AKG K240ST:片側音が出なくなった。確かにR-chが出ない状態だったが、着脱式の専用ケーブルの導通を調べても断線や短絡はなく、ドライバにも異常はなく、内部配線の断線もなかった。色々調べている内に不意に音が出るようになったが、専用ケーブルの本体側コネクタ付近に力を加えると時々音が途切れる症状が確認出来た。そこで今度はコネクタを中心に導通状態を調べても直ぐに回復してしまってなかなか原因が突き止めらない状態が続いたが、どうもR-chの-極に繋がるヘッドバンドの金具と信号線の半田部分が怪しい。見る限り半田は正常に付いている様で、線を引っ張っても動かない。しかし実際には樹脂と、ヘッドバンドに盛られた半田の間に線の先端に固まっている半田が融合せずに挟まっているだけと言う珍しい状態で落ち着いていた事が判明。一旦外して再半田する事により完了。
FURMAN HDS16×1、HR6×5:各部メンテナンス。親機1台+子機5台、症状はPOTのガリからリンクケーブルの接触不良まで色々だが、まとめてメンテナンス依頼となり、1個1個各部検証を行いながら磨耗や劣化パーツを特定していく地道な作業からとなった。最終的に多数のリンクジャック及びPOTの劣化が確認され、必要パーツをオーダー。しばらく待って入荷後、至急の対応となったが、両面スルーホールで特にピン数の多いリンクジャックの交換が複数あった為、見た目の割に手間の掛かる大きな作業となった。
SENNHEISER HD650:片側音が出ない。検証すると、L-chから全く音が出ない状態だった。このモデルはケーブルが着脱式なので、ケーブルの接続を左右逆にしてみると今度はR-chが出なくなった。ここでケーブル断線の疑いは無くなり、SPユニットの断線の疑いが濃厚になったので、ハウジングを外してみると、更に内部にコネクションの接点金具となるスプリングと、SPから伸びた配線のターミナルとが接触する別の接点が存在していた。そこで直に内部の配線ターミナルに信号配線を当ててみると音が鳴り出し、SPユニットの生存は確認された。最終的に内部のスプリングとターミナルの接点を磨いた所で機能が回復、無事完了となった。
SENNHEISER HD25:音が途切れる。ケーブルを動かすと、一瞬音が途切れる事があるので、ケーブルの内部断線を疑い、SPユニットからケーブルを外した状態で導通を調べると全く問題は無かった。そこで着脱式の端子部分を調べてみると、小さい黒点が確認出来た。どうもこの黒点が怪しいので、磨いてみると問題解決。この汚れが絶縁体となって接触不良を起こしていた模様。
AKG K501:音が出ない。検証すると全く音が出ないので、グリルを外してみると、内部の配線が2本とも端子部分で断線している。ユーザーが何らかのメンテナンス目的で外した時に不用意に引きちぎってしまったと思われるが、線は2本、端子は3極で、どの線がどの端子に繋がれていたかを調べるしかなかった。手がかりは端子側の破断部分とケーブル側の芯線の状態の照合だけだったが、幸いルーペで入念に観察するとほぼ特定する事が出来、接続したところ無事正常動作が得られた。
SENNHEISER HD25:R-ch音が途切れる。確かにそのような現象が確認されたが、このモデルはケーブルとユニット間が抜き差し可能なコネクタ形式になっており、L側とR側を比較した所、R側のコネクタが若干浮き上がっていた。このまま無理に押し込んで、不用意にダメージを与えてしまっては困るので、一旦抜いてオスメス両端子に異常が無いことを確認した上で、再度差し込み、やや強めに押し込むとL側と同じ位置まで入り込み、接触不良も無くなり完了となった。
FURMAN HR-6:音が出ない。ヘッドホンターミナルのみの依頼の為、マスターステーションが無いと検証出来ず、直ぐにステーションの手配が出来なかった為、パーツの実装状況を中心にチェックしたが特に異常は認められなかった。やがてステーションの手配がつき、改めて検証。当初はその様な現象は現れなかったが、リンクケーブルの付け根辺りに力を加えるとゲインが変化したので、再度リンクジャック周辺を調べてみたが特に半田割れや目立った不具合は見当らず、原因はリンクジャック内のピンの表面の劣化による接触不良が疑われた為、ジャックを交換してみると現象は現れなくなり、完了となった。
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