日本の伝統的な木管楽器「篠笛」は、篠竹(しのだけ)という竹で作られています。内部に漆が塗られているため、演奏後のメンテナンスが必要になります。今回は、篠笛のお手入れ方法について紹介したいと思います。

~演奏後のお手入れ~
篠笛の内部に塗られた漆を長持ちさせるために、演奏後は必ず、露切(つゆきり、つゆとおしとも言います)を使って管内に付いた水分をふき取ります。
蝴蝶宝 (コチョウホウ) / しの笛露切 瓢箪型
露切の使い方
1.歌口に錘をゆっくり通します。

2.内部に錘を通して布をくぐらせます。

3.管尻から錘が出てきたら、紐を引っ張って布を引き抜きます。

4.完了

~定期的なお手入れ~
篠笛は、管内にホコリが溜まってしまうと音の響きが悪くなるため、柔らかい布や綿棒などを使って、指穴と管内のホコリを拭き取ってください。
毎日、篠笛を演奏する方は、竹の表面を拭いたりする必要はありませんが、オリーブオイルやクルミ油などを塗ると保湿効果が生まれ、竹が割れるリスクが軽減されます。

~笛の保管方法~
篠笛は、ほとんどの場合、管に籐が巻かれているため、尺八ほど割れやすくはないと言われていますが、長期間吹かない場合は、ビニール袋などに入れて保管することをおすすめします。また、桐箱や箪笥など、温湿度変化が少ない場所に保管するのも良いと思います。直射日光やエアコンが直接当たるような場所に置かないように注意してください。
~水で洗っても大丈夫?~
お風呂で吹いたり、水洗いしている方も時々いますが、おすすめできません。笛を濡らしただけで急に割れてしまうことはありませんが、竹は乾く際に膨張して割れてしまうことがあります。もし濡れてしまった場合でも決してドライヤーを当てたりはせず、直射日光が当たらない涼しい場所で、ゆっくり時間をかけて竹の水分を抜いてください。