
旅行ガイドではなかなか紹介されない、ブリティッシュ・ロックファンなら『一度は訪れたいゆかりの地』を案内する旅行ブログシリーズ。これまで、イギリスのロックバンド「ザ・フー」のロックオペラ・アルバム「四重人格」を原作とした映画、「さらば青春の光」ゆかりの地を、3回に渡って案内してきました。
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偶然にも10月より映画「さらば青春の光」が、全国で40年ぶりにリバイバル上映されています。久々に、または初めて映画を観て、イギリスへの憧憬を抱いた方に、このブログシリーズが旅行のきっかけになれば幸いです。
前回、ファン憧れの地とも言えるブライトン(Brighton)の街で見つけた、映画ゆかりの地を紹介しました。

スティング扮する憧れのモッズヒーロー、エースがホテルで働いている姿を見て、その現実に動揺したジミーがスクーターを盗んだのがホテルTHE GRAND。ザ・フーのファンがその場所にいれば、恐らく誰もが映画と同じ様に、ジミーが向かったラストシーンの場所へと行きたくなるはずです。
という事で、今回はザ・フーと映画「さらば青春の光」ゆかりの地を巡る旅の最終回といたしまして、ラストシーンが撮影された、海峡に面した広大な岩崖 セブン・シスターズ(Seven Sisters)へとお連れします。


さて、そのセブン・シスターズ。急に行きたいという衝動に駆られた私には、ブライトンから、どうやって行くのか情報が全くありませんでした。THE GRAND近くにある土産屋へ聞きに行くと、店内でその岩崖のポストカードを発見。購入時、レジのおばさまにポストカードを見せて尋ねると「あの辺にバス停があるから運転手に聞いてバスに乗って行きなさい。」と教えていただきました。
映画の印象では、ブライトンからスクーターですぐに着く場所だと思っていたので、「歩いて行けない距離なのですか?」と驚く私に「歩いたら3日はかかるわよ。」と笑っていました。
さて、近くのバス停にいる運転手さんに教えてもらい、何とか乗った2階建てバス。行き先のバス停は、岩崖と同じ名前の「Seven Sisters」だと教えてもらいました。(現在は「East Dean Garage」というバス停になっているようです。)行くときは出発前にネットで調べるか、バス停留所で運転手に岩崖の写真を見せましょう。バスに乗る際、片道か往復か聞かれます。支払いが面倒な方は往復切符を購入しましょう。
天気も良かったので、2階の最前席に乗り込むと、ブライトン海岸沿いをひたすら走る最高のオーシャンビュー。やがて内陸へと曲がり、緑豊かな景色に変わっていきます。木漏れ日が美しいと見とれているのも束の間、長く伸びた木の枝が2階建てバスのガラスにバキッ、バキッと何度も直撃。

さらにここの道路は右折優先なのか、対向車線に右折待ちの車が止まっていると、その度に急ブレーキ!この繰り返しが何度も続くスリル満点のアトラクションでもありました。景色がさらに海から離れていき、広大な田園風景が車窓から見えてきます。けたたましく鳴り響くバスのエンジン音を聞きながら車窓から見える田園を眺めていると、ザ・フー「四重人格」に収録されていた「I've Had Enough」を思い出します。

この曲で聴ける、轟音のハードロックと静かなフォークロックとの交差という展開。改めて思い出しながらバスの車窓からの風景を眺めていると、ジミーがスクーターで騒音を撒き散らしながら岩崖に向かっていく道中の景色がリアルに描かれている事に気づかされます。
さてバスに乗って約1時間。再び海の方へと戻ってきたと思いきや、すぐに海からバスは離れていきSEVEN SISTERSなるバス停に到着。海から結構離れています。

バスを降りると、SEVEN SISTERSへの案内板があったので、看板を頼りにひたすら歩きます。

岩崖のある海に向かってひたすら歩いて行く途中、羊の牧場や、農家のカフェが見えてきます。そんなイギリスの田舎の空気を浴びながら、さらに歩いていきます。30分ほど歩くとやっと出てきた、何年もの間憧れていたこの岩場の海岸。チョークでできた岩の崖!
その瞬間、アルバム「四重人格」のオープニングナンバー「ぼくは海 - I Am the Sea」の波の音が、まさにここの波の音である事に気づきます。

岩の多い海岸だからでしょうか、重く激しい波音。この波音こそ、レコードやCDで何回も聴いた「ぼくは海」の本物の生演奏。
そんな感動に浸っていると、とある外国人の方が日本語で「キミタチ日本人?」と声をかけてきました。「ナンデこんなところに来ているの?」と聞かれたので、映画の話をすると、その方はザ・フーも映画のことも知らなかったようです。その方はアメリカ人で、転勤の都合で昔千葉県の船橋市に住んでいたとの事でした。今回のザ・フー旅行の集大成となるこの地で、何故か「ザウス潰れたの?残念だなぁ」「津田沼パルコの…」等々、なぜか総武線沿線ヨタ話に…。
それはともかくとして、その方にこの地の事を聞くと、日本人がほとんど来ることのない別荘地だそうで、主にアメリカ人やカナダ人が多いとの事です。イギリスの人もあまり来ないという事で、ジミーのようなアウトサイダーにとっては、スクーターやバイクを思いっきり走らせることが出来る秘境の地だったのかもしれません。

さて、岩崖を上の方に登ってみると、夕陽に照らされた白い岸壁と海。まさにあのラスト&オープニングシーンであるということに感動を覚えます。この場所に長い時間浸りたい方は、陽が長い夏の季節に行くことをおすすめします。但しこの岩崖、映画でも見られるように柵も何もなく、写真撮影で崖に背を向けるときは要注意です。強風に煽られる可能性もあるので、くれぐれもご注意を。
この映画のラストシーンでは、ジミーがスクーターに乗ったまま岩崖から海に飛び降りて最期を迎えたかのようにも見えます。ジミーは死んだかどうかという議論がされていたことを思い出しながら、高い岩崖真下を眺めておりました。
結果、ジミーは死んでないと思います。

ジミーが暗くなった岸壁から去っていくオープニングシーンがあります。きっと、スクーターだけ投げ飛ばした後、バス停までの道のりを30分歩いて帰ったのでしょう。

4回に渡ってお送りしました、ブリティッシュ・ロック旅行ガイド~ザ・フーと映画「さらば青春の光」ゆかりの地を巡る旅。ザ・フーは今年結成55周年、ニューアルバムの情報もアナウンスされる中、このブログが皆様のザ・フー「すてきな旅行」のお役に立てたら幸いです。
次回のブリティッシュ・ロック旅行ガイドはポール・マッカートニーの映画「ヤァ!ブロードストリート」ゆかりの地ガイドをお送りします。後半ポールが人探しのために運転していた、ロンドン市内のドライブコースへとお連れします。
旅行を楽しむためのワンポイント!
その1、SEVEN SISTERSには岸壁以外にもう一つ映画のネタ
SEVEN SISTERSからブライトンへ帰るバスの中。見覚えのあるファッションをした女学生の姿を目撃。ドイツ語らしき非英語圏の会話をしている、麦わら帽子を被ったオールドスタイルの制服姿の女学生たち。
その時は思い出せず、帰国してから映画を見て思い出したのですが、恐らくはジミーがブライトンへ行く電車の中で、荷物を車窓から捨てる姿を見て笑っている女学生と同じ制服ではないかと思います。

帰国後に聞いた話では、SEVEN SISTERSのバス停から、さらにバスに乗っていくと語学学校があり、夏になると海外からの短期留学生で溢れるようです。私が帰りに見かけたのは学校帰りの生徒たちだったのですね。電車のシーンはジミーがBRIGHTEN行きの電車に乗っていることを強調しているのと同時に、SEVEN SISTERSでの結末を示唆するシーンでもあったのかなと思った次第でした。
その2、あなただけの「ぼくは海」を録音しておきましょう!!
ザ・フーの旅で一番後悔しているのは、SEVEN SISTERSの海岸の波の音を録音しなかったことでした。今度、行くときはZOOMのハンディレコーダーH1nをもって、自分だけの「ぼくは海」を録音したいものです。手のひらサイズのコンパクトボディに本格的XYステレオマイクを搭載。荷物にならずにリアルなイギリスを録音できます。何気に青色は録音ボタンとのコントラストがモッズルックでナイスです。
ZOOM (ズーム) / H1n/L(ブルー)ハンディレコーダー
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