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FENDER STRATOCASTER 1968年&1969年製 Part8 ジミ・ヘンドリックスとストラト

2022-03-29

Theme:sound&person, sound

1969年のストラトの詳細を書こうかと思ったが、ストラトの不人気を救った同年代ギタリストの代表として1968年製、1969年製貼りメイプルのストラトをジミ・ヘンドリックス(以下ジミ)と共に取り上げたい。

ウッドストック

1969年8月18日ニューヨーク野外ステージでストラトキャスターを持ち、おしゃれなホワイトのアウター、ボトムは藍色の鮮やかなジーンズで演奏した。正式名は『ウッドストック・ミュージック&アート・フェア』だ。

ストラップもお洒落。エリック・クラプトンはステージ衣装やギターの色とのマッチングに重点をおくが、ジミはあれだけ荒れ狂うなか、華麗な模様のストラップを使用している。通なギタリストならストラップにもある程度こだわりたい。米国では『何故、高価なVINTAGE GUITARに大金を払っても、千円足らずのストラップを付けるのですか?』と言う趣旨の広告がある程だ。

足元はVOXワウペダルからファズフェイスヘの王道のエフェクター群。この時代に、もしラックマウント・エフェクトが存在すれば、ジミのサウンドは更に狂暴かつ魅力的なトーンを放ったに違いない。

ジミはギターからシールドを原始的につないでゆき、最後にアンプにインプットした。しかも使うペダルは『当たり』のアナログ機材のみ。今日では極上のビィンテージ・レア物を新品で多数使用・・・。羨ましい限りだ。60年代から70年代のペダルは製品管理がいい加減な会社も存在したため、今日においてはスイッチ不良やコントロールツマミなどのガリノイズがあってもおかしくはない。不具合があれば他を探せば良かった。

ジミヘンの指は長く綺麗な指だったと、インタビューCD等で関係者が発言している。また、フオークは左手、ナイフは右手で食事している写真がある。生活の主だった時の腕は右利きであったとも想像出来る。文字を書くのも右手だ(帽子をかぶったほとんど真っ黒のモノクロ写真参照 2013年フェンダー マガジンより)。

FENDER MAGAZINE 2013年より。いろいろな場面から右手を使った写真。

現代のインターネット事情を考えても、米国の方がリアルな話題が多い。ワイルドなジミが実は、かなりのインテリだったとか、今まで知らない事を当時のインタビューにより知る事が出来る。

またステージ衣装のセンスも抜群に良かった。サイケデリックな色のシャツ、また軍服みたいな衣装は(フェンダー・マガジン2013年表紙 参照)数あるジミヘンの衣装の中で一番凝っていると思う。80'sの高崎晃、イングヴェイ・マルムスティーンなども同様なジャケットを着ていた。

FENDER MAGAZINE 2013年 表紙より。この軍服みたいなアウターを着こなすジミはお洒落。

私が思うにジミヘンの存在はジミヘン本人の演奏能力7割、ギター機材2割5分、残りの5分は当時の流行に乗る事が出来た。と勝手に想像してしまう。

いくら演奏が優れていても流行に乗らなければギタリストとして名を馳せない。ジミのパフォーマンスが派手だったのもオーディエンスには、堪らなかったはずだ。ワウペダル、ファズフィス、ユニバイブ、アーミング、オクタビア、アンプによるフィードバック・・・ストラトを操る彼の脳の中から『天才の素』が分泌されたのだ。そしてマーシャルアンプの音圧を見事に操った。普通なら『ノイズの壁』に負けてしまい、ハウリングしてしまう所を、長いサスティーンを武器にして観客に向けてアウトプットしてしまった。

ジミのストラトは通常右ききの用のストラトを逆に使用して、そのような弾きにくさを克服し、縦横無尽に扱っていた。弦のテンションが逆に変わり、弦の長さの違いからも、一般の右利きギタリストとはサウンドがちがって来る。ブリッジピックアップも逆に斜めになるので、もちろん音が違ってくる。トレモロアームも使いにくいどころか、そのパフォーマンスは個性的であり、他のプレイヤーと比較してみても、オリジナリティがあった。

そんなジミが全米においてブレイクした凱旋ライブは1967年6月18日のモンタレー・ポップ・フェスティバルだ。

サイケデリックなペイントをしたローズ指板のストラトを身に纏い演奏した。

最後にストラトを叩き割ってオイルで火をつけ燃やし、呪いの様に両手をあげた。ギターを壊すのは現代に於いては驚愕しないが、55年前の観客の目にはどの様に焼き付けられたか・・・。

そのようなジミヘンを聴いた、レオ・フェンダーは快く思わなかった。特にレオが失望したのはトレモロアームの使い方だった。

レオの好きだったハワイアンやカントリー&ウエスタンで用いる音程を揺らすビブラートを前提にストラトは製作された。60年代にはその演奏形態はすでに時代の隅に置かれた。60年代のサーフ・ミュージックやサイケデリックな音楽にレオが拒否反応を示したのは仕方がないと思う。

それでもストラトの生産は続けられた。と言うより【エレクトリック・ギターの代名詞ストラトキャスター】を少量生産・人気低下から救ったのは、紛れもなくジミヘンの功績である。

【 FENDER STRATOCASTER1954ー1982 1970年製】

貼りメイプルの仕様は1970年で終了する。

【ネック・ヘッド】

以前話したが、CBSサイドがラージヘッドを用いたのも、他社のエレキギターがフェンダー社のコピーを大量に生産する防止として、採用されたわけである。またデカールの黒の文字が太くなる『CBSロゴ』で他社との差別化が一層強まった。

確かに1970年までの貼りメイプルネックは抜群の個性を持っていた。ネックヘッドには堂々とラージヘッドで黒い文字で『FENDER』ロゴの下に『WITH SYNCHRONIZED TREMOLO』とデカールを貼り、小さめにパテントナンバ―が2件が貼られてある。50年代のルックスから、ラージヘッドに至り、かなり遠くの方向性に変わった。この『WITH SYNCR~』のデカールは70年まで、ほとんど変化は無い。

昨今日本に於いてこの貼りメイプル、細身のネックの発売は少量生産ではあったがロングセラーとして成功した。長年フェンダージャパンカタログに載った1969年ウッドストック公演時のメインギターは、手の小さい傾向のある日本人には、有難い仕様だった。フェンダージャパンは 【SRVモデルと並び、ジミヘン仕様のモデルと共にカタログに掲載している。これらは完璧なコピーではないが、予算の範囲内で値段以上の品質で作られた。(1997年フェンダージャパンカタログより)

1997年フェンダー・ジャパン・カタログより。価格を考慮しながら、出来るだけ本物に近づけたジミ・ヘンドリックス モデル、とSRV仕様。2人共、他界しているがミュージック・シーンにおいて後継者に与えた影響は大きい。

【ボディ】

上記のホワイト、ブラックカラーは木目が見えない物を理由に、4ピースボディも存在したと言う。希に54年製で3ピースの存在を確認するがやはり2ピースを希望する。もっとも4ピースは塗りつぶす事を前提に製作されるのだろうが。木材の有効利用ならでは。さすがレオ・フェンダーだ

ただ現代2000年代以降のネックのほとんどは日本製、米国製問わず、柾目では無く、木目が波打っている板目の個体が多い。それでも10年前ならフェンダージャパンでも柾目の貼りメイプルを購入することが出来た。

実は貼りメイプル指板仕様をインターネットで見て失敗した買い物がある。画像を見てネックに好ましくない木目が全く無いので神戸の楽器店からネットで購入した。しかし偶然ではあったが届いた後、弦交換時びっくりした。ネックの弦6本の真下を木目が平行に走っていたのだ!!インターネットの画像からではわからない事だった。

ハイエンドクラスのギターで、サウンドハウス様が扱っているギターなら、遠方から購入するにあたり、電話などで詳細はわかると思うので、問い合わせるのが良いと思う。

ローズ指板も色が薄かったり、均一な濃さがない個体も見受けられる。この場合、加工して濃い指板にする事は可能だ。しかしメイプル指板は木目や染みを隠すのは困難だ。

ストラトのシングルコイルは6本のアルニコ・マグネットの回りにワイヤーを巻く事で音が出る。ただそれだけ。ではなぜ弾く手の演奏形態、弦の性質、各種ペダルの音色、アンプに寄る豊潤な艶やかさ、シールドケーブル。ピックアップ選択、ネックによる強度の変化でより美しい倍音を得ることが出来て、ボディの形状・材質、ピッキングコントロール等より、サウンドが変化する。

このエレキギターのピックアップの原理を解明しようと試みても物理学の偉業をなし得た科学者でさえ説明出来ない。手元で数ミリvoltの電流が発生し、弾き手の指やピック→ギターの音色→アンプスピーカー→PAへとアウトプットされる。

つまり、多様なマテリアルと、無限のスピリットが醸し出す電気の仕組みは、だれにもわからないのだ。

と言う事で、貼りメイプルがレギュラー生産された前後の年を、不運続きであったストラトキャスターはジミの功績で、一躍スターダムに返り咲いた。

以前似たような話しをしたが、『ジミの音色は安物のピックアップを使用してもジミの良さが判る』と話した。

しかし『プロ仕様の高額なピックアップを使ってジミをコピーしているの学生』、、、貴方ならどちらを聴きたいか?

今回はほとんど、ジミ・ヘンドリックスについてになった。貼りメイプルと言えばジミだった。

次回からは70sに導入されるブレットヘッド、3ボルトジョイント、亜鉛ダイキャスト・ブリッジなどが登場する。

お楽しみに♪


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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Realize

リッチーブラックモアのアルバム『Diffcult to Cure』の『第9』アレンジを聴いてファンになり、『Spotlight Kid』を聴いてストラトキャスターに目覚める。以後様々なストラトを手にし、20年以上ストラトオンリーで毎月ライブ活動を行っている。
ストラトに対するこだわりは強く、『ギターマガジン』、米国誌『VINTAGE GUITAR MAGAZINE』に所有ストラトが掲載されたことがある。翻訳書として、2002年Fender Accessories Catalogue等に掲載されている『The Fender Stratocaster』第4版がある。
ストラトへの改良は外見からみたら何処を変えたかわからないのがポリシーである。

FENDER / Jimi Hendrix Stratocaster 3-Color Sunburst

FENDER

Jimi Hendrix Stratocaster 3-Color Sunburst

¥139,800(incl. tax)

Electric guitar, Jimi Hendrix Stratocaster, 3-tone Sunburst

ブログ有り

在庫あり

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FENDER / Jimi Hendrix Stratocaster Olympic White

FENDER

Jimi Hendrix Stratocaster Olympic White

¥128,500(incl. tax)

Electric guitar, Jimi Hendrix Stratocaster, Olympic White

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約4ヶ月

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FENDER / Jimi Hendrix Voodoo Child Ball End Nickel 10-38

FENDER

Jimi Hendrix Voodoo Child Ball End Nickel 10-38

¥1,080(incl. tax)

Electric Guitar Strings, Jimi Hendrix, Nickel, .010, .013, .015, .026, .032, .038, Ball End

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FENDER / JIMI HENDRIX VOODOO CHILD CABLE, Black

FENDER

JIMI HENDRIX VOODOO CHILD CABLE, Black

¥4,950(incl. tax)

Instrument cable, curly cable, 30ft (about 9.1m), straight phone-L-type phone, black

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ブログ有り

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JIM DUNLOP / FFM3 Fuzz Face Mini Hendrix

JIM DUNLOP

FFM3 Fuzz Face Mini Hendrix

¥14,000(incl. tax)

Guitar effector, Fuzz Face Jimi Hendrix model

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ブログ有り

在庫あり

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JIM DUNLOP / JH03 STP HENDRIX LOVE DROPS-EA

JIM DUNLOP

JH03 STP HENDRIX LOVE DROPS-EA

¥3,580(incl. tax)

Guitar / bass strap, artist model Length: Approx. 90-155 cm, Width: Approx. 6.5 cm

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ブログ有り

在庫あり

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