時折、音が出なくなったという症状で修理の依頼があるAKGのKシリーズ。内部の配線が断線しているだけという場合がよくあるのでご紹介します。
AKG / K701
今回はK701。音が出たり出なかったりするという症状は、直ぐに確認できたので、早速ハウジング内部を見ていきましょう。
開ける方法は簡単です。グリル網の隙間をピンセット等で挟みこみ、反時計回しに回すだけです。
3箇所の爪で引っ掛けてあり、少し堅いのでコツは要りますが、グリルを傷つけないように慎重に行います。
稀に堅くてビクともしない個体に遭遇しますが、爪の部分に潤滑油等を少しつけて、なじませてからやってみると簡単に外れる事が多いです。
さて、内部の配線はと言うと、左側ドライバーへ 2 本と右側ドライバーへ 2 本の合計4 本あります。これらの配線の半田付け箇所で断線しているという事が多いのですが、今回は半田箇所には問題は見られません。ですが、よく見ると白い配線の被膜にダメージがありました。
導通は取れるので完全に切れているわけではなさそうです。分解したまま音を入力し、配線やドライバーの端子など怪しい部分を動かしたりしてチェックしましたが、問題ありませんでした。ドライバー自体も異常ありません。
おそらく配線の被膜ダメージから察するに、カバーに挟まって短絡していたのでしょう。配線の長さに余裕はあったので、ダメージのある先端を切り落として再接続。ゆすっても配線を動かしても全く問題ありません。しばらくランニングして今回は完了となりました。