■AUDIX
FP7KEEP YOUR OVERHEAD LOW当初は、セットに含まれた2本のコンデンサーマイク、f9の評価に悩みました。f9は低音域(200Hz以下)でロールオフするため、ドラムのオーバーヘッドとして使用する際は、イコライジングによって不要な周波数を削る作業もいりません。また、8kHzレンジで若干の厚みがあるため、特にライドベルを演奏すると、澄んだ高音、はっきりとしたスティックのサウンドを得る事ができます。同シリーズの他のマイク同様、欲しいサウンドがすぐに得られるため、ステージではその威力を発揮します。一方、スタジオではマイクの選択肢が多く時間に余裕もあるので、私はAKG414やAudio-Technica AT404をオーバーヘッドで使っています。ただ、これらのマイクはペアで、FP7マイクセットの倍以上もするため、単純に比較はできないでしょう。スタジオで使っているこれらのマイクは、通常外に持ち出さないので、やはりツアーのおいてはf9が頼りになります。
今回FP7を使って、オプションのドラム用マイクマウント、Dviceを試す機会がありました。セット内容は、スネア用クリップと短いグースネックがついたタム用クランプで、価格は$24.95。このマウントスタジオDviceはステージでのセッティングを簡単に行えるだけでなく、マイクをフレキシブルに設置する事ができます。ライブごとに余分なマイクスタンドを運ぶ必要もなくなります。
Fusionシリーズは、自信をもってお勧めできるドラムマイクセットです。f6/f5/f2はハイエンドなドラム用マイクD4/D6/i5の半額でありながら、その85%~90%のクオリティを持っています。既に高性能なコンデンサーマイクをスタジオ用のオーバーヘッドとして使っている人には、コンデンサーマイク無しのマイクセット、FP5がお勧めです。いずれにしてもFusionシリーズマイクセットは1本当たりの平均価格が$70とお手頃ながら、素晴らしいドラムサウンドを再現します。
総合評価 (1~5): 4