普段レッスンで使用しているギターに「音が出なくなる」というトラブルが発生しました。
シールドを動かすと音が出たり途切れたりするため、ジャック周りの不良を疑って調べてみたところ、やはり原因はジャックでした。

このギターには一般的なジャックが搭載されていますが、こうしたタイプは経年劣化による金具の緩みで接点不良を起こしやすいという欠点があります。
もちろん同じ形状のジャックに交換するのも一つの方法ですが、せっかくなら同じトラブルを繰り返したくありません。そこで今回は、より信頼性の高いジャックを用意しました。
それが Pure Tone Jack PTT1 です。
Pure Tone Jack ( ピュアトーンジャック ) / PTT1

このジャックは通常のジャックとは異なり、4接点構造でケーブルをしっかりホールドします。
そのためガタつきが減り、接点不良のリスクも大幅に軽減されます。

ジャックはエレキギターやベースの中でもトラブルが起きやすいパーツです。
今回は、ギターいじり初心者でもわかりやすい手順でジャック交換の方法を解説します。
1. ジャック交換に必要な道具

- はんだ
MONTREUX ( モントルー ) / Kester 44 1.5m [1475] - はんだ吸い取り線
SolidBond ( ソリッドボンド ) / goot はんだ吸取線 CP-2515 - はんだごて
SolidBond ( ソリッドボンド ) / SB-S1 はんだごて - ニッパー
SolidBond ( ソリッドボンド ) / TSUNODA パワー強力ニッパー PCN-125TG - ワイヤーストリッパー
- はんだごてスタンド
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / SLD Stand
これらが揃っていれば、ジャック交換だけでなくピックアップ交換や配線作業にも活用できるので便利です。
2. ジャックをギター本体から外す

このギターは舟形プレートにジャックが付いているので、まずプレートを外します。
プレートを外すと配線が見えてきます。

初心者の方は、この時点で写真を撮っておくのがオススメです。どの線がどこにつながっていたかを記録しておけば、作業の際に迷いません。
今回は手早く作業するため、はんだごてを使わずニッパーで配線をカットしました。
ジャック自体はプレートに六角ボルトで固定されているので、六角レンチで外せばOKです。
3. 新しいジャックをプレートに取り付ける

新しいジャックをプレートにセットします。
先に配線を済ませても構いませんが、今回はプレートに仮固定したほうが作業しやすかったため、この順にしました。
向きを微調整する可能性があるので、最初は仮締めにしておくのが無難です。
4. 配線作業の準備

ワイヤーストリッパーで被覆を剥くと、細かい銀色の線が束になっています。これを解いて捻りまとめます。

これがアース線です。
一方、白い線はホット線なので、こちらも同様に被覆を剥きます。
それぞれの線に予備ハンダを行いましょう。
予備ハンダをしておくと、配線のハンダ付けがやりやすくなります。
5. 新しいジャックに配線をつなぐ
配線をつなぐ前に、ジャックの端子位置を確認します。
PTT1では、ホットとアースの位置が画像の通りです。

逆につないでも音が出ないだけなので、落ち着いてつなぎ直せば問題ありません。
端子にも予備ハンダをしておくと安心ですが、PTT1ははんだが乗りやすいため、今回は省略しました。
手順は以下の通りです:
- 端子にハンダごてを当て、しっかり温める
- 温まったらハンダを流し込む
- 適量を流したらハンダを離し、その後にハンダごても外す

プロのように美しい仕上がりではなくても、配線が確実についていれば問題なしです。
やり直す場合は、はんだ吸い取り線を使って余分なハンダを取り除きましょう。
6. 音出しチェック
配線作業が完了したら、シールドを接続しアンプに繋いで音が出るか確認します。
もし音が出なければ、ホットとアースを逆につないでいる可能性があるので、もう一度チェックしてみてください。
音が正常に出ることを確認したら、配線に気をつけながらジャックを本締めし、プレートをギター本体に戻せば作業完了です。
まとめ
今回は Pure Tone Jack PTT1 を使ったジャック交換の手順を紹介しました。
一般的なジャックに比べ、PTT1は 4接点構造で安定性が高く、接点不良が起きにくい ため、ライブやレコーディングなど実用シーンでも安心して使えるのが魅力です。
作業自体は、
- 道具を揃える
- 古いジャックを外す
- 新しいジャックを取り付ける
- 配線を準備してはんだ付け
- 音出しチェック
という流れで進めれば初心者でも挑戦できます。
はんだ付けや配線作業は慣れが必要ですが、一度やってみればギターやベースのメンテナンスに自信が持てるようになります。
自分で直して愛用の楽器を長く使うのも楽器ライフの醍醐味ですね。
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