先日、某リユースショップへ立ち寄った際、ふと目に留まったJazz Bass。
一見するとどこにでもあるSquierのJazz Bassかと思いきや、よく見ると「MADE IN JAPAN」のMシリアル。
これは92〜93年ごろ、フジゲンで製造されていた国産Squierのモデルです。
近年は、国産の廉価ブランドでも価格がビックリするようなものもありますが、この個体は比較的お手頃価格で販売されており、「これはラッキー!」と思い、購入しました。
Squier SJB-36

- Body:Wood Fiber(レゾンキャスト)
- Neck:Maple
- Fretboard:Rosewood
- Pickup:JB-Single
- Controls:2Vol, 1Tone
- Bridge:Vintage
- Color:3TS
SJB-36は1992年まではバスウッドボディだったようですが、93年のカタログからは「Wood Fiber」と呼ばれる音響用集成材が使われています。
「レゾンキャスト」と呼んだほうがピンと来る方もいらっしゃるかもしれませんね。
Ibanezなんかでもこういった材を使ってギターを作っていた時期がありました。
自分のモデルは、画像を見ても分かるように木目がほとんど見られないので、Wood Fiberが使われた93年ごろのモデルと思われます。
EMGピックアップへ交換
まず最初に手をつけたのがピックアップの交換です。
当初はブリッジだけ交換して様子を見ようと思っていたのですが、購入後すぐに音が出なくなるというトラブルが発生……
ハンダゴテを使って配線をやり直すなど試行錯誤しましたが、結局直らず。
音が出ないことには話にならないので、思い切ってピックアップを交換することに。
今回選んだのは EMG JXセット
EMG ( イーエムジー ) / JX Set ジャズベース用ピックアップセット
選んだ理由は以下の通り:
- EMG搭載のベースを持っていなかった
- ハーモニクスが綺麗に鳴る、レンジの広いサウンドが欲しかった
- コネクタータイプで配線が簡単
- アクティブタイプでノイズに強い
ギターにEMGを載せた経験は何度かあったので、今回も簡単に終わると思っていたのですが……
実際はそう甘くなかったです。
問題1:PUがザグリに収まらない

ジャズベ用PUなので無加工で収まるかと思いきや、リアPUが物理的に入りませんでした。
ただ、幸いにもボディ材が加工しやすいWood Fiberだったため、紙やすりで少し削るだけで無事収まりました。
こういうことがあるので、PUサイズやザグリの規格はぜひ業界で統一してほしいですね。
問題2:バッテリーがキャビティに収まらない

配線を仮組みして、いざバッテリーを装着しようとすると……キャビティに収まりきらず、コントロールパネルが閉まらない!
Youtubeに上がっているEMGの取り付け動画では難なく収まっているのに、なぜ?と悩みましたが、入らないものは入らない。
裏面に穴を開けてバッテリーBoxを増設する方法もありましたが、かなり大掛かりになってしまうので、今回はドリルとヤスリを使ってキャビティを拡張。無事に収まりました。
問題3:音が出ない
「やっと完成!」と思いきや、音が出ない。
ここまで来たら後には引けません。説明書をじっくり読み込み、1時間ほどにらめっこしてようやく原因発見。

なんと一箇所だけコネクターを裏向きに差す指示が……。
「そんなの分かるか!」とツッコミつつも、無事に音が出たので結果オーライです。
ブリッジをBadass IIへ交換
気を取り直して次はブリッジ交換。
音の重心をもう少し下げたかったため、ヴィンテージタイプから Badass II へ変更しました。
ALLPARTS ( オールパーツ ) / BB-3342-001 Leo Quan Badass II Bass Bridge Nickel
個人的に一番好きなブリッジで、手持ちの4弦ベースはすべてこれに交換済み。
弦の入射角が浅くなってテンションが抑えられ、弾きやすくなるのが魅力です。
また、質量が増すことで音の伸びが良くなり、アンサンブルでもしっかり存在感を出せます。
交換作業はとても簡単で、Fender系であれば加工不要の「ポン付け」対応。
PU交換と違い、10分ほどで作業完了です。
※ボディの材質によっては受けの下穴を適切なサイズに加工する必要があります。

ストラップピン&インレイステッカー
愛用しているシャーラーのロックピンに交換
加えて、指板に貼るだけで簡単に取り付けできる インレイステッカー を導入しました。
60’スタイルにブロックインレイは人によっては違和感あるかもしれませんが、ブロックインレイの見た目が好きなので個人的にはこれで良いと思ってます。
完成!

いかがでしょうか?
個人的にはかなり満足のいく仕上がりになったと思っています!
クセのないWood Fiberボディに、EMGのキャラクターが際立つサウンド。
80〜90年代のアクティブベースサウンドを彷彿とさせる音に仕上がりました。
この先やってみたいこと
自分が愛用するFender系4弦ベースにはBadassⅡの他にHipshotのDチューナーが欠かせません。
HIP SHOT ( ヒップショット ) / BT7 Extender Key Nickel Bass Side
ドロップDにすることはほとんどないので出番はあまりないのですが、メカメカしいのが好きなんですよね。
また、せっかくEMGにしたのでアクティブのEQもつけたら音作りの幅が広がっていいかなと思います。
費用まとめ(すべて税込・2025年6月27日時点の価格)
- ベース本体:27,500円
- EMG JX Set:25,700円
- Badass II(ニッケル):17,300円
- ロックピン(シャーラータイプ):400円
- インレイステッカー:880円
合計:71,780円(本体27,500円+改造費44,280円)
改造費のほうが本体価格を上回ってしまいましたが、自分でパーツを選び、自分の手で組み上げて狙った音が出た瞬間の喜びは、プライスレスです。
皆さんも、安ギターや安ベースを自分好みにカスタムして、改造ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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