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Back to MONO! モノラル・レコードを楽しもう! 第5回 追悼 チャーリー・ワッツ

2021-09-14

Theme:PA

チャーリー・ワッツのエナジー溢れるドラミングをモノラル盤で

チャーリー・ワッツ。ザ・ローリング・ストーンズのドラマーとして、ロック・シーンにおいて長きにわたり、独特のスタイルのドラミングでストーンズ・ファンを転がしてきた、説明不要の偉大なるドラマーです。
ジャズをルーツとしたチャーリーのプレイが、ストーンズ・サウンドの核となる存在だったからこそ、いつの時代においてもストーンズらしさを維持したまま様々な音楽シーンに対峙できたのではないかと、作品を聴いてそう感じます。

そしてモノラル・レコードをご紹介するこのブログシリーズ。今回は予定を変更し、先日亡くなられたチャーリー・ワッツのご冥福をお祈りするべく、彼のドラミングが楽しめる曲を1960年代製造のモノラル盤にて5曲程味わいたいと思います。

1960年代当時のイリギスやアメリカでは、ビートルズをはじめ多くのタイトルでモノラル盤とステレオ盤、二つのフォーマットでリリースされていました。シングル・レコードも60年代終わりごろまで多くのタイトルがモノラルで出ていました。60年代中盤まではモノラル・レコードがマーケットとしては主流でした。ステレオ盤が主流となった現在も、モノラルサウンドに魅了されるレコードファンの方は多くいるようです。 私は、ストーンズ・フリークではないので、彼らのモノラル・レコードの全てを持っているわけではないのですが、奇しくもチャーリー・ワッツが亡くなったその日、レコード店にて60年代にリリースされたストーンズのベスト盤LP "Big Hits (High Tide and Green Grass)" のアメリカ製モノラル・レコードを発見。購入する際、レジで店員の方が「今日、チャーリー・ワッツが亡くなっちゃいましたねぇ」と教えてくださいました。

今回、購入したLPレコードと、以前から持っていたいくつかのモノラル・レコードから、チャーリー・ワッツのドラミングが楽しめるモノ・ミックス曲をご紹介いたします。
選曲は私のコレクションからのみなので、他にももっとすごいモノラル・バージョンの曲を知っている方も多いかと思います。またこれから書くモノラル盤の印象につきましては、あくまでも一般的なオーディオ・システムで聴いた私の主観であり、再生環境によっても変わってくる場合があるとは思います。その点を差し引いても、本ブログがストーンズやロックのモノラル・レコードを聴きたいと思うきっかけにでもなりましたら、私としては実に幸いでございます。

今回聴いたレコードはどれも新品のアルバムCDよりも安価で手に入れています。特にストーンズのシングルは当時製造されたいわゆるオリジナル盤とは言え、大ヒットしているものが多く、その分数も出回っているため、モノラル・レコードのスタートとして実におすすめです。

1、(I Can't Get No) Satisfaction

言わずと知れた大ヒット曲ですが、モノラル・ミックスは先述の "Big Hits...!" で初めて聴きました。まず、アコースティック・ギターが大きめに響く感じが印象的です。ミックのボーカルには、これまでとてもクールなカッコよさを感じていましたが、モノラル盤で聴くとより粗い側面が強調されています。
チャーリーのドラムの音はステレオ盤のレコードと聴き比べると、とにかく低音寄りで重たいサウンド。「サティスファクション」のステレオバージョンがルーツ・オブ・パンクなら、モノラル・バージョンはルーツ・オブ・ハード・ロックという印象というのは言い過ぎでしょうか。
こうやってアメリカで発売された当時の古いモノラル・レコードで聴いていると、ローリング・ストーンズは、当時ブリティッシュ・イノベーションと呼ばれたイギリスの若手バンドの中でもひときわ異彩を放っていた存在だったのではと想像します。

2、Get Off Of My Cloud

この曲も今回初めて先ほどと同じモノラル・レコードで鑑賞しました。ステレオと比べてベースとバスドラの音圧が凄まじく、低音域でトリップしそうな印象です。その分ダカダカとチャーリーのあの定番のオカズ(敢えてそう言わせていただきますW)が歌っている様に響きます。また同時にボーカルの粗さ、手拍子のルーズさも相まって、もうまさにワルのロック・ワールドです。昭和のロック・コンサートにいた怖いお兄さんたちを思い出してしまいました。60年代当時はビートルズとよく比較されていたというローリング・ストーンズ。情報も豊富な今の耳で聴きますと、イギリスでストーンズ以上の不良と言われていたロック・グループ、プリティ・シングスを思い出させる音でした。昔、ロックは本当に怖い音楽だったのですね。

3、Paint It, Black

シタール入りのカラフルなポップ・ナンバーとして人気の曲ですが、モノラルで聴くとガラリと代わり、ミック・ジャガーの歌声がより黒魔術的に襲い掛かるぐらい近くで響きます。印象的なイントロの後、いきなり入るチャーリー・ワッツのドラムの音がズシンズシンと強烈で、シタール以上のインパクトを感じます。初めてモノラル盤で聴いたとき、とにかくこのドラムエナジーに圧倒されたことをよく覚えております。ステレオ盤で聴いていたときはサイケデリックポップ前夜な印象でしたが、改めてモノラル盤で聴いてみますと、これもハード・ロック前夜な佇まいで、ストーンズが後に70年代においてもトップグループとしての座を守り続けてきたのも納得です。

4、She's A Rainbow

日本でもCMでお馴染みのピアノ・イントロと、後にレッド・ツェッペリンで活躍するジョン・ポール・ジョーンズのアレンジによる優雅で流麗なストリングの響きが印象的なポップ・ナンバー。まずニッキー・ホプキンスによるピアノ。私はピアノを弾かないので憶測でしかないですが、タッチのアクセントがクラシカルなものでなく、ロック・ピアニストによるタッチなのかなと感じた次第でした。この雑味(といったら失礼でしょうか)が実にいい塩梅で、さらに歌が始まるとモノラル・レコード特有の低音ベースとチャーリーの轟音ドラムが絡み、実にロックな佇まいです。ミックのボーカルもワイルドに響くので、それまで私が抱いていた大胆なイメージ・チェンジの曲という印象は消え、これもストーンズらしい不良なロックナンバーだという認識に変化した事を思い出しました。ステレオで聴いていた頃、最後に鳴り響く不協和に違和感を覚えたものでしたが、モノラル・レコードのサウンドで聴くと必然的なエンディングだったのではとすら思えてきたのでした。

5、2000 Light Years From Home

ステレオでは左右に異なるピアノの不協和音が現れ、歌が始まると左がミックの歌声、右にメロトロンの音で分かれており、スペーシーなサイケデリックサウンドが楽しめます。ところがモノラル盤は同じ方向(センター)から迫ってくるため、襲い掛かるピアノの不協和音から逃げ場のない空間に彷徨いこみます。歌とメロトロンが団子状なので、歌の世界にある孤独感がより悲痛なメッセージとして迫ってくる印象です。パーカションも少し大き目に響くところは、当時のロンドンのクラブでシングル盤がかかる事を意識しているのでしょうか。チャーリーのドラムもトランシーですが、タッタというオカズ(敢えてそう言わせていただきますW)が入る迫力はモノラル・レコードならではと思います。

さて、他にもチャーリーのドラムの凄さが堪能できるモノラルのレコードは沢山あると思います。調べてみますと60年代後半の名作 "Beggars Banquet” や "Let It Bleed" にもモノラル・レコードが存在するという事でしたので、いつか聴ける機会があったらこのブログでご紹介いたします。
それではまた、Back To Mono!

今回再生に使用したモノラル・カートリッジ

audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT-MONO3/LP モノラルカートリッジ

MCカートリッジながら出力が高めのためMC仕様のプレーヤーやオーディオ環境でも再生できる、モノラル・レコードをお手軽に楽しめる名カードリッジです。

Ichihara

45歳にしてオヤジバンドにベーシストとして参加。バンドでサウンド・ハウスの存在を知りその勢いで入社。 趣味は英国ロックのレコードコレクション。ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイとP.I.L.を愛する永遠の29歳。

audio technica / AT-MONO3/LP monaural cartridge

audio technica

AT-MONO3/LP monaural cartridge

¥15,800(incl. tax)

MC cartridge, record needle, monaural, for LP

ブログ有り

 

完売しました
 
 
 

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