■AUDIX
FP5FP7ドラム用マイクセットの場合、既存の良質なマイクをパッケージし、単品で購入するより安価に入手できるモデルか、エントリーモデルとして、安価なマイクでパッケージした物のどちらかです。私がマイクを勧める時は、長く使用できるマイクを予算の許す範囲の数を揃え、必要に応じて買い足していくようにとアドバイスしています。
AUDIXは、新しくFusionシリーズを発売しました。このドラム用マイクセットはセットだけでなく、単体でも購入することができます。
Fusionシリーズは人気のD6、I-5、SCX25Aをも手掛けたデザイナーにより設計され、部品の生産は海外へ委託、組み立てと検品は本国アメリカで行われています。
Fusionシリーズは、四つの基本的なマイクで構成されており、組み合わせ内容の異なるセットが用意されています。
f6はバスドラム用、f2はタム用、f5はスネア用で、これらのマイクは、人気商品D6、D2、i-5(順にキック用、タム用、スネア用)とほぼ同じサイズ、形状です。
f6、f2、f5は、超単一指向性のダイナミックマイクです。亜鉛合金のダイキャストボディーとワイヤー・メッシュのグリル・キャップ、美しいコーティングで、耐久性も充分にあります。
まずはバスドラム用マイク、f6を試してみました。クリップの形は兄弟機、D6と同じです。実際に私がD6を使っていたこともあり、f6に付け替えるのは簡単でした。まずはレファレンスとして、何小節かキックの音をD6でレコーディングした後、マイクをf6に付け替えて同様にレコーディング、さっそく録音した内容を再生してみました。D6の聞きなれたリッチなサウンドを聞いた後、さあf6はどんな音がするのかと身構えていると、次に聞こえてきたのは、最高にクールなキックサウンド。ステージですぐに使えるようプリイコライジングされたD6のサウンドを継承しつつも、f6は独自のキャラクターを持っています。まず中域にパンチがあり、周波数特性もやや高域寄りです。ところが低域にも重量感を残し、ビーターのアタック音も十分に捉え、いい意味で大胆なサウンドと言えるでしょう。どんなジャンルにも対応できると思いますが、特にハードロックやメタル、パンクといった、アグレッシブなプレイをする時に、その本領を発揮するマイクでしょう。
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