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ZOOM「R16」今年1月、ZOOMからこれまでなかった新しいレコーディングスタイルを提案する新商品「R16」が発表されました。MTRとしてはもちろん、DAW用コントローラーの機能も備えており、さらにUSBオーディオインターフェイスとしても使え、加えて単三電池6本で駆動するのでポータブルフィールドレコーダーとしても活用できるという、今までのレコーディング機材の枠を遥かに超えた「新ジャンル」の商品です。NAMMショーで展示されていたのは、ガラスケースに収められた模型でしたが、ついに世界初の16トラックポータブルHDSCカードレコーダー/オーディオインターフェイス/DAWコントローラーの全貌が明らかとなったのです。ZOOMがこれまでに培ってきた数々の技術の結晶、それがこの「R16」なのです。
使い易さを犠牲にせず、デザイン性にも拘った商品となっています。一般的なアナログミキサーと同様、フェーダーや、レベル調整ノブ、ピークメーターなどが備わっているので、従来のミキサー、オーディオインターフェースに慣れている方なら、すぐに使いこなすことができます。
外部端子としてXLRと標準フォーンのコンボジャックが8系統用意されているので、他に機材を持ち込むことなくライブバンドやドラムのレコーディングにも対応できます。
8トラック同時録音も可能となっており、コンデンサーマイクが利用できるファンタム電源やハイクオリティなマイクプリアンプ、ボーカルエフェクト機能も搭載しています。さらにHi-Zインプットにギターやベースを直接つなげることも可能です。加えてギター/ベース・アンプシミュレーターやエフェクトも充実しています。
R16は、SDカードやSDHCカードへのレコーディング、バックアップが可能です。最大32GB のSDHCカードまで対応しています。オーディオデータの保存メディアとしてSDカードを採用したことにより、本体の小型化に成功しただけでなく、ハードディスクのようにレコーディング中のクラッシュを心配する必要も無くなりました。R16には1GBのSDカードが付属していますが、32GBのHDSCカードを使用することで100時間以上のレコーディングも可能となります。
R16を接続するだけで、お持ちのパソコンをアッという間に音楽製作スタジオに変身させることができます。パソコンのUSB端子に接続して、オーディオインターフェイスとして利用することもできます。さらにモニター用のアウトプットを2系統装備しています。サラウンドサウンドにこそ対応していませんが、24bit/96kHz のクオリティで8系統を同時録音できるというのは非常に魅力的です。
DAWシステムでマウスを使ってミキシング、マスタリングをこなす作業に煩わしさを感じている方も、R16をフィジカルコントローラーとして使用すれば、まるでアナログ機器を操作するようにシーケンサーやオーディオエディターを操作することができます。R16にはCubase LEが付属していますので、手に入れたその日から音楽製作を始めることができます。
R16のデザインの特徴はそのポータビリティにあります。小さくて、単三電池6本で動かすこともできるので、使う場所を選びません。マイクを使って、会議やスピーチ、ライブのレコーディングも行えます。また、フィールドレコーダーのようにステレオマイクが内蔵されているので、もしマイクが用意できない場合でも心配はいりません。
柔軟性のあるDAW環境を手に入れたい方には、最もコストパフォーマンスの高いモデルだと言えるでしょう。