
サウンドハウスがプロデュースするPAブランド「CLASSIC PRO 」から待望の新製品、ソニックエンハンサー「PEH2」が登場しました!
CLASSIC PRO/PEH2は、音源本来の美しさと臨場感を向上させる2 チャンネル・シグナルプロセッサーです。音の明瞭度を改善し、低音域の量感や力強さをコントロールできるため、ミックス全体に圧倒的な深みとパンチのあるサウンドを提供します。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / PEH2 ソニックエンハンサー
では、さっそく実機を見ていきましょう!!
見た目は、とてもシンプル。
2チャンネル構成で、各チャンネルに次のコントロールを搭載しています。
- LO CONTOUR: 位相補正された低音域の量を調節
- ENHANCE: 位相補正された高音域の量を調節
- レベルメーター: 出力レベルを信号レベルを表示

基本的な操作方法は、次の通りです。
- LO CONTOURとENHANCEを最小にする
- IN/OUTスイッチを「IN」にして、PEH2のエフェクトをオンにする
- ENHANCEを少しずつ上げ、ボーカルやスネアなどの輪郭を確認する
- LO CONTOURを少しずつ上げ、キックやベースの量感を調整する
簡単にいえば、音を聴きながらツマミをゆっくり回し、最も気持ちよく聴こえるポイントに設定するだけです。
ただ、この「位相補正された」という部分が気になる方も多いのではないかと思います。
一般的なイコライザーと何が違うのでしょうか。
PEH2の「LO CONTOUR」と「ENHANCE」は、単に低音と高音の音量を変える2バンドEQとは異なります。
低域と高域のレベルを調整するだけでなく、周波数帯域間の位相関係に働きかけることで、音の輪郭、明瞭度、立ち上がりの印象を整えるように設計されています。
そもそも「位相」とは?
位相とは、周期的な波の位置関係を角度で表したものです。
同じ周波数の波でも、次のような違いがあります。
- 0°: 山と山が一致した状態
- 90°: 4分の1周期ずれた状態
- 180°: 山と谷が反対になった状態
音楽信号には、低域から高域まで多数の周波数成分が含まれています。これらの位相関係が変わると、周波数ごとの音量が大きく変化していなくても、音の立ち上がりや輪郭、まとまり方が違って聞こえることがあります。
例えばキックの音には、次のような成分が含まれています。
- 低域: 胴鳴りや重量感
- 中域: ビーターの芯
- 高域: ビーターが当たる瞬間のクリック音
これらの成分がバランスよくまとまると、立ち上がりの明確なキックに聞こえます。一方で、高域のアタック成分が低域に埋もれると、輪郭が丸く、ぼやけて聞こえることがあります。
PEH2は、位相補正された低域と高域の量を調整することで、このような音の輪郭やまとまりを整えます。
一般的な2バンドEQとの違い
| 項目 | 一般的な2バンドEQ | PEH2 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 低音・高音の音量調整 | 音域間の位相・時間差とレベルを補正 |
| 低域ツマミ | LOW EQ | LO CONTOUR |
| 高域ツマミ | HIGH EQ | ENHANCE |
| 処理内容 | 固定された周波数特性をブースト/カット | 位相補正された低域・高域成分の量を調整 |
| 高域処理 | 基本的に設定した特性で一定 | 入力信号に応じて処理量が変化する「プログラム依存」 |
| 聴感上の変化 | 明るさ、暗さ、低音の量など | 輪郭、立ち上がり、分離感、奥行き、低音のパンチ |
| 主用途 | 音色補正 | 明瞭度や存在感、低音の力強さの改善 |
一般的なEQが「周波数ごとのレベル調整」を主な目的としているのに対し、PEH2は「位相補正された低域・高域成分の量を調整する」という点が大きな違いです。
LOW EQとの聴感上の違い
一般的なLOW EQを上げると、低域全体の量が増えるため、設定によっては次のようになります。
- 中低域が膨らむ
- ベースとキックが重なる
- 音がこもる
LO CONTOURも低域レベルを増加させるので、上げすぎれば同様の問題は起きます。ただし、PEH2では、低域側の位相・時間差も含めて調整するため、一般的なLOW EQよりも「低音の量感」より「輪郭やパンチ」が強調されやすい傾向があります。
聴感的には、
- キックのアタックが分かりやすくなる
- ベースの芯が出る
- 低音に重量感が加わる
といった変化として感じられます。
HIGH EQとの聴感上の違い
HIGH EQを上げた場合は、主に次のような変化です。
- 高域の音量が増える
- 全体が明るくなる
- ヒスノイズや歯擦音も増えやすい
- 上げすぎると硬い、痛い音になる
ENHANCEを上げた場合は、高域の音量増加に加えて、アタックや倍音の時間的な位置関係が変わるため、次のように感じられます。
- ボーカルが明瞭になる
- スネアやパーカッションの立ち上がりが出る
- 楽器同士の分離が良く感じられる
- 音が前に出る
- 奥行きや空気感が増したように感じられる
単なる「高音が増えた」というより、「曇りが取れた」「音の輪郭が見えやすくなった」といった変化として感じられます。
なぜ位相補正で音の印象が変わるのか
楽器の音は、音程の中心となる基音だけでなく、複数の倍音や、音の立ち上がりを形づくるアタック成分によって構成されています。
例えばベースの音では、低い基音だけでなく、中高域の倍音や弦を弾いた瞬間の成分が、音程や輪郭を認識するうえで重要です。
スピーカーやフィルターを通過する過程で、これらの周波数成分の位相関係が変化すると、周波数バランスが大きく変わっていなくても、音がぼやけたり、アタックが不明瞭に感じられたりすることがあります。
PEH2は、位相補正された低域と高域の成分を加えることで、基音、倍音、アタックの聴こえ方を整え、音の明瞭度や存在感を引き出します。
難しい話が続きましたが、百聞は一聴にしかず!
ということで、今回は、PEH2の効果を確認できるデモ比較動画を3パターン用意しました。
いずれも、LO CONTOURとENHANCEを最小にした状態からスタート。最小位置では、IN/OUTを切り替えても音質や音量がほとんど変化しないことを確認したうえで、各ツマミをゆっくりと上げています。
効果の違いが分かりやすいよう、動画の途中でIN/OUTを切り替えています。
ぜひヘッドホンやスピーカーで聴き比べてみてください。
■ ロック
■ アコースティックギター
■ ビート
実機検証をしての感想
あくまで個人的な感覚ですが、どちらのコントロールも、13時付近から変化がより分かりやすくなる印象でした。
さすがに最大位置まで上げると、さすがに効果が強すぎると感じられる場面もあります。
それだけ、十分な可変幅を備えているということですね。
しかし、気持ちよく聴こえるポイントに設定したあとでIN/OUTを比較すると、その違いがはっきりと分かります。
一度この効果を体感すると、もうOUT、つまりPEH2をオフにした音には戻れないかもしれません(笑)。
なお、LO CONTOURとENHANCEを上げると、出力信号レベルも大きくなります。CLIP LEDが点灯しないよう、入力レベルと各ツマミを調整してください。
サウンドを手軽に一段階上の「カッコいい音」へと導いてくれる、ソニックエンハンサー「PEH2」。
「音は悪くないけれど、何かもう一つ物足りない」
そう感じている方に、ぜひ一度試していただきたい製品です。
とりあえずラックに1台置いておいて損はなし!
ぜひチェックしてみてください!







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