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タンタルコンデンサ

RODEC MX180MKIIILTD:今回の症状は時々ブツブツノイズだが、再現性が乏しくなかなか症状が現れてくれない。
フェーダー交換等のメンテナンスを重ねながら長年DJパフォーマンスを披露してきた模様で全体的に熟年感が見られるが、動作的には問題なく、充分な性能を維持出来ている。
とは言え、時々だが確かに小さなノイズの発生が確認出来たので、一通り信号経路をチェックしたが特に異常は見つからない。そのノイズ音量はマスターOUTではフェーダーに依存するが、ヘッドホン出力では各チャンネルフェーダーやヘッドホンボリュームとは無関係に一定レベルの音量で聴こえる。これはユーザーが示してくれた挙動だが、実はここに大きなヒントが潜んでいた。
・・と言う事は・・頭の中を整理して良く考えながら推理してみると、ノイズ源は、各チャンネルステージよりは後ろだがアウトプットステージよりも前、しかしヘッドホンボリュームを含むミキシング回路より後ろのヘッドホン出力アンプ?となると、2系統の別回路から同じノイズが発生するという、普通に考えれば矛盾したノイズ源となるので、もしかしたら信号回路からの発生ではなく電源回路から枝分かれして各ステージに供給されている電源ラインからの混入かも知れないと考え、先ず大元の電源コンセントの外来ノイズの影響から再検証となる。
手元の修理ベンチ周りにはノイズが漏れてきそうなデジタル機器は在るものの、今までそんな外来ノイズは感じた事が無いので考え難い。とは言えこのミキサーのノイズ源が外来ノイズである事に対して絶対的な否定は出来ないので、しばし思案した末、矩形波出力のパソコンバックアップ用UPSを用意して繋いだ後、UPSの電源プラグを抜いて強引に停電モードで動作させると、当初確認出来たノイズよりも格段に低いレベルだが、チーッと言う矩形波特有のパルスノイズが聞こえ、それはマスターOUTはフェーダーに依存し、ヘッドホン出力はボリュームに依存しないという、同じ挙動が確認出来、やはりノイズ源は信号経路ではなく電源由来である事まではほぼ確定となる。
しかしそうなると、では時々現れるノイズは一体何処から出て来るのか、本当に100V電源からなのか、それが信号経路まで入って来るのだろうか、と考えると、一瞬途方に暮れた。と言うのも、矩形波出力の電源波形は、近傍のデジタル機器の影響で少々汚れた商用電源の電源波形とは比較にならないパルスを伴う歪である筈なのに、そこから信号経路に乗って来るノイズは僅か。と言う事はこれも矛盾がある・・などと半ば枯れ掛けた判断材料を模索しながら暫く残留ノイズを試聴していると、商用電源から切り離されてバッテリーで造られた矩形波だけで動いている、言わば電源外来ノイズからは遮断された環境であるにも拘らず、時々、ブツブツ、と言うノイズが確認され、偶然に近い経緯で、商用電源からの外来ノイズではない事が判明。
しかしそうなると、ラジオノイズなのだろうか、いや流石にそれはこのノイズの性質的に考えられない。であれば残るはミキサー内部の電源モジュールそのものが問題となり、ここに来てようやく本質に迫る事が出来た。
そうなると、電源トランスがこんな不定期なノイズを発する事も考えられないので、電源PCBを交換すれば直りそうだが、年式的にそんな都合の良いパーツストックは無いので、いよいよ最終章の電源モジュールの解析となる。
プリント配線と半田状況に問題ない事を確認した上で電子パーツ群の外観をチェックしたが、特に焼けや割れなどの外観上から得られる故障の徴候は見当たらない。
基本的には正常動作しているのだからそれも当然と言えるが、今までの経緯からして、この中のどれかが悪さしている事には間違いないので、ノイズ源となり得る可能性の高いパーツから探る事になる。
ここで通念的に考えると怪しい順はトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサとなるが、トランジスタやダイオード、抵抗などが壊れると継続的な故障になり易いので、今回の様に時々現れる症状の場合で考えると、消去法でコンデンサが一番怪しいという事になり、その中でもこのモデルの電源モジュールには電解コンのほかフィルムコンやタンタルコンが使われている。そこで、年を重ねると劣化し易くなる種類で絞ると電解コンとタンタルコンとなるので、的を絞って静電容量を調べてみたが特には問題なし。となると、いよいよ最後は推測で疑ってみるしかないが、構造的に電解コンとタンタルコンでは寿命末期の症状はほぼ逆で、電解コンは内部の電解液の乾燥などに伴い容量が無くなって断線に近くなるが、タンタルコンは内部の希少金属が変質すると絶縁が保ち難くなる為か、電荷が掛るとリークし易くなったり、時には内部短絡する事例もあるので、この時点では確定は出来ないものの、原因パーツと仮定して幾つか実装されている全てのタンタルコンを一度に交換してみた。
この時、端から1個ずつ換えながら様子をみるという方法でピンポイントに絞る事は、再現性の薄い症状的に考えて時間がかかり過ぎる事と、もし読み通りであれば、現状時点では問題の無いコンデンサも寿命期に達している事になるので、一度に交換が妥当と判断。
パーツを換えた後は、元々再現性の薄い症状である事を踏まえ、長時間のランニングテストと試聴を繰り返したが、その後は一度も症状は現れず完了となり、結果から考えた原因としても残念ながら完全な推測の域を脱出出来た訳ではないが、恐らく寿命期に達したタンタルコンの1つで絶縁不全が発生し始め、それに伴い時々発生するリークが、瞬間的な内部電源ラインのパルス的なドロップアウトを招き、ノイズ源になっていたと考えると、全て辻褄が合う。

スリップ

AMERICAN AUDIO CDI500MP3:ディスクが出てこない。SWの接触不良又はシステムエラー等を想定しながら検証してみると、SWの接触やシステムの反応は良好だったが、DISKの動きが不自然であった。そこでローディング機構を調べてみると、CDを送り込む為のガイドローラーが汚れてスリップしている事が原因と判明。クリーニングして完了となった。

麦球

GEMINI CDJ15X:ディスプレイが表示しなくなった。検証すると、動作的には正常のようだが、ディスプレイに何も表示されない為、今がどういう状態なのかがわからない状態となっていた。調べてみると、ディスプレイが動作しなくなったというよりも、バックライトが点灯しなくなった為に表示が黒いままで見えなくなっている可能性が高い為、バックライトの構造を調べてみると、液晶表示パネルの下部に麦球が2個装着されており、それが断線していた。一見、液晶表示パネルの半田を外さないと電球交換出来ない様に見えたが、表示パネルのリードが比較的長い為、半田が付いたままで表示パネルを反らせて、その隙間から電球が交換可能だったため、思ったほど手間の掛かる構造ではなかった。

ローディング機構

AMERICAN AUDIO DCDPRO210:CDトレイが出てこない。確かにEJECT操作でトレイが出てこないが、モーターは動作している模様なので、トレイそのものの動作不良を疑って調べてみると、ドライブが2基ある内の1基はローディング機構のギアの一部とシャフト受けのツメの一部が破損していた。こちらはローディング機構の交換が必要となったが、もう1基の方はギアの噛み合わせがずれていただけで破損はしていなかった為ギア位置調整にて完了となった。

レギュレータIC

ADJ DBDISPLAY:電源が入らない。ACアダプタは問題なかったため、シェルを外した状態で通電状態をチェックすると、DCジャックからSWを通過してレギュレータICまでは正常電圧が確認されたが、IC以降がドロップして0Vになっていた、半田状態やパーツの状態、内部の負荷側の抵抗値を測定しても異常は無かった為、レギュレータICを外して特性をチェックすると、断線反応が現れていた為交換すると正常動作が得られたが、特に過熱や可電圧が掛かった様子も見られない為、自然断線に近い状態のIC単体の故障と思われる。

ケーブル外れ

GEMINI CDJ15X:電源は入るが動作しない。確かに電源投入時はディスプレイも普通に表示されて異常なしの様子だが、CDを装着してリッドを閉めてもCDが回り出さない。外側からはそれ以上は判断できない為、シェルを開けて内部を調べてみると、メインボードからピックアップに接続されているフラットケーブルが、ピックアップ側で外れかけていた。そのフラットケーブルの一部に粘着物質が付着していて、その粘着物質がメカのフレームの一部に接着してしまってピックアップが動作した時に抜けてしまった物と思われる。粘着物質をクリーニングした後フラットケーブルを装着して動作チェックしたところ正常動作が得られたが、この様な例は初めてであった。

内部コネクタ

GEMINI CDJ15X:CDを読み込まない。まずリッドをあけてみると、ピックアップに接続されているはずのフラットケーブルが不自然な位置に見えるので、シェルを外してみると、やはりコネクタから外れていた。普通なら外れるはずのない場所のコネクタなので、製造時に殆ど外れかけているような形で接続されていたのではないかと思われる。ともかく、この部分のコネクタを接続したところ正常動作が得られた。

長年のご愛顧

RODEC MX180MKIII:フェーダー接触不良その他メンテナンス。検証すると、chフェーダーのガリをはじめ、ノブ欠損、ピンジャック破損、ヘッドホンジャック破損、内部ねじ緩みその他ビス欠品と言う複合的内容で、本体の状態もつまみの磨耗具合から察して、相当の年月を営業使用で酷使されてきた事を物語っていた。さすがにここまでのパーツストックは置いていないので、一部取り寄せとなったが、かなりの工数が掛かったものの、全ての要交換パーツを手配出来、ほぼ完璧に蘇る事の出来るデザインはやはりスタンダード的風格を感じる。

chボード

AMERICAN AUDIO QSPANDMKII:フェーダーからガリが出る様な症状になっている。検証すると、R-chが途切れ途切れになり音が正常に出ない状態だった。Xフェーダーその他を調べたが異常はなく、そこで内部の調査に掛かったが、コネクタ関連からI/Oまで調べたが異常なし。最終的に一番作業が困難なchボード内で接触不良を起こしている事が判明。しかし主要パーツの半田状況や実装状態には問題なく、あと考えられるのは無数のチップパーツ群のどれかの素子の不良又は微細な半田クラック等が有る物と想定、しかし、ざっと見た限りその様な怪しい箇所が見あたらなかった為、ボードアッセンブリ交換が一番確実な方法となった。

コンデンサ

AMERICAN AUDIO DCDPRO1000:電源は入るがディスプレイに何も表示されず、動作しない。キャビを開けて調べてみると、メカとメカの間に位置する電源ボード上のコンデンサの天面が膨らみ、爆発防止の溝に非常に小さな亀裂が入ったため、電解液が蒸発した痕跡が確認された。そこで帯電容量を測定すると、やはり大幅な低下が見られたため、問題のコンデンサを交換。その他パーツも調べ、他には異常は無い事を確認した上で動作チェックすると、正常動作が得られたため完了となった。やはり電源回路の整流コンデンサの容量低下に伴い、内部で電圧不足を起こしていた為にコントロール回路が起動しなかった物と思われる。

フェーダー導通不良

AMERICAN AUDIO QD5MK2、ch-1フェーダーが効かない。ch-1に信号を入力してフェーダーを上げても信号が全く立ち上がってこない。Ch-2は正常で、クロスフェーダーも問題なく、フェーダー単独の接触不良の模様だった。そこでフロントパネルと、サブパネルを外して裏側からフェーダー端子の抵抗の変化を測定してみたが、やはり反応なし。しかしこのchフェーダーはストックが無い事と、クロスフェーダーの様に簡単に交換できる構造ではなく、一旦フロントのアッセンブリを全て分解しないと交換できないパーツの為、パーツオーダーして、続きはパーツ入荷後の作業となった。

半田クラック

ADJ PRO SCRATCH1:電源が入らない。大分使用感のあるセットで、電源を入れても何も反応しない状態であった。SWを入れた状態でACジャックの電極間の導通を調べると、完全にオープン状態だったが、外部にヒューズは無く、内部の電源ボード上にあったヒューズも断線しておらず、外観上から如何にも壊れている様なパーツも見当たらなかった、こうなると考えられるのは電源トランスの断線か、プリント配線の断線又は半田クラックの何れかの可能性が高い。そこでやや手間は掛かるが、電源ボードを外して半田面を調べてみると、ACインレットの半田部分にクラックを発見。該当箇所と周辺の半田部分を修正した後組み込んで動作チェックすると、幸いにして想定していた中では、一番軽い対応にて正常動作が得られた。

POT交換

RODEC MX180MKIII:POTやSWに接触不良有り。症状的には大分使い込まれており、それなりの磨耗が進んでいる為仕方ない事だが、場所的にやや交換しにくいパーツが多い為、作業が比較的大掛かりになった。要交換パーツは主に4ch分のPOTとSW。その他フェーダー少々。このモデルはフェーダーやIC交換の場合は簡単な作業で済むが、基板上のPOTやSWの交換となると、見た目以上に手間が掛かる。Ch毎にボードが分かれてモジュール状に組まれているので、一見、任意の1枚のボードだけでも容易に外せそうなのだが、実は90度に装着された背面パネルのお陰で、背面若しくは天面(パネル面)のどちらかを完全に外さないと自由が効かない構造になっていた。今回は操作系パーツの交換なので迷わず天板を外しての作業となったが、およそ3H超の作業となった。

内部コネクタ

RODEC MX180MKIIILTD:マスターを上げるとマスター出力が上がらずにモニター出力が上がる。一件不可解な内容だったが、検証してみると、マスター1出力を上げるとモニターが、モニター出力を上げるとマスターが上がる事が判明。もしかしたら単純に配線が入れ替わっている可能性有りと考えて内部を調べてみると、マスター1と2とモニターのコネクタはOUTPUTボード上の、3個とも類似した位置に縦に集まっていて、一件正常の様だが実は上下の順番が逆になっていた。この内部コネクタを差し換えただけですんなり解決となった。

調整トリム

RANE MP2016:ゲインのバランスがおかしい。検証すると、入出力回路は問題なく、L-R出力の差は無かったが、レベルメーターの振れ方のみ大きく違いが有る事が判明。そのレベルメーターの振れ具合はどのCHから入力しても同じ為、メーターそのものの感度差の模様。そこで天板を開けて内部を調べてみると、メーターが装着されているボードは他のコントロールのPOTなどと一緒に装着されたものだったが、メーター回路に関してはドライバICとLEDのみしかなさそうだし、動作はしている訳だからドライバICやLEDの特性不良と言うのも考え難いので、周辺にメーター調整トリムが無いかどうか探した所、周辺からは大分遠い位置の、マザーボード状の別の基板上にMETERと記されたトリムが有り、そのトリムの機械的位置も大きくずれていたので、ほぼそこが原因と判明。レベルメーターを見ながらトリムを微調整すると、無事問題は解決した。

デジタルエラー?

AMERICAN AUDIO PRODJ:ジーというノイズが出る。当初、GND浮きのハムノイズの類を想定してCDを再生せず無音でチェックしたり、ポーズでチェックしたりしてみたが現象は現れない。曲を再生しても特に音量や音質に異変は見られなかった。そこで更に入念にチェックした所、ごく静かなイントロを持つ曲を再生してみると、アナログレコードのスクラッチノイズ、いわゆる針音ノイズの様な、プチプチ音が不定期に発生した。そこでピックアップやメインボード等を調べ、最終的にバッファボードのデジタルエラーらしき要因がノイズ源と判明。ボード交換にて完了となった。

トルク不足

ADJ TTD2500MK2:回転ムラがある、トルクが弱い、スクラッチすると止まってしまって手を離しても回りださない。モーターそのもののトルクが極端に落ちていて、現象的にはコイル断線の様だが、導通具合を測定した処コイルも配線も断線は無い為、専用ドライブIC又は制御ICの不具合と断定。モーターアッセンブリ交換で対応した。

コントローラがベタベタ

AA VELOCITYBLACK:動作がおかしい。検証すると、先ず電源投入してコントローラ上の各部LEDの点灯具合が不安定で暗い、EJECTが効かない、CD挿入時にコントローラのディスプレイに99など異常な数字が現れる。コントロール出来ない等の不具合が確認出来た。調べている内に明るさは戻ったがCD2の状態はあまり改善されないので、コントローラの接続を1台ずつにしてテストしてみるとCD2の方だけ異常があるので、今度はコントローラと接続先を入れ換えてテストするとCD1のみ異常動作となり、原因はコントローラと判明。シェルを開けて調べてみると内部がベタベタしており、いたる所に浸水痕の残留物が付着してベタベタになっていた。どうもジュース類が掛かって染み込んでしまった模様で、ケーブルコネクタ内にも染み込んでいる為正常な状態に戻す事は不可能、コントローラとケーブルの交換が必要だった。

メカの劣化

AA DCDPRO200MKII:音飛びする。検証すると、特に問題なく再生している模様で、プレスCDからCD-Rや傷有りのCD-Rで試しても普通に再生していたが、指でショックを与えると音飛びが確認出来た。症状的にはDISC1はまあまあかなといった感じだったが、2の方は顕著で、レンズクリーニング程度では改善せず、全体の汚れや変色具合からピックアップの感度や位置制御機構その他の劣化が考えられた。そこでDISC2のメカニズムAssyを交換してみると、結構強いショックを与えても音飛びしない様になった。今度は、最初のテストではまあまあかなと思われたDISC1の方の飛び具合が目立ってしまったので、DISC1側のメカも交換して左右同レベルとなり、完了となった。

ネジロックがキーロックに。

GEMINI CDJ15X:OPENボタンが押せない為リッドが開かない。検証すると、OPENボタンを押しても全く反応せず、少し強く力を入れても撓むだけで反応なし。そこで内部を調べてみると、リッドをオープンする為のキーが、固定してあるネジ部分でネジロックで固まって動作しなくなっていた。丁寧にネジロックを剥がして組み込んで完了となった。

LEDの短絡

AMERICAN AUDIO CDI500:バックライトが点灯しない。検証すると、動作は全く正常でディスプレイにも文字は正しく表示されているがバックライトだけが点灯しないと言う状態だった。これは明らかにバックライトモジュールそのものの動作不良なのでモジュール交換にて完了となったが、更に交換したモジュールを分解して調べてみると、内部は6個の高輝度青色LEDが装着されていて、そのうち4個のLEDが短絡に近い状態で点灯不能になっていた。外から見た感じでは焦げや過熱等の痕跡は見られなかった為何故そうなったのかは不明だが、やはり以前と比較してLED素子そのものの耐久性のバラつきが増加している様に思われる。

ぶつけちゃった?

AMERICAN AUDIO CDI300:トレイが閉まらない。トレイが開いたままの状態で入荷し、普通に手で押しただけでは閉まらない状態だった。シェルを外してローディング部分を調べてみると、トレイが若干斜めになっていてギアが噛んでいるようだった。これはトレイを開けた状態で横から手などを強くぶつけた様な形跡のあるギア外れが原因だった。幸い破損箇所は無かった為、一旦トレイを外して正常なギア位置で装着し直す事により完了となった。

健闘空しく

ADJ DCDPRO500:DISC1、2ともCDを認識しない。先ずはシェルを開けて内部を調べてみると、相当の長時間稼動していた様子で、各部の埃、変色が凄い。ついでにピックアップのレンズも細かい埃の付着で、くもりガラスの様にくすんでいた。そこでこの部分をクリーニングしてみると、表面は綺麗になったが、内部もやや白っぽい変色が残っていた為ピックアップそのものの劣化も懸念された。この状態で一旦動作チェックを行ってみると、一通り読み込んで再生出来る様にはなったがトラックによって読み込みに時間が掛かったり不安定要素が認められた。そこで、もう少し何とかならないかと数箇所の調整ポイントを触ってみたが、結局メカだけではなくメインボードも劣化していて正常にコントロールしきれていない状態だった。こうなると、メカと両方の交換、さらにはコントローラ側の動作も怪しくなるので、金額的にも現実的な物ではなくなる為新規購入をお薦めすることにした。

症状の割に軽い内容

AMERICAN AUDIO VELOCITY:電源を入れると全てのディスプレイボタンが点灯してしまう。コントローラを繋いで検証すると、本体側のドライブ部分とパイロットランプは正常の明るさに点灯しているが、コントローラ側が殆ど点灯しておらず、よく見ると全ての自光式ボタンが不安定にうっすら点灯している。どうも電圧不足の様な症状なので、今度は片方のコントローラのリンクケーブルを外して電源を入れると、ほぼ正常に点灯、スタンバイ状態になったが、一部ボタンが点滅していた。次に逆側のケーブル1本にしても同じ状態なので、どうやらコントローラ側の消費電流増大ではなく本体側からの供給電流低下の模様。そこで本体側の電源回路を調べると、大容量の平滑コンデンサに過熱痕と頭部の膨らみが確認出来た。結局このコンデンサの容量抜けが原因で内部電圧が低下していた事が判明。交換した所正常動作が得られた。交換後、念の為コンデンサに掛かる電圧を調べたが特に許容電圧を超える事もなく平常値であった為、原因はコンデンサ単独の劣化と思われる。

正しく開け閉めしましょう。

ADJ PRODJ:トレイが出たまま送付されてきており、トレイが閉じないということなので検証してみると、クローズ操作しても動作はするが閉じない。シェルを開けてみると、なんと内部にCDが浸入して脱落していた。これを取り除いて完了。

内部コネクタの接触不良

ADJ PRODJ3:DISKを認識しない。検証すると普通に動作していたが、内部配線はそのまま接続したまま天板となるコントロール・パネルを持ち上げて覗いてみると現象が再現しており、DISKは回らず、ピックアップも反応していなかった。これは接触不良又は半田不良と思われる症状なので、メカ側と基板側の双方をチェックしたが目に見えた不具合は無し。現象が隠れてしまいやすい症状の場合不具合ポイントを特定する事は困難で、端から電圧や導通を調べている内に症状が出なくなってしまいやすい為、不審な場所を一気に処置する方が効果的と判断。上記経緯から不審な場所は先ずコネクタ関連なので各コネクトポイントの汚れや接触状態をチェックした上で活性化処理を施し、次に怪しいと思われるフラットパッケージタイプのLSIに再半田を施して同様のテストを試みた所問題なし、完了となった。

ローディング出来ない

ADJ PRODJ3:エラー表示が出て再生できない。検証するとトレイは閉まってもCDがホールドせずにエラーとなっている。メカを外して調べてみると、ピックアップ部分をすくい上げるパーツが輸送中の落下等と思われる強い衝撃によって破損し、シャーシから脱落している。但しこのパーツはシャーシに一体モールドしてある連続樹脂によって固定されている為脱落部分のみ新しい物に交換する事が出来ない為シャーシ交換によって完了となった。

コントローラの不具合

ADJ DCDPRO200MK2:トレイが開かない、DISKを認識しない。検証した所、コントローラーを繋いで動作させようとするとトレイが開かなくなるという珍しい現象。コントローラー内部のチップ周辺やコネクタ等の半田不良やショートなどの外観的な不具合は無く状態は良好な為、コントローラのインターフェース又は制御プログラムがロックしていると推測される為、コントローラーボードを交換してFIXとなった。

本体から異音がする

ADJ PRODJ3:アクセス時に時々異音がする。動作音を確認した所ロングアクセス時のピックの移動時に何故か本体からカチッカチッと小さな異音がする。出音は正常で、ショートアクセスを繰り返して同じトラックに移動しても異音は出ない。ケースを開けて検証した所、ピックアップから伸びているフレキシブル・ケーブルがピックの内周側から外周側に大きく移動する時にフレキシブル・ケーブルの反り位置がある一点のポジションを境に変化する時の音であった。フレキシブル・ケーブルの反り位置を適切に調整する事により異音は発生しなくなった。

プレイ時にタイムラグがある

ADJ PRODJ1:PRODJ2と比較するとスタンバイ→プレイでタイムラグがある。キューボタンを押してスタンバイからプレイで音楽が再生されるまでの一連の動作に異常は無かったが、プレイを押した瞬間から音が出る上位機種のDJ2と比較すると確かにDJ1は0.1秒程度のタイムラグを感じるが、残念ながら仕様上やむを得ない問題だった。

Disk2で動作エラー

ADJ DCDPRO500:Disk2で音飛び、エラー表示が出る。市販のプレスCDを再生して検証してみると、最初のテストでは音飛びやエラーは発生せず、音は普通に出ていたが、ディスプレイの表示がおかしかった。タイム表示がコロコロと先に行ったり後に戻ったり。もしかしてリモート・コントローラがおかしいのかと思いつつDisk2のコントローラをDisk1に繋いで電源を入れたところ、今度はまともに再生できずにジャジャジャと言う大きなノイズのみが聞こえた。再度同じ状態で電源を入れなおすと、今度はタイム表示がおかしくなったりエラー気味になったり。最終的に本体側のコントロール・ボードの不良と限定出来るまで追い詰めた所で半田付けやコネクション周辺の導通を良く調べてみたが問題ない為、制御プログラム又はインターフェース・チップ関係の問題と断定。コントロール基板交換にて対応。

トレイが開かない

ADJ PRO-DJ2:トレイが開かない。原因はメカ側の不具合だったが一旦手動で開けた所、その後問題無く動作した。念の為駆動ギア部分をチェック及びクリーニングした後動作テストを繰り返して異常無き事を確認。

電源は入るが動かない

ADJ PRODJ3:電源は入るが全く動作しない。電源基板のネジ止め付近に僅かな割れがあり、電源の8Vラインが死んでいた。暫く使っていて突然壊れた様だが、割れの原因は本体へのショックによる物と思われる。打痕など特に酷い衝撃を受けた形跡は無かったが、基板上に大きく重いヒートシンクが付いている為強い衝撃が加わると割れる可能性が有りそうだ。

マイクロ・クラック

ADJ DCDPRO450:読み込みせず。ギア位置がずれていてトレーが開かない。直してテストすると今度はもう一方のディスクが認識しない状態だった。そこでメカの状態をチェックしてからサーボ基板等を疑って色々調べていくと、最終的にケーブルで延長して接続するコントロール・ユニット内の不具合であった。コネクタ周辺からサーフェス・マウント部品の細部に至るまで半田付け状況等を確認したが目に見えておかしな所は見付からなかったが怪しい所の半田修正等を行ったところFIXとなった。

何故そんなに流れるのか

ORTFON CCSCRATCH:トーンアームのセッティングを幾ら調整しても流れてしまう。この件は検証してみて驚いたと言うより目を疑った。通常は円錐形の筈の針先が何と円筒形にボテッとしていた。察するに生産工場に於いて人工ダイアチップの先端を円錐形に尖らせる研磨工程が漏れてしまって針先のみ未完成の円筒状態のまま完成とされてしまった様だ。

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