■COUNTRYMAN「
ヘッドセットマイク」
片耳派?それとも両耳派?両耳に掛けるヘッドセットタイプと、片耳にだけ掛けるタイプのどちらを選択したら良いかは、カプセルの選択と比べると、大した問題ではないように思われますが、ヘッドセットマイクを新しく導入するユーザーにとって、その装着感は重要なポイントとなります。
ウィリス牧師は次のように話しています。「最初に使用したのは両耳に掛けるタイプだったのですが、頭にフィットさせるのに手間取りました。私は完璧主義者なので、礼拝の途中でヘッドセットがずれたり、落ちたりしないかと心配することなく、説教の内容に集中したかったのです。頭部にしっくりくるよう調整してからは、全く問題ありません。」
しかし、どちらのデザインがより装着感が良いかという事は多くの場合、用途と個人的な主観の問題になってきます。「片耳タイプは、とても軽くて目立たず、ヘアスタイルを崩す心配もありません。口元までマイクを持って来て、高音質での集音を可能にするので、大変人気があります。片耳タイプの中には、イヤークリップをもう一つ足すことで、ヘッドセットに変更できるものもあります。一方で、大きなヘッドセットタイプは、見た目よりも装着の安定感を求めるハードなダンスパフォーマンスや、エアロビクラスで使用されています。」カントリーマン氏はこのように話しています。
片耳タイプは、着けている間に動いてしまいやすいという意見もあります。ワーシップの現場では激しい身振り、手振りを伴う説教をする牧師や、眼鏡をかけていて、説教の途中に着脱が必要な牧師もいるでしょう。装着の安定感が心配、と言う方はヘッドセットタイプを選ぶと良いでしょう。ヘッドセットタイプには頭を振ったり、ジャンプしても動かない、優れた安定感を持つものもありますが、そのようなパフォーマンスを行わない一般的なワーシップであれば、片耳タイプでも充分納得のいく安定感が得られるでしょう。
では、教会で使用する場合は、無指向性のカプセルを持つ片耳タイプを選べば良いのか、と言われると、他にも考慮しなくてはならないことが幾つかあります。ヘッドセットマイクはコンパクト化が進み、以前より感度の高いモデルが登場しています。今後は装着のオプションもより多彩になってくる事が考えられます。ボーカルに使うのか、それともトーク用なのか、パフォーマンスや用途に合わせたカプセルを選択する必要があり、その他にも、耐久性、ブームの柔軟性、色、追加オプションでヘッドセット型に変更出来るか、等も考慮しておくと良いでしょう。
「音質、そしてマイク自体の造りの質は極めて重要なポイントです。低品質なマイクの音を良くすることはできませんし、マイクのトラブルは大きな恥になりかねません。」カントリーマン氏は、こう続けています。「イコライジングのバランスがとりやすく、フィードバックにも強いのは、フラットな周波数特性を持つタイプでしょう。様々なワイヤレスシステムに対応できる様、取り外しが可能な強化ケーブルを採用したモデルであれば、コストをセーブする事が出来ます。また、長く使用できるよう、プロテクトキャップを付属しているものもあります。ヘッドセット型の着け心地が悪いと悩んでいる方は、軽量なイヤーセットマイクを選び、豊富にあるオプションから、自分が納得いくようにカスタマイズしてみて下さい。」
急速な技術の発展と比例するように、選択出来るオプションは今後も増えていく事が予想されます。ヘッドセットマイクはますます目立たなくなっており、耳の上から少し見えるだけのモデルや、最近のトレンドとして、話者にキューを出したり、ミュージシャンに演奏のきっかけとなるクリックや、演奏者それぞれに合わせたモニターを送る事が出来るイヤーモニター付のモデルも登場しています。
ヘッドセット・イヤーセットマイクの選択は、検討しなければならない点が多く、様々なオプションから自分だけの一品を選ぶのが難しく思える事もあるでしょう。しかし、牧師達が余計な心配事に囚われる事なく、信者達の心に訴える説教に専念できるならば、それ程喜ばしいことはなく、その為に時間を費やす事は決しては無駄にはならないはずです。
WORSHIP AVL ASIA 2010 夏期号より抜粋