こんにちは!
“ギタリスト専門整体師”のフジオカタクトと申します。
いつもご覧くださりありがとうございます。
今日はタイトル通り、ギターがないときにでもできる運指の練習を考えて聞きたいと思います。
というのも、私事ではあるのですが、先日第一子が産まれまして妻の実家で過ごしています。そうすると手元にギターがありませんので練習ができないのであります。
僕のような場合に限らず、例えば仕事や出張で手元にギターがなくてしばらく練習できない場合なんていうのは意外とあるのではないでしょうか。
久しぶりにギターを弾くと手元の感覚が狂ってしまい、指が思うように動かなくなる経験をされた方は少なからずいらっしゃるかと思います。
一番良いのはギターを弾くことなのは分かっていますが、どうしても弾ける環境がない場合にできる練習を今一度考えていきます。
今回は自由に動かしにくい小指と薬指にフォーカスを当てていきますので、一緒にトライしてみてください。
・なぜ小指や薬指は他の指よりも動かしにくいのか?
運指練習をしていく前に、なぜ小指や薬指は他の指よりも動かしにくいのか?ということを考えてみたいと思います。
よく言われている理由は“指と指の間は腱で繋がっており他の指の動きに釣られて動いてしまう”ということです。腱とは、筋肉と骨を繋いでいる組織であり、筋肉が働き収縮すると腱が引っ張られて骨が動き、関節が動きます。この腱が指の間で繋がっているため、例えば中指を動かそうとすると薬指がつられて動いてしまう、と考えられています。昔聞いた話ですが、ピアニストの方で運指をスムーズにするためにこの腱を手術で切ってしまう、なんてこともあるそうです。

水色の部分が腱です。掌側、手の甲側にも腱があり、横向きにつながっているのがわかるかと思います。
しかし、理由は腱ではありません。もうひとつの理由は“脳”にあると考えられています。
指にはそれぞれ独立した筋肉がついており、脳にもそれぞれの指を動かすため指令を出す領域があります。しかし脳は必ずしも的確な信号を出せるわけではないのです。なので、薬指を動かそうとしたときに、中指と薬指を同時に動かす信号が出てしまうことも多いにあるということです。
また1本の指だけを動かすよりも、複数の指を同時に動かす方が、活動する脳の神経細胞の数が"少ない"というふうに言われています。指を1本だけ動かすより2本同時に動かす方が、多くの信号が必要だと思うのですが、必ずしもそうでないのです。不思議ですよね。これは何故かというと「指を1本だけを動かすには、他の指が動かないように止めなければならないので、その分さらに脳からの指令が必要になる」と考えることができます。つまり人間の脳は「1つの脳細胞が1本の指を動かす」という仕組みにはなっていないので、1本だけ指を動かそうとする方が脳は大変だということなのです。
ではどうすれば指を1本だけ動かすようになれるのでしょうか?
指を動かしている脳の働きを調べた研究によると、人差し指を動かすよりも小指や薬指を動かした方がより多くの脳神経が働いていたということがわかっています。また指を動かす練習をすれば指を動かすために必要な神経細胞の数は少なくなっていくとも言われています。つまり、単純な話で小指や薬指を使う頻度を増やしたり動かす回数を増やせば、次第に独立して動かすことができるようになってくるというわけです。言い換えれば、“慣れるまで動かす練習をする”というのがなんだかんだ近道になるということです。
・ギターがなくてもできる小指、薬指の運指練習方法
前置きの方がかなり長くなりましたが、では実際にギターがなくてもできる小指、薬指の運指練習の方法を考えていきましょう。
上記したように、“他の指が動かないように固定しながら1本ずつ指を動かす”ことにより、働く神経細胞は多く、脳みそ的には大変な動作になります。そのような動きを反復し行うことで少ない神経細胞で動作ができるように練習していきます。
・人差し指・中指をテーブルの上や膝の上などに付けて固定します。この2本の指で押弦しているイメージを持ってください。小指・薬指は浮かせておきます。

・小指・薬指を1本ずつ交互に押弦するイメージでテーブルにつけ、動かしていきます。
薬指を動かすときは小指は浮かせておき、小指を動かすときは薬指は浮かせた状態にしておきます。これを反復しておこなっていきます。

いかがでしょうか!
体の仕組みを理解しておけば単純な指を動かす練習もれっきとした運指練習になります。
小指・薬指の運指が苦手な方はぜひトライしてみてください!
それではまたー!
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