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少し変わったポテンショメータの使い方

2025-07-01

Theme:Guitars

こんにちは。
先日、仕事帰りにスーパーで買い物をしていてどうしても甘いものが食べたくなってしまい、買う予定ではなかったはずのお菓子を購入。帰宅中にどうしても食べたい気持ちを抑えきれず1箱2パック入りのお菓子の1パックだけ食べてしまいました。帰宅後にもう1パックを食べようとしたら箱の中に2パック分のゴミが入っていた者です。
いつの間にか無意識に1箱まるまる食べていたんです。そんなことある?と思い何度記憶を辿っても1パックしか食べてないんです。気がついた時はやってしまったと思ったのですが、しかしこれは考え方によっては無意識の境地なのでは?仕事帰りのもうろうとする意識の最中、脳が覚醒し、人生初のZONEというものを体験しちゃいました。

さて、今回はタイトルで少し変わったポテンショメータの使い方と銘打っているのですが、いったいどのような使い方をするのか?
結論から申し上げますとハムバッカーピックアップのタップ配線です。
それだけ聞くと「なんだ、タップかよ!!」とお思いの方も多いと思います。
しかし、今回は基本的にはミニスイッチやスイッチポットで行うことの多いタップ配線を、普通のポテンショメータでやってみようというものです。
この配線は規制品のエレキギターではあまり見かけない仕様ですし、個人でやられている方も少ないと思いますので、一風変わった改造をやってみたいという方にはうってつけの配線となっております。
また、今回ご紹介する配線方法ではミニスイッチを増設する際に必要なボディやピックガードへの加工もほとんどの場合、行わなくて済みますし、比較的高価なスイッチポットも購入せずに済むのでお財布にも優しい改造となっております。
ここまで読むと少し興味が湧いてきませんか?
それではさっそく配線の方を、といきたいのですが、タップ配線をご存じない方もいらっしゃるかと思います。まずはタップ配線について軽く説明してから本題に入っていこうと思います。

◯ ハムバッカーピックアップにおけるタップ配線

そもそもタップの配線は一体どういうものなのか?
いったん図を見ていただきましょう。

基本的にはこのような形になっていまして、シリーズ配線で繋がっているPU1のコールドとPU2のホットがスイッチを介する形でグランドに落ちるようになっています。
これによりスイッチを動かした時に、ホットが繋がっているPU1の信号だけが出力されるというわけなんです。
要は、ハムバッカーだけどシングルコイルっぽい音も出せますよといった配線ですね。
他にもさまざまな方法でタップ配線を行うことができますが、図の方法が一般的かなと思います。
もちろん配線の方法次第でPU2のみを出力させることも可能ですし、複数のピックアップが搭載されているギターではコイルの選択や組み合わせによってハムキャンセルでノイズを減らしたりフェイズさせることも可能だったりと、配線の方法によっていろいろなことができる配線となっております。
少し前までは少々お高いモデルについている機能という印象でしたが、近年では初心者モデルなどでも搭載されていたりと結構ポピュラーなものになった印象ですね。

◯ ポテンショメータを使用したタップ配線

では、ここからが本題です。
どうやってポテンショメータでピックアップのタップを行うのか?
下の図をご覧下さい。

回路図で表すとこんな感じです。

要は片方のコイルの信号をグランドに落とせば良いだけなので、ポテンショメータをボリュームとして使うときのように、1番端子をグランドに落として2番端子にハムバッカーのPU1のコールドとPU2のホットを配線します。
この状態でポテンショメータのノブを回すと片方のコイルの信号が徐々にグランドに落ちて行き、最終的にはタップと同じ状態となるというわけです。
この配線のメリットとしては2つありまして、1つは信号が徐々に落ちてタップになるというものです。
ピックアップが完全なタップになるまでの間の音が出せるようになりますので、スイッチでTapするより音作りの幅が広がります。
もう1つは先に述べましたが、スイッチ用の穴を増設しないでタップ配線ができるという点です。
PGやボディにスイッチ用の穴を直接あけるのにはどうしても抵抗がありますよね。
そんな方でも手軽にタップ配線が行えます。
デメリットとしては、どうしてもトーンとして機能しているポテンショメータを配線し直す必要があるので、1vo1toneみたいな配線ですとトーン機能が使えなくなります。
ですので、ストラトキャスターやレスポールなど複数トーンがついているギターでトーン機能を1つにまとめて残りのポテンショメータで行うのが個人的にはオススメです。
ちなみに参考程度に実際に配線するとこんな感じです。

今回はピックアップの配線材の長さの都合上延長しておりますが、ご覧のとおり1番端子をグランドに落としたポテンショメータの2番端子にタップに使用する配線材を入れるだけのとっても簡単な配線です。


いかがだったでしょうか?
今回ご紹介した配線は個人的に結構面白い配線だと思いますので、興味がある方はぜひやってみてくださいね。
ここまでブログを読んでいただきありがとうございます。
また次のブログも読んでいただけたら嬉しいです。
それではまたサウンドハウススタッフブログで会いましょう。
さようなら。

keisuke noda

20歳でギタークラフトの専門学校に入学、卒業後は国内楽器メーカーに入社、国内のギター製造工場で組込み部として知識と腕を磨きました。ギター工場退社後は音楽関係とは異なる職に就きながらもミュージックスクールのサポートとして演奏や音響機器の取り扱い、イベントの設営などを行い積極的に音楽にかかわってきました。サウンドハウスでは主に出荷時の検品やピックアップ、ギター本体の配線、ネック周りの修理サポートも行っています。

 
 
 

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