■
AKAI 「APC40」IN THE MIX
マトリクスの下のミキシングセクションはフェーダの他にミュート、ソロ、レコードアームボタンを備えています。当然それらもマトリクスにあわせて変化し、そのステータスはバックライトの状態で示されます。
APC40では何度もバンクチェンジを行うため、機能性とコストを考慮してフェーダ部はモーターフェーダにはなっていません。個人的にはフェーダタイプのつまみよりもLEDリングノブの方が好みですが、見た目にはほとんど不満はなく、バリュースケールの設定さえ行えば何の支障もなくミックスできます。9番目のスライダーとその上のノブは常にマスターレベル及びキューレベルをコントロールします。
パネルの右手側1/3はトランスポート、モードとプラグインコントロールのためのスペースです。最上部に8つのLEDリングノブがあり、使用している8つのトラックのパンやエフェクトセンドのレベルをコントロールします。その下にあるのはシフトとバンクセレクトボタンです。タップテンポ、ナッジボタンではLiveの大きな特徴である素早いテンポチェンジを行うことができます。
その下のデバイス・コントロールセクションにはさらに8つのLEDリングノブとボタンが有り、選択したトラックのプラグインの設定を行います。下部のボタンでパラメーターを8つごとのグループに分けているので、それぞれのプラグインに64のパラメーターを設定することが可能です。また、これらのボタンでプラグインを選択したり、そのオン/オフやLiveの様々なビューを切り替えることもできます。一番下の段には3つのトランスポートボタンとクロスフェーダが配置されています。AKAIによればこのクロスフェーダはかなり手荒く扱っても大丈夫なように頑丈に作られているそうですが、必要に応じて容易に取り替えられるようになっているようです。
IN USE
APC40のサイズは429mm x 334mm x 67mm (W x D x H)で、重量は2.64kgです。非常に頑丈に作られていて、ライブパフォーマンスなどで酷使されることをしっかり考慮されているようです。デスクトップ環境での使用にも理想的な設計です。モニターとキーボードの間にきれいに収まりますし、もし私のようにMIDIキーボードをお持ちのようでしたらその脇においてもとても使いやすいでしょう。
LCDディスプレイがないので、コンピューターのモニターをまったく見ないで使うと言うわけにはいきません。セッション・オーバービューを反映したボタン配置ですのでかなりわかりやすいのですが、それでも一つ一つのトラックやシーンオフセットなどには対応し切れていません。さらに言えば、デバイスコントロールセクションのノブがプラグインのどのパラメーターに対応しているのかはAPC40からはわかりません。しかし実際にはこういったことで不便を感じるようなことはほとんどなく、ライブパフォーマンスの場などでセッティングをしっかり行うよう気をつければ問題はありません。オンステージでもデスクトップでも、APC40はLiveユーザーの夢のコントローラーとして活躍してくれるでしょう。
EMサイトより
前のページへ