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2010/05/01

  • Modern Drummerレビュー AUDIX ドラム用マイクセットFP5、FP7 No.2

    Modern Drummerレビュー AUDIX ドラム用マイクセットFP5、FP7 No.2

    2010/05/01

    ■AUDIX
    FP5
    FP7


    順調な滑り出しに続き、タムにf2をセットして試してみました。これもまた、低域がしっかりとした力強いサウンドで、安物のドラム用マイクセットにありがちな、フィルターがかかったような、サウンドとは一線を画すものでした。
    f6とD6の関係と同じように、f2もD2の特徴を引き継いでいますが、125Hzあたりでのブーストがやや少なめで中低域が若干押さえられており、逆に中高域のスティックのアタック音は、やや多めでした。
    f5はプロモデルi-5と同様、あらゆるソースに対応する万能なダイナミックマイクであることが判りました。f9は、i-5と定番のSHURE SM57との中間程度の周波数特性を持ち、スネアドラムのサウンドを再現するのに、素晴らしい威力を発揮しました。(i-5よりも若干押さえ目で、SM57より太く滑らかでした。)
    f9は、形状がSCX1に似ているものの、仕様はADX51に近い指向性の小型コンデンサーマイクです。スタジオ内での検証中、私はSCX1とADX51のいずれも持っていなかったので、ドイツ、日本、アメリカ製のいくつかの小型コンデンサーマイクと比較検証を行いました。f9はその中で、最も金額的に安かったのですが、その他のマイクと堂々と肩を並べられる結果を出しました。期待していた以上に幅広く滑らかなレスポンスで、出すぎたり引っ込みすぎたところもなく、フラットで聴きやすいものでした。ほとんどの小型コンデンサーマイクと同様、100Hz以下のところでロールオフしましたが、それは決して音が細いということではありません。中高域に若干ピークを持っていますが、中域全体(200Hz~5,6Hz)に渡って滑らかでした。
    f9は、他の高価なマイクと互角に競えるマイクであり、ハイハットのオーバーヘッドやスポットマイクとして使用すると、クリアで原音に忠実なサウンドを再現しました。
    f5のサウンドはキャラクターに偏りがなく、フラットで透明感があり、自然であると感じました。このことはあらゆる楽器の音を再現することが求められるマイクにとっては非常に素晴らしいことなのです。


    Fusionモデルは、アグレッシブな要素をもったダイナミックマイクであり、ロックミュージック用として最高のマイクになるだろうと感じていましたが、昨年の夏、AUDIXがWarped Tourのステージで、この小型マイクのベータテストを行ったということを知った時、その予感は確信に変わりました。Fusionシリーズは、デザイナーの豊富な経験とクリエイティビティー、卓越した技術と丁寧な組み立てが、個々の部品がどこの工場で生産されたかという事より、もっと重要である事を証明しています。
    購入しやすい金額であるという点はさておき、このシリーズのマイクを長年の定番商品と比較しても、品質的な違いを見つけることは非常に難しいでしょう。
    もしお金をかけずに自分の楽器用マイクを見つけたいと思っているのなら、このFusionシリーズのサウンドをご自身の耳で聞いてみて下さい。きっとその素晴らしさに驚くはずです。




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  • Modern Drummerレビュー AUDIX ドラム用マイクセットFP5、FP7 No.1

    Modern Drummerレビュー AUDIX ドラム用マイクセットFP5、FP7 No.1

    2010/05/01

    ■AUDIX
    FP5
    FP7


    ドラム用マイクセットの場合、既存の良質なマイクをパッケージし、単品で購入するより安価に入手できるモデルか、エントリーモデルとして、安価なマイクでパッケージした物のどちらかです。私がマイクを勧める時は、長く使用できるマイクを予算の許す範囲の数を揃え、必要に応じて買い足していくようにとアドバイスしています。


    AUDIXは、新しくFusionシリーズを発売しました。このドラム用マイクセットはセットだけでなく、単体でも購入することができます。
    Fusionシリーズは人気のD6、I-5、SCX25Aをも手掛けたデザイナーにより設計され、部品の生産は海外へ委託、組み立てと検品は本国アメリカで行われています。


    Fusionシリーズは、四つの基本的なマイクで構成されており、組み合わせ内容の異なるセットが用意されています。
    f6はバスドラム用、f2はタム用、f5はスネア用で、これらのマイクは、人気商品D6、D2、i-5(順にキック用、タム用、スネア用)とほぼ同じサイズ、形状です。
    f6、f2、f5は、超単一指向性のダイナミックマイクです。亜鉛合金のダイキャストボディーとワイヤー・メッシュのグリル・キャップ、美しいコーティングで、耐久性も充分にあります。


    まずはバスドラム用マイク、f6を試してみました。クリップの形は兄弟機、D6と同じです。実際に私がD6を使っていたこともあり、f6に付け替えるのは簡単でした。まずはレファレンスとして、何小節かキックの音をD6でレコーディングした後、マイクをf6に付け替えて同様にレコーディング、さっそく録音した内容を再生してみました。D6の聞きなれたリッチなサウンドを聞いた後、さあf6はどんな音がするのかと身構えていると、次に聞こえてきたのは、最高にクールなキックサウンド。ステージですぐに使えるようプリイコライジングされたD6のサウンドを継承しつつも、f6は独自のキャラクターを持っています。まず中域にパンチがあり、周波数特性もやや高域寄りです。ところが低域にも重量感を残し、ビーターのアタック音も十分に捉え、いい意味で大胆なサウンドと言えるでしょう。どんなジャンルにも対応できると思いますが、特にハードロックやメタル、パンクといった、アグレッシブなプレイをする時に、その本領を発揮するマイクでしょう。




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