり巻き肩になったりしてピッキングする位置が毎回微妙にズレて安定しなくなってしまいます。
肩甲骨周囲筋が正しく働くことで、肩甲骨本来の正しい位置を保ち、ブレのない安定した、繊細な演奏が可能なのだと考えます。

まとめます!
姿勢分析から見えたトミエマのギターテクの裏側は、自分の体が今どうなっているのか正しく理解しコントロールする力正しい肩甲骨の位置を保てるだけの肩甲骨周囲の筋力によって生み出された右手の表現力(ピッキングの安定性)、という感じです。

演奏する姿勢は演奏自体に大きく影響を与えます。この記事を読んでくださったあなたも、これを機に自分自身や大好きなギタリストがどんな姿勢をしているのかちょっと気にして見てください!気づきがあればよりギターが楽しくなると思います!(^o^)

それではまた〜!

フジオカタクト

2018年より関西を中心に活動中。 BABY BABYというアコースティックユニットでギターを弾きながら作業療法士というリハビリの仕事をしています。 リハビリで学んだボディマッピングの視点から、ギタリストなら知っていて損はないカラダのことをテーマに執筆していきます。 思ったように体が動かなくてギターが弾けない!という方は必見です! また音楽活動を通じて感じたことや愛する機材についても時々発信していきます。
website https://babybaby1992kobe.wixsite.com/babybaby
twitter https://twitter.com/tak__tyy
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