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シンセサイザー鍵盤狂漂流記 その283 ~今年入手したアナログ・シンセサイザーTEO-5という小さな名機への極私的評価 and More~

2026-01-22

Theme:sound&person, sound

2025年の総括からオーバーハイム・シンセサイザー購入へ

2025年12月23日は私の所属しているバンド「9BOX」の最後の練習日でした。 バンド活動には様々な出来事があり、様々なメンバーの入れ替えがあります。このバンドも所属していたギタリストが抜け、新たなギタリストが参加しました。 このバンドはスタンダード的な楽曲から現代的なエレクトリックなジャズを演奏するバンドで、スタンダードを演奏する場合にも自分達のアレンジで対応するという柔軟性の高いバンドでした。

以前のギタリストはどちらかといえばアドリブでソロを弾くタイプではなく、カッティングに特化したタイプの人でした。 鍵盤奏者の私にとってギターソロが弱いバンドの中で鍵盤ソロを弾くよりも、ギタリストが中心にいてアドリブを弾いてもらう方が自分自身の負担も少なくなりますし、音楽的にまとまりが出るので、そういう形を望んでいました。

そんな中、ジェフ・ベック好きなギタリストが参加することになり、バンドの指向がロック系にシフトしていきました。ジェフ・ベックといえば『ブロウ・バイ・ブロウ』であり、『ワイアード』であり、『ライヴ・ワイアー』です。 マックス・ミドルトン、ヤン・ハマーが好きで愛聴していたあの辺りの曲を演奏することは、そこまでロック好きではない私でも歓迎するところでした。 しかも私が新加入のギタリストと以前にやっていたバンドで演奏した、グレッグ・マティソン・プロジェクトの名盤『ベイクド・ポテト・スーパー・ライブ』の楽曲も演奏項目に加わることになりました。

『ワイアード』や『ライヴ・ワイアー』のキーボーディストはヤン・ハマー。ヤン・ハマーはジョン・マクラフリン率いるマハヴィシュヌ・オーケストラで、シンセサイザーをギターのように演奏することで注目されたキーボーディストです。 『ベイクド・ポテト・スーパー・ライブ』のキーボーディストは、ラリー・カールトンの名盤『夜の彷徨』のプロデューサーでありキーボーディストだったグレッグ・マティソンです。 そして2人の共通項はミニモーグ・シンセサイザーを使った演奏です。

必要なのは極太な音が出るシンセサイザー

そこで必要になるのはミニモーグ・シンセサイザー…ということになります。ミニモーグは歴代キーボーディストのマストアイテムであり、多くの音楽家がその音で歴史的名盤を作っています。キース・エマーソンやリック・ウェイクマン、デヴィッド・フォスターなど、多くの演奏家が使っていました。しかし単音しか出ないモノフォニック仕様です。 更にミニモーグはとても高価で私が手に入れられる価格ではありません。その価格は90万円程で重さは14.5キロ。仮に手に入れたとしても和音対応のポリフォニックではなく、使い勝手が悪いうえに14.5キロの重さでは閉口するしかなく、とてもスタジオに持っていくことはできません。でもとってもイイ音なのです!

ミニモーグ・シンセサイザー, public domain (Wikipediaより引用)

選択肢として、ミニモーグのような太い音が出て、ポリフォニック仕様の、予算的に手が届くシンセサイザーを探すしかありませんでした。 私は2021年にサウンドハウスさんから購入した、シーケンシャルからリリースされたTake 5というシンセサイザーを所有していました。Take 5はプロフェット系のシンセサイザーなのでとても品がよく、オールラウンドないい音が出ます。しかしミニモーグのような極太な音が出るかといえば、そうではありませんでした。

SEQUENTIAL(Dave Smith Instruments) ( シーケンシャル ) / TAKE 5

SEQUENTIAL(Dave Smith Instruments) ( シーケンシャル ) / TAKE 5

そんな折、オーバーハイムからTEO-5がリリースされます。

OBERHEIM ( オーバーハイム ) / TEO-5

OBERHEIM ( オーバーハイム ) / TEO-5

私の選択肢はこのオーバーハイム TEO-5しかありませんでした。 一時は2台を並行して使っていましたが、結局Take 5は売却し、オーバーハイム TEO-5の1台体制になりました。 これが2025年4月のことです。それ以来、私はこのオーバーハイム TEO-5を使い続けています。

結果、このシンセサイザー TEO-5がどうだったのかといえば、私がこれまで購入した数多のシンセサイザーの中でベストのシンセサイザーだったといえます。価格はそれなりに立派ですが44鍵、重さは7.8キロ。腰痛持ちの私には優しい重さです。しかも音は最高です。 エフェクターも搭載しているのでラックマウント・エフェクトを持っていく必要もありません。ファタール製の鍵盤も非常に弾きやすく、プロフェット5お得意のシンクサウンドも出すことができます。

勿論、ヤン・ハマーが弾くミニモーグに近い音も出せます。Take 5と比較するとかなり太い音です。 グレッグ・マティソンが弾くミニモーグ的な音も出せます。しかも5音ポリフォニックです。パッド音も滲むようないい音がします。 欲をいえばあと1音増えて6音ポリフォニックになれば…と思うところですが、5音ポリフォニックでこの価格ならTEO-5はいいのかもしれませんね。

当分この価格帯が変わることはないでしょう。それは楽器に限った話ではありません。小麦粉を原料としたパスタやパン、ケーキなどもみな同じです。車も信じられない価格になってしまいました。早く1ドル100円位の時代が来て、楽器が安くなることに思いを馳せながら2025年の筆を置くことにします。来年もまた宜しくお願い致します(^^♪


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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shinsekenban

高校時代よりプログレシブロックの虜になり、大学入学と同時に軽音楽部に入部。キーボードを担当し、イエス、キャメル、四人囃子等のコピーバンドに参加。静岡の放送局に入社し、バンド活動を続ける。シンセサイザーの番組やニュース番組の音楽物、楽器リポート等を制作、また番組の音楽、選曲、SE ,ジングル制作等も担当。静岡県内のローランド、ヤマハ、鈴木楽器、河合楽器など楽器メーカーも取材多数。
富田勲、佐藤博、深町純、井上鑑、渡辺貞夫、マル・ウォルドロン、ゲイリー・バートン、小曽根真、本田俊之、渡辺香津美、村田陽一、上原ひろみ、デビッド・リンドレー、中村善郎、オルケスタ・デ・ラ・ルスなど(敬称略)、多くのミュージシャンを取材。
<好きな音楽>ジャズ、ボサノバ、フュージョン、プログレシブロック、Jポップ
<好きなミュージシャン>マイルス・デイビス、ビル・エバンス、ウェザーリポート、トム・ジョビン、ELP、ピンク・フロイド、イエス、キング・クリムゾン、佐藤博、村田陽一、中村善郎、松下誠、南佳孝等
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SEQUENTIAL(Dave Smith Instruments) / Take 5

SEQUENTIAL(Dave Smith Instruments)

Take 5

¥299,800(incl. tax)

Analog synth, 5 voices, 44 keys

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OBERHEIM / TEO-5

OBERHEIM

TEO-5

¥299,750(incl. tax)

TEO-5 (Theo Five), 5-voice analog polysynth, modulation matrix, 64-step sequencer, 44 keys

ブログ有り

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