今回はSUPRO復活の初期モデルの一つであるS6420+ Thunderbolt Plusの出音について、細かな検証をしていきます。ポイントは下記2点。
1.W数切替によるサウンドの変化
2.ギター側のピックアップによるサウンドの変化

このThunderbolt Plusは35W、45W、60Wの出力切替が可能な為、ボリュームを上げていった際の歪み量、コンプ感がどのように変化していくか、まずはシングルピックアップのギターで各W数でチェックしていきます。
1.W数切替によるサウンドの変化
まずクラスAの35W、VOL9時。単音、ローコードともに歪まない!10時、とにかくどこまでもクリーンなサウンド。少しでもドライブしてくれればコメントしやすいのに。。。と思いつつ12時過ぎまで上げたところでわずかに歪みが混じってくれているか程度。そこからクラスAB 45W、60Wに切り替えてチェック。ご存じの方は多いと思いますが、ボリュームが倍になるということはありませんのでご注意を。まず感じるのはコンプ感が減少し、スムーズで透明感が上がったようなイメージです。体感的に感じるのは音のブレがないというか、スコーンと音が抜けてきます。ただ一つ一つの出音がもつ存在感はクラスAの方があります。歌モノのバックならクラスAB、ギターメインのバンドならクラスAと切り替えて使うのが面白いかもしれません。

2.ギター側のピックアップによるサウンドの変化
次はハムバッカーピックアップを搭載したギターでチェックしてみます。シングルピックアップ時と同様、VOL9時から。やっぱりクリーン!やわらかい音が気持ちいい!と思いつつ10時。この時点でナチュラル・オーバードライブ発生!といっても強くコードを鳴らしてクランチ程度です。そのまま12時へ。歪み量はわずかに上がりましたが、まだ音量も上がりました。この変化はクラスA、クラスAB共に同じ。バンド内で試したわけではありませんが、このサウンドキャラクターと音量であれば生ドラムにもかき消されることはないでしょう。ギター側のボリューム・コントロールへの追従もよく、クリーン~オーバードライブをリニアに調整可能です。前回ご紹介したSUPRO/DRIVEの様な、良質なオーバードライブが一つあるとサウンドの幅が大きく広がることでしょう。
とにかく歪みにくく、高い音圧感で迫ってくる芯のある極太サウンド。低音が出ているということではなく、ギターが持っているキャラクターを最大限まで引き出しつつ、気持ち良く増幅してくれている感じ。ギター側のコントロールによって、不思議なほど多彩な音が作れるのが魅力のアンプでした。