皆さんは「国立国会図書館」をご存じでしょうか?
名前はなんとなく聞いたことがあるという方もいらっしゃると思います。
国立国会図書館は、国会議事堂のある東京・永田町に位置する国立の図書館で、日本国内で出版されたほぼすべての出版物を収集・保存しています。
先日、ちょっとした調べ物のために初めてこの図書館を利用したのですが、使い方によってはミュージシャンや音楽好きの方にとって最強の情報収集の場になるのでは?と思い、この記事を書かせていただきました。
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!

音楽関係の出版物はほぼすべて所蔵
先ほど、日本国内で出版された出版物のほとんどを収集・保存していると紹介しましたが、音楽関係の資料も例外ではありません。
音楽に関する文献や雑誌、音楽ビジネス関連の書籍、楽譜など…。
真面目な学術書があるのは当然として、音楽雑誌やバンドスコアなども閲覧・複写可能なのは、意外と知られていないかもしれません。
ギタリストにはおなじみの定番雑誌はもちろん、バンドスコアも借りることができるんです!
※一部の資料は「調査研究を目的とする場合」に限り利用可能です。
CDやDVDも視聴可能
借りられるのは書籍だけではありません。
CDやDVDの視聴も可能です。
一般的な図書館でも音楽CDの貸し出しはありますが、国立国会図書館は日本最大級。
「え、こんなものまで!?」と思うような資料もあります(笑)
たとえば、ドリーム・シアターのライブDVDやMR.BIGのアルバムCDなども揃っています。
国会図書館の視聴室でドリーム・シアターを楽しむのは、なかなかシュールな光景かもしれません(笑)
ただし、持ち込み機材を使用しての視聴は不可。
愛用のヘッドホンやCDプレイヤーは使えませんので、音質にこだわる方には少し残念かもしれません。
複写(コピー)ができる
一部を除いて、借りた書籍は有料で複写(コピー)することが可能です。
たとえば、ギター雑誌の特集ページやスコア部分の複写を依頼することもできます。
すでに絶版になって入手困難なバンドスコアなどもあるため、コピーバンドをしている方にはとても便利なサービスです。
国会図書館を利用するには?
1. 利用者登録
まずは利用者登録が必要です。
満18歳以上であれば誰でも登録可能です。
直接来館しても登録できますが、オンラインでの申し込みが便利です。
申し込みから2~3日ほどで登録が完了します。
利用者登録をすると一部のサービスは利用できますが、**ほとんどの資料の閲覧・貸出には「本登録」**が必要になります。
2. 本登録
本登録には
- 直接来館してその場で登録
- 郵送やオンラインによる申請
のいずれかの方法があります。
直接来館すれば即日で本登録が完了し、その日から資料の閲覧や貸出が可能です(郵送・オンラインは数日かかります)。
私は日曜日の混雑している時間に行きましたが、30分ほどで登録が完了しました。
3. 登録完了後
本登録が完了すると、利用者カードが発行されます。

このカードを使って入退館や資料の貸出・返却、館内の電子端末の使用などができます。
利用時に気をつけたいポイント
1. 大きなカバンや中身が見えないバッグは持ち込み不可
館外への資料の持ち出しを防ぐため、大きなカバンや中が見えないバッグの持ち込みは禁止されています。
入口近くにコインロッカーがあるので、荷物を預けましょう。
貴重品や筆記用具などは透明の手提げ袋に入れて持ち込むスタイルです。
※透明の手提げ袋は貸し出してくれます。
2. 館内や周辺にコンビニ・自販機がない
館内およびその周辺にはコンビニや自動販売機がほぼありません。
飲み物や軽食は事前に用意しておくか、館内の食堂を利用しましょう。
また、飲食は決められたエリアのみ可能です。
3. 資料によって行動が制限されることも
私はギター雑誌を5冊借りましたが、そのうち3冊は本館、残り2冊は新館での閲覧となりました。
さらに新館の2冊については指定場所での閲覧限定だったため、返却までその場所から離れられません(トイレなど一時的な外出は可能だと思います)。
食堂での食事中は、資料の持ち込みは禁止されており、返却するかコインロッカーに預ける必要があります。
4. 一部資料は調査研究目的のみ利用可能
一部の資料は、調査研究など明確な目的がある場合に限り利用可能です。
音楽関連資料でこの制限がかかることはあまりありませんが、過激な描写のある資料などは慎重に扱われているため、興味本位での閲覧はできません。
国立国会図書館サーチについて
国立国会図書館では、所蔵資料を検索・閲覧できる「国立国会図書館サーチ」というサービスを提供しています。
図書館の利用者登録をしておけば、
- 資料の事前予約
- 複写物の郵送依頼
など、さらに便利なサービスも利用可能です。
自分の掲載書籍を探してみた!
昨年(2024年)、ご縁があって小林信一さんの教則本「地獄のメカニカルトレーニング」シリーズの20周年記念本に参加させていただきました。(最終課題曲のBa RecとDrプログラミングで参加してます)
Rittor Music | ギター・マガジン 地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ 20年のお呪い!コンプラ遵守のスパルタ・ベスト編
この本を試しに国会図書館サーチで検索してみたところ……

無事に確認が取れました!
自分の名前が載った本が国会図書館に所蔵される日が来るとは……感慨深いですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「国会図書館」と聞くと少しかたいイメージがあるかもしれませんが、誰でも気軽に利用できる場所です。
ネットで簡単に情報が手に入る時代だからこそ、紙の本や雑誌を通して過去の音楽文化を深掘りする体験には、また違った価値があります。
今年の夏は、国会図書館を活用して、よりディープな音楽ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら