1965年、ニューポート・フォーク・フェスティバルで世界中のボブ・ディランファンを驚嘆させたあの伝説のFender ストラトキャスターが発見され、50万ドルもの価値がついた。更にそのケースの中からは、作りかけの曲(歌詞)も発見されたという。
ニューポート・フォーク・フェスティバルでのパフォーマンスは、それまでのディランのファンやフォークミュージック好きの人々からの反発を買い、ディランが「エレクトリック・ミュージックへ移行」したとされるその瞬間「くだらない低能な音楽だ」と罵声を飛ばした。その日のレコーディングにはそのブーイングも収録されているのは有名な話(彼が3曲しか演奏しなかったことに対してブーイングを入れているだけだという説もあるが)。
フェスティバルの後、ディランが飛行機の中にそのストラトキャスターを忘れてしまい、それをある人が最近まで保管していたという話があったが、テレビ番組「History Detectives(ヒストリー・ディテクティブズ)」の調査でそのギターは本物だったと明らかになった。
その飛行機に働いていたパイロットの父を持つドーン・ピーターソンは、父の死後、父が持っていたそのギターを受け継いだ。そしてテレビ番組に問い合わせ本物かどうか調べてもらったという。
ニューヨーク州・フェアポートにあるギターショップFab Gear(
http://www.andybabiuksfabgear.com/)のアンディ・バーヴィックはこう語る。「何人かの人がテレビ局に電話してきてこんなような事をよくいう "ディランが使ったらしきストラトを持っています"と。このギターは音楽界だけでなくポップ界にも大きく影響を与えたギター、そして彼が初めてローリング・ストーンズのような演奏をし、会場からブーイングを受け伝説となった時のもの。我々はそうして可能性のあるストラトキャスターを文字通り片っ端から調査していった。」 そして、ピーターソンがいう"ディランのギター"と、ニューポートで撮影された写真とを比較し、木目、シリアルナンバー、ギターの製造月日が全て一致した時、ついにアンディは「間違いない」と思ったという。
ピーターソンが所有する事が法的に許されているのかという点においてはグレーだが、彼は倍の100万ドルまで価値が上がるのではないかと考える。ピーターソンは言う「こういったものは、"ロックの殿堂"や"スミソニアン博物館"のような場所に保管されるべきだ。そのくらい価値のあるものだと思う―アメリカの遺産になる」
■ニュースサイト
http://www.classicrockmagazine.com/news/bob-dylan-historic-guitar-valued-at-500000/