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2009/06/12
昨年、香港と東京にオフィスを構えたドイツのメーカーSENNHEISERは、中国の子会社SENNHEISER Electronic (Beijing)Co.を設立した。「今の中国市場には有望なトレンドがある。」幹部の一人であるVolker Bartel氏はこう述べている。「中国の消費者はますますプレミアムブランドを意識するようになっている。今こそ中国本土でセールス、マーケティングを展開する時だと思う。スタート時の規模は小さかったが、4年間で我々は、中国市場において2桁の安定した成長を達成した。このトレンドは、現在の世界市場にも影響を受けることなく続くだろう。ようやく香港と北京にある子会社が中国市場で活躍する下地が出来上がった。」と述べている。
創業式には、ドイツ大使館の経済閣僚のトップであるIngo Karsten氏をはじめ、中国のオーディオ業界を代表する面々も出席していた。
中国市場におけるSENNHEISERの活動は、1999年当時はまだ直轄植民地であった香港、そしてシンガポールを拠点とする子会社、SENNHEISER Asiaから始まった。SENNHEISER Electronic (Beijing) Co.のゼネラルマネジャー、Marc Vincent氏は以下のように述べている。「北京に完全な子会社を開設することは、中国市場に対する信頼感をこれ以上ない形で表していると言っていいだろう。私たちの品揃えとサービスが、顧客ニーズを反映している証である。我々のチームは、ほとんど中国人の従業員で構成されている。」
InterContinental Beijing Beichenで行われた式典では、中国の伝統芸である龍の舞や、SENNHEISER初のアジアのミュージックシーンにおける大使である中国人シンガーのJane Zhangが歌を披露した。中国は、音楽で最も古い伝統がある国のひとつで、Cantoポップや中国のロックミュージックなどといった新しい音楽と一緒に、中国のクラシカルミュージックも依然としてよく演奏されている。中国の放送局、CCTVをはじめ、SENNHEISERブランドはプロオーディオの重要なシェアを獲得し、この子会社は合計86個ものワイヤレス・マイクのチャンネルを6つのスタジオに供給している。「ブランドの認知度は増加しているので、我々はさらにビジネスを発展させ、市場独自の製品で顧客層を広げていく。」とVincent氏は述べている。
北京に子会社を設立する第一歩は、2005年2月にSENNHEISERの代理店オフィスがオープンしたときだった。中国に100%出資の子会社が必要であることはすぐに明確となり、Marc Vincentと6名からなる彼のチームは、2006年に子会社を立ち上げ、2008年5月までに、SENNHEISER Electronic(Beijing)の営業を開始した。現在、北京オフィスでは16名、香港においては13名の従業員が働いている。「2009年の終わりには、従業員を34名にする予定である。我々は、中国での販売エリアの拡大に焦点を当てている。」とVincent氏は述べている。
〔2009年5-6月号Pro Audio Asia誌より文章引用〕