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意外に役立つアナログテスター

DIYショップやホームセンターなどで入手出来る針の触れで値を読み取るアナログテスターのお話。
テスターの使い方で一番ポピュラーだと思われる電池などの直流電圧や家庭用電源の100V交流電圧の測定には、数値を直接読み取るデジタルテスターがオートレンジ切り替え機能が備わっていたりと操作も簡単で便利です。しかし、アナログテスターも慣れれば角度で値を読み取れるようになり逆にわかりやすかったりします。さらに、意外な使い方があったりします。以下に2例ほど応用例をご紹介致しますので参考にしてみてください。


1.
ウーハーや中高域ドライバーのインピーダンス判別の目安 勿論インピーダンスは交流抵抗値で、アナログテスターで測定できるのは直流抵抗値なので正しい値ではなく、誤差も大きいので実用的とはいえません。しかし、稀にある6Ωのユニットを測定するときは分かり難いですが、4Ωか8Ω、或いは16Ωを見分けたい時に、アナログテスターで測ってみると、概ね1~2Ω程低めに表示されますが、参考にすることができます。
このときの注意点としては、測定前にテスターの基準値をゼロに合わせることは基本的な事ですが、過入力によりコイルにダメージを受けたユニットの場合、断線していたり、微妙にインピーダンスが変化し、0Ωに近い値が表示される場合があります。このような不審な値が現れるユニットは、トラブルを抱えている確率が高いため、ある程度故障判定の目安になるでしょう。
また、高域ドライバーの中には一般的なマグネットとコイル式ではない圧電型のピエゾスピーカーという、セラミックコンデンサ状の振動部を持つツィーターがあります。このピエゾスピーカーをテスターで測ると、テスト用の直流電流が流れない為、正常な状態でも∞(無限大)断線表示になります。
もう一つ、アナログテスターはデジタルテスターに比べてテスト電流がやや大きめの為、ウーハーやドライバーの状態判断としてして使えます。スピーカーターミナルにテスト棒を当てると、当てる度にポツポツと小さな音を発します。さらに(+)端子に(-)黒リード、つまり(+)電圧を与えると僅かにコーン紙が前に出る為、極性判定にも使えます。


2.
コンデンサの簡易測定 コンデンサの静電容量を調べる場合は専用の容量計が必要です。でもパワーアンプなどに装着されている大容量電解コンデンサの場合、アナログテスターの針の触れ方で、ある程度判断できます。手順としては、電圧レンジでリード間電圧を測定し、もし2~3V以上の電圧があれば、安全の為100Ω程度の抵抗素子で放電させた上で、一度端子間を短絡させた後、テスターリードを当てて、一瞬0Ω付近まで振れ、じわっと戻るまでのタイミングを調べます。容量の大きい物は、暫く0Ωを指した後、戻るまで10秒程度かかる場合もあります。
コンデンサの劣化例としては、主に容量抜け、次に短絡、断線となります。断線は針が全く振れず、短絡はいつまでも針が戻らないので判別し易いですが、容量抜けは単品では判別し難く、耐圧が異なっても構いませんので同容量の新品コンデンサを用意して比較すると区別しやすいでしょう。
注意点としては、極性によって正しく測定できない場合があるので、リード棒を当てる極性を一定にする事をお勧めします。大半のアナログテスターは(-)リード(黒棒側)に(+)電圧が現れますので、コンデンサの(+)リードに黒棒、(-)リードに赤棒を当てる事になります。ノンポーラ(バイポーラ)形の場合は無極性なのでどちらでも構いません。また、特殊な劣化例としては、ある程度の電圧が掛かった時点でリークする物が稀にあり、このような場合には、テスターの測定電圧が低い為、異常は確認出来ません。


上記2点を応用する事により、ノンパワード(パッシブ)タイプのスピーカーユニットのトラブルに見舞われた場合に、有効な対応手段の手掛りを探ったり、併せてスピーカーケーブルやシールドケーブル、あるいは電源ケーブルなどの断線やショート状態も簡単に調べる事が出来ます。もし、そういう事態になったときには試してみてはいかがでしょう。最後に、アナログテスターを使用する際は、電源コードなどの導通チェックを行う場合には、必ずACプラグをコンセントから抜く事。また、電圧が現れている測定ポイントに抵抗レンジでテスト棒を当てるとテスターが壊れる事があるので、未知の測定ポイントを測定する場合は、必ず電圧レンジで危険電圧が無いか確認する事。以上の2点にくれぐれもご注意ください。 尚、アナログ/デジタルを問わず、UPSやモバイル用インバータ、レギュレータ(エンジン発電機)の出力は、殆どの場合、電力出力波形が滑らかなカーブを描く正弦波ではなく、矩形波又は擬似正弦波という、デジタル的な角ばった波形が出力される為に、出力が100Vに設定されていても、テスターで測ると、テスター機種毎の演算回路デザインの違いにより、アナログの場合、多くは低めで60~80V程度、デジタルの場合は70~110V位までの誤表示となる事が多いので、商用電源以外の電圧測定には不適です。

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