
こんにちは、サポートの山口です。今回は、おすすめのワイヤレスマイク、Line 6/XD-Vシリーズについて語りたいと思います。
前回のブログでワイヤレスマイクの基礎知識について、さらりと触れました。今回はXD-Vシリーズをより知っていただくために、少し掘り下げた説明の後に、商品紹介といきましょう。
◆ワイヤレスシステムとは?
トランスミッター(送信機)からレシーバー(受信機)へ電波を飛ばして音声信号の送受信を行うものです。アナログとデジタル方式があり、XD-Vシリーズはデジタル2.4GHz帯を使用するワイヤレスシステムです。

トランスミッターとレシーバーを同じチャンネル(周波数)でペアリングすることにより、使用できる状態になります。XD-Vシリーズの受信機はシングルチャンネルのため、受信機と送信機は1対1で使用します。受信機1台に複数のマイク(送信機)を繋ぐことはできません。
◆どんなマイクがあるか?
マイクの種類と用途は主に3タイプ
・ハンドヘルドタイプ・・・手持ちタイプでボーカリスト、司会者、アイドルなど
・ラベリア(L)・・・いわゆるピンマイク。公演・講義、会議や演劇など
・ヘッドセット(HS)・・・プレゼン、演劇、ダンス、ボーカルなど

◆デジタルワイヤレスを使用するメリット
・音質面での優位性
デジタル方式は、入力された音声信号を圧縮伸長しないために、クリアな音質を実現しています。
・外部ノイズや混信に強い
いったんノイズがのると除去できないアナログに比べ、デジタルはデータを送信するため、ノイズの影響を受けにくいメリットがあります。
伝送方式イメージ

・同時使用できるチャンネル数が多い
XD-Vシリーズでは、最大14セットの同時使用が可能です。
・XD-V 75、XD-V75L、XD-V75HS・・・同時使用最大14波
・XD-V 55、XD-V55L、XD-V55HS・・・同時使用最大12波
・XD-V35、XD-V35L・・・同時使用最大6波

◆XD-Vシリーズ独自の機能
基本的な話をしたところでXD-Vシリーズ特有の機能を紹介していきます。
XD-V 75は10種類、XD-V55は4種類、XD-V35は1種類のマイク・モデリングを装備しています。XD-V 75は10種類、XD-V55は4種類、XD-V35は1種類のマイク・モデリングを装備しています。元々クオリティの高い音質に加え、定評あるモデリング技術により、有名マイクの音を忠実に再現しています。

1. Shure/SM58
2. Shure/Beta58A
3. Shure/SM57
4. Sennheiser/e835
5. Sennheiser/e935
6. AKG/D5
7. audio technica/AE4100
8. Audix/OM5
9. Electro-Voice/N/D767a
10. Line 6/Custom voiced microphone
※XD-V75のみ全10種、XD-V55は1、3、4、10の4種、XD-V35は1のみ
サウンドハウスの若手社員で結成されたバンド、Carbon Jのボーカル舘野が唄う音源サンプルをぜひ聴いてみてください。
XD-Vシリーズはモデリング機能により、各社定番マイクの細かい特性を再現し、サウンドのみならず、歌いやすさやパフォーマンス全体に大きな変化をもたらします。
◎EQ機能(トランスミッター)
ラベリアマイク、ヘッドセットマイク・セットに付属するベルトパック型のトランスミッターTBP12には、EQが搭載されています。ノイズ低減や音声の明瞭化に効果を発揮します。

※XD-V75のみ全9種、XD-V 55は、SF1・SF2・IF1の3種、XD‐V 35はSF1のみ
◎ダイナミックフィルター機能
ハンドリング・ノイズ等を減少させます。
※XD‐V75、55に搭載
◎RFモード機能
Line 6のXD-VシリーズはすべてRFモードという2つ以上の周波数を同時に使用する方式を採用し、これにより干渉のリスクを避けられるようになっています。
・RF2・・・1つのチャンネルで2つの周波数を使用するモード。デフォルトではこの設定になっています。
・RF1・・・1つのチャンネルで4つの周波数を使用するモード。干渉には強い反面、同時使用できるチャンネル数はRF2に比べて少なくなります。
※同一環境内でRF2、RF1モードを同時使用することはできません。

◎過去品番の対応
過去品番のXD-V 70、V30はRF1モードのみを搭載し、現行のレシーバーとも互換性があります。使用できるチャンネル数はRF1の仕様に基づきますが、組み合わせるトランスミッター、レシーバーのスペックにも依存します。ファームウェアのアップデートにより、RF2モードにも対応しますがV75のレシーバーとPCが必要になります。
◎暗号化(クリプト・モード)機能 ※XD-V75のみ
重要な状況で安全な通信を行なうデジタル暗号化方式。秘匿性とも呼ばれており、トランスミッターとレシーバーを1対1でロックして、その特定のトランスミッターからの情報について暗号化キーを持たない他のレシーバーでは、受信できなくすることで盗聴などを防止できます。法廷や病院、重役会議室などで使われることの多い優れた機能となります。
簡単に特徴を書いてみました。ここまで読んで、おっ、Line 6のXD-Vシリーズいいかもと思ってくれた方に、セッティングのワンポイントアドバイスをお届けします。
◆セッティングの注意点
1. 安定した通信を確保する

トランスミッターとレシーバーの間に障害物のない見通しの良い状態を保つことが基本です!
2. ハンドヘルド型は持つ位置にご注意を!
ハンドヘルド型のマイクは、底部にアンテナが内蔵されているため、下の方を持つと通信を妨害してしまう場合があります。

3. スマホなどによる干渉に注意!
2.4GHz帯を使用しているため、XD-VとWi-Fiが相互に干渉する場合があります。双方を離して設置する必要があります。Bluetoothに関しては周波数ホッピング方式を採用しているため、共存可能です。
※XD‐V75のみの機能になりますがチャンネル・スキャン機能により、空いているチャンネルを簡単にチェックできます。
4. アンテナのセッティング
アンテナは平行にせず、2本の角度が90度程度に広がるように設置してください。

5. 外部アンテナ(オプション)
広いステージやショッピングモールなどのイベントにおいて、より安定してワイヤレスを使用したい場合に効果的です。オプションで以下のようなアンテナが用意されています。
LINE6 (ライン6) / P180 Paddle Antenna
LINE6 (ライン6) / P360 Paddle Antenna
以下の設置例をご参照ください。

さて、ここからはLine 6/ XD-Vシリーズのラインナップを紹介していきます。
LINE6 (ライン6) / XD-V75 Handheld
XD-Vシリーズのハイエンドモデル。10Hz~20kHzの周波数特性と最大120dB以上のダイナミックレンジを備え、忠実な再現性とフルレンジでのオーディオの透明度を確保したデジタルワイヤレスシステム。
同時使用14波、10種類のマイク・モデリング機能によりパフォーマンスが向上すること間違いなし。ボーカルはもちろん司会やイベントなどにも最適。また、同時使用数が多いアイドルのステージにも重宝されます。
【同シリーズ品】
LINE6 (ライン6) / XD-V75L ラベリア
会議や講義、動画撮影などに最適なラベリアマイクのセット。EQプリセット機能のついたトランスミッターは9種のモデリングを使用可能。
LINE6 (ライン6) / XD-V75HS ヘッドセット(黒)
LINE6 (ライン6) / XD-V75HS-T ヘッドセット(タン)
演劇、ダンス、プレゼンなどに最適なヘッドセットマイクのセット。EQプリセット機能のついたトランスミッターは9種のモデリングが使用可能。
LINE6 (ライン6) / XD-V55 ハンドヘルド
プロフェッショナル仕様の高品質デジタルワイヤレスシステムです。人気の高いマイクをベースに、合計4種類のマイク・モデリングを搭載。ボーカリストに合わせて最適なマイクモデルを選択することが可能です。最大12システムまでの同時使用を実現。過酷な使用環境でも安定したパフォーマンスを提供します。
【同シリーズ品】
最上位機種の機能を踏襲したコストパフォーマンスに優れたモデル。EQプリセット機能のついたトランスミッターは4種のモデリングが使用可能。
LINE6 (ライン6) / XD-V55L ラベリア
LINE6 (ライン6) / XD-V55HS ヘッドセット(黒)
LINE6 (ライン6) / XD-V55HS-T ヘッドセット(タン)
LINE6 (ライン6) / XD-V35 ハンドヘルド
高品位なサウンドはそのままに、必要な機能を凝縮したエントリーモデル。シンプルで扱いやすい操作性と、高品質なサウンドが人気のデジタルワイヤレスシステム。独自のデジタル・テクノロジーを搭載し、10~20,000Hzの周波数特性と最大118dBの広いダイナミックレンジを実現。最大6システムまでの同時使用が可能。
【同シリーズ品】
LINE6 (ライン6) / XD-V35L ラベリア
◎最後に
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。皆さんのワイヤレスマイク選びのお役に立てればと思い書いてみました。いかがでしたか?ぜひ実際に手にとって、お試しいただければと思います。では、またの機会にお会いしましょう。