STAGE EVOLUTION/SCENESETTER NEOが電源ショートで大電流流れる。
基板の裏表を良く調べても目に見えた焼けや短絡個所は無いが、DC INPUT電極間の抵抗値を調べると異常に低い。初期判定として、明らかに何処かの電子パーツがリークしていると考えられる。
しかし整流回路を含め、殆どの電子回路がフラットサーフェスのチップ構成の為、電子パーツレベルでの調査となると少々困難。もう少し踏み込んで調査してみると、チップダイオードの一つがリークしていた。
メーカーからはチップパーツ単位でのパーツ供給は行われていないが、社内ストックから同規格のチップダイオードを見付けて無事即日対応完了となった。
ADJ ACCUSCAN250:電解コンデンサ劣化に伴う症状としては、パワーアンプなどの音響機器の電源部整流回路内のコンデンサの容量抜けの場合、内部電源ラインにリップルが乗って、ブーンと言うハムノイズ状の残留ノイズの増加や出音の歪みのもとになったり、信号回路内のカップリングコンデンサの劣化の場合は歪みや音質劣化、音量低下を引き起こしたりしますが、照明機材の場合は、機材のタイプによって症状が特異的な物となります。
表題のACCUSCAN250の実例としては、ディスチャージ球点灯回路内の高圧コンデンサと、制御PCB上の低圧コンデンサがあり、何れも電解コンデンサに分類される物が搭載されていますが、灯体自体が音響機器と比較して高温になる為、コンデンサを始めとする電子パーツにとっては常に厳しい環境で稼働する事になる為、音響機器の物より劣化が早まり、更に強力な冷却FANに因る埃の吸い込みも多い為、稼働環境やメンテナンス状態に因っては埃の蓄積に伴う冷却効率の低下が発生して内部温度が更に上昇する場合も少なくありません。
また冷却FANに異物や埃が詰まってFANが回転しなくなった場合も急激な温度上昇が発生します。勿論危険温度に達すれば温度プロテクトが働いて点灯回路や灯体そのものの電源がシャットダウンする構造になっていますが、肝心なシーンでシャットダウンさせない為にもメンテナンスは重要となります。
さて、話が若干逸れてしまいましたが、そう言う状況でコンデンサが劣化した時の症状としては、高圧コンデンサが劣化した場合は一見動作上の不具合は現れないものの、点灯回路全体の電力効率が低下する為に消費電力の増大と共に電源トランスが過熱して不意に温度プロテクトが働く様になります。一方、低圧コンデンサの劣化の場合は、初期の場合は整流不全に伴うモーター音の増大や動作不安定となりますが、更に進行すると内部電圧の低下を引き起こしてシステムが起動しなくなり、電球は点灯するが起動しないと言う症状が現れます。
何れもある程度稼動年月を重ねるにつれて劣化が進行し始める物ですが、特に埃が蓄積し易い冷却ファンを中心とした灯体内部、照度が低下する程度まで劣化した電球の継続使用も電流増大の原因となりますので、その辺りの定期的な点検及びメンテナンス次第で進行速度が大きく変動すると言う事もご理解頂ければと思います。
ヒューズの詳細について研究を深めると非常に奥深いものがありますが、今回はごく一般的なガラス管ヒューズにまつわる話題です。
まずヒューズの種類ですが、自動車用や特殊な物まで含めると、サイズや形状など無数に存在しますが、今回は主に音響/照明機材用として使われる一般的な電流ヒューズをご紹介します。
形状は両端に銀色のキャップが付いたガラスの円筒で、長さが20mmと30mm、太さは5mmと6mm強があります。購入する際には、長さだけ分かれば問題ないでしょう。
次に定格の表示ですが、通常100V 1A、250V T6.3A、125V 8AS:B、250V S6Aなどの表示が、キャップの側面に小さく刻印されています。一部、ガラス管に印刷されている物もあります。
Vで表示された電圧は「定格電圧」です。通常使用においては概ね耐圧と考えても問題ないでしょう。即ち100V仕様の機材に250V定格のヒューズは使用可能ですが、200V仕様の機材に100V定格のヒューズは耐圧不足となり使用出来ません。Aで表示された「溶断電流」表示については、メーカーによって様々な表記があります。実際は3種類に大別され、速断(F3Aなど、ファストブロー)、普通(無印2Aなど、ノーマル)、タイムラグ(S3A、T7A、6AS:Bなど色々、スローブロー)となり、同じアンペア数でも、タイプによって切れるまでの時間と、瞬間的な過電流の許容範囲が大きく異なります。保護回路としての重要なファクターなので、定格をしっかり確認した上で、必ず適合するタイプの物を使用して下さい。
ヒューズはご存知の通り、機器が正常動作している時に切れては困りますが、オーバーロードや異常事態の時には、機材を守る為に切れないと困る、重要度の高い電子パーツです。パワーアンプやモーターなど、電源を入れる時に大きな突入電流が発生する機材では少しずつ劣化する場合があり、ある程度の歳月が経ったヒューズは不意に断線する事があります。その際には、機材のヒューズボックス周辺に記載されている定格表示やマニュアルの定格表示に沿った物と交換してください。その後、使用中に切れなければ問題ありませんが、頻繁に切れる場合、注意が必要です。安易に定格の大きなヒューズを付けてしまいがちですが、頻繁に切れる場合、機材内部にトラブルが発生していることが多く、不用意にヒューズ定格を上げてしまうと機材内部の電子パーツを焼損させてしまう原因にもなりかねません。必ず、ご購入先のサポート窓口にご相談下さい。
舞台関連の現場によっては200Vクラスのコンセントが用意されている所もあるかと思いますが、100V仕様の機材を200Vコンセントに接続した場合はヒューズが溶断する前に電源トランスや内部電子回路が一瞬にして破壊されてしまう危険性が非常に高まりますので、充分ご注意下さい。
機材のヒューズが断線する故障例として、電源を入れた途端にヒューズが飛んでしまうという症例があります。一つは、機材の故障ではなくヒューズの劣化に伴う断線、オーバーロードや、スピーカーケーブルの短絡など、外部からの要因が影響している場合で、その際に切れたヒューズを調べると、内部の金属線の中心で細く切れていることが多いでしょう。一方、ガラス管の内部が黒変する程激しい切れ方をしている場合は、機材電源部の電源トランスや整流回路、あるいはパワーアンプでは電源モジュールやアンプ・モジュールに致命的なトラブルが発生している可能性が高いです。修理する際に、大規模な部品交換を必要とする場合が多くなりますので、直ちに使用を停止し、電源プラグをコンセントから外した上、稼働環境、トラブル発生時の機材の過熱状態、発煙の有無や異臭など、出来るだけ詳しい情報を収集した上で、速やかにサポート窓口までご連絡下さい。
ムービングヘッド系:先ずは取り扱い上の注意点として、見た目以上に非常に割れ易いので、衝撃に注意する事は勿論ですが、点灯中はガラスの強度がギリギリになる位高温になる為、ちょっとした汚れや、指紋などが付着しているだけで強度バランスが崩れて破裂しやすくなります。更に、広く使われているMSD系の250Wや500Wクラスの電球は内圧が高く、破裂するとリフレクタ(反射鏡)やレンズまで壊してしまう強大な破壊力があり、クリーンな状態でも稀に突然破裂する事があります。これは目に見えない小さなヒビなどが原因として想定されますが、保安上、例え短時間のテスト目的でも、電球が直接見える状態では決して点灯させない様お願い致します。そう言った理由により、特に電球交換の際はガラス表面の入念なクリーニングが必要です。交換球の状態チェックとしては、内部の電極や構成パーツが外れていたり、亀裂が入っていたりしていない事を確認します。 一見おかしいようでも問題ないのは、放電管ですから中心の電極間はフィラメントが切れた様に何も繋がっておらず、更に少量の水銀やハロゲン化金属が電極やガラス内部に付着して、如何にもフィラメントが解け落ちた様に見える事があります、また、点灯直後に消灯して冷めた状態の物は、蒸発しかけのハロゲン化金属が黄ばんだ汚れの様に付着する事がありますが、これらはどちらも正常、健康な状態で、黄ばみ汚れも正常点灯させれば無くなります。 また劣化が進んだ状態での運用も危険度が高まり、灯体本体の故障の原因にも繋がりますので、定期的なチェックと早めの交換をお勧め致します。需要の多いMSD250/2で目に見えた劣化の例としては、黒化や白化で、黒化は外管の内側、白化は内管の内側に起こり、何れも顕著な変色が見られるので容易に判別できます。(逆に言えば僅かな変色は正常範囲と言えます) 黒化の場合は点灯し難くなるので異常に気付き易いですが、白化の場合は少しずつ照度が落ちて来るので気付き難いです。白化はハロゲン化金属が腐食したような状態になり、そのまま継続使用すると内管の内側にカビ状の結晶が付着し始め、更に使い続けると結晶の付着範囲が広がると共に、内管の球体が変形して膨張し始め、外管の内側に接触する程膨張する事もあります。そうなると寿命末期と言え、更に照度が低下し、強度的にも不安定になり、爆発し易く危険な状態になりますので、直ちに電球交換する必要があります。 またこれらの劣化のプロセスは、ディスチャージ球に限らずですが、電球の周囲温度が設計範囲を超えて来ると加速度的に早まる傾向にあり、また灯体全体の寿命にも大きく影響しますので、特に埃が付着し易いFANや通風口などの冷却システムの定期的な点検がポイントとなって来ます。天井吊りのケースが多い灯体は点検もなかなか容易ではないと思われますが、可能な限りご留意頂ければと思います。
SE DMX8C:一部機能が反応しない。システムリセットを掛けても改善せず、フェーダー素子やSW、ディスクリートパーツなどにも異常はみられない為、次に可能性があるICの装着不完全を疑って調べてみたが、内側へのピン曲がりや受け金具の緩みに因る接触不良も無い為、制御ソフトを含むIC等のソリッドパーツの不具合と仮定して、主要ICを順に差し替えてみた処、メインとなるプロセッサ関連の3個目のICを交換した時点で機能復帰。一応これで完了とはなり得るが、3個のICの内のどれがNGかを突き止めようとしたところ、最終的にこの3個はセットで交換しないと機能が回復しない事が判明。1個だけ交換した場合、バージョンのミスマッチ状のシステム上の不整合が発生するのか、或いは3個とも何らかの不具合を抱えていたか迄は解明出来なかったが、大規模メカトロ回路を有するムービングヘッドなどは部分交換で不整合を起こす事があるので、可能性としてはどちらも考えられるが、いずれにしてもシステム上の珍しい故障例であった事は明らかだ。
PT SUPERSPOT250:動作不良。検証すると、初期動作時にTILTが正規の位置まで回転せずに途中でガタガタと足踏みをして進まなくなるという現象が現れていた。始めてみるケースだが、先ずは制御系から調べて行ったが異常なし。モーターの電極にも異常はなかったが、ベルトの部分を調べてみると異常に緩んでいる事が判明。その為に負荷が掛かるとベルトがスリップして足踏みを起こしていた事が判明。ベルト調整にて完了となった。
PT SUPERSPOT250:電源が入らない。電源SWを入れると電源トランスから微かに振動音が聞こえ、大元の電源や電球用200V回路も生きている様だが、肝心の制御回路が立ち上がらない為全く動作しない状態だった。そこで各部ターミナルに調査用プローブを当てながら調べてみたが、トランスの二次側から来ている配線のターミナル電圧は正常で、ボード内も特に焼けやヒューズ切れもないが、どうしても低圧回路の整流回路から後が死んでいる様なので、一旦基板を外して裏面を調べてみると、ターミナルのリード部分の半田が劣化して芋半田状態になっていた。他のターミナル部分は問題なくこの1ピンだけがその様な状態になっていたが、原因としては、そのターミナルに接続された配線の固定ネジの締め具合が甘く、その部分で継続的な過熱が発生して半田の劣化が速まったものと思われる。念の為新しいターミナルと交換して付け直した所、正常動作が得られ完了となった。
ROBE COLORSPOT575:シャッターがおかしい。検証すると、当初問題なく動作していたが、時々片方のシャッターの羽根の動きが不自然になる事があった。シェルを開けて調べてみると、片方のモーターの動作が不安定で、正常なトルクが出る時と出ない時があった。そこでモーター側のコネクタから順に接触不良等がないか追っていくと、ドライバボード上のコネクタのメス側のコンタクト金具の接点金具が折れて正常なバネ圧が確保出来ず、接触不良を起こしていた事が判明。金具交換にて完了となった。
ADJ ACCUSCAN250:チルト動作がおかしい。内部を調べてみると、FANや内部に多量の埃が付着。その為の過熱による物と思われるが、メインボードのコンデンサが劣化して内部電圧が低下。制御が不安定になってチルトモーターが正常動作しないという状況に陥っていた。
そこで、各部クリーニングの後、コンデンサを交換して立ち上げてみると、制御回路は回復したが唯一FANが回転していなかった。埃が詰まり過ぎて焼けてしまったかどうかは定かではないが、FAN単体の故障だった為、FANも交換してようやく完了となった。
SE DJSCAN250:カラーが正常に現れない。検証すると、カラーモーターが固着していて正常に回転しない状態だった為、DMXコントロールと違う色が出てしまう状態だった。この場合モーター交換になるが、シェルを開けてみるとFANを中心に内部に大量の綿埃が詰まっていて、非常に放熱効率が悪い状態になっていた。その為モーターが電球の熱と放熱不足で劣化してしまった物と思われる。全て分解してのクリーニングとモーター交換で完了となった。
SE ROTOBALLS:回転しない。当初、回転はするものの回転スピードが一定しない症状が出ており、回転位置によってギアが外れるような挙動が見られた為、減速モーターのギアボックス部分を外して調べてみると、ギアの一部が欠け、磨り減った部分も認められた。現場で回転しないと言う症状が確認されたのは、欠けた破片がギアの隙間にかみ込んで停止した可能性が考えられる。モーター交換にて完了。
ADJ MEGASTROBE:電球を交換したが点灯しない。確かに点灯しない様なので、先ずは背面パネルを外して内部の接続状況等を確認したが、外観上は特に異常は認められなかった為、電球を疑ってもう一度別の、点灯確認済みの電球を繋いで見ようと思い、電球の配線を外しかけた所で、中点端子が被覆ごとターミナルに接続されていた事が判明。この部分を正しく繋ぎ直して動作させてみると正常に点灯。スタンドアロン、DMX動作とも異常は確認されなかった為完了とした。
ELATION POWERSPOT250:シャッターが開かない。検証すると、シャッター関連のドライバーからモーターに至るまで問題なかったが、Rゴボ・モーターが固着していた為に初期化が完了しない。どうやらRゴボより後に初期化するシーケンスがキャンセルされたまま起動する事が原因と判明。モーターを調べてみると、特にベアリング付近の固着が見られたので、ベアリングから内部まで一通りクリーニング及びメンテナンスを試みた所、しばらくは快調に回転する様になったが、やはりベアリング内部の異物又はローターとステータス間のギャップの狂いが原因なのか、しばらくランニングしていると再び固着現象が現れた為、やはりモーターの交換が必須となった。
ELATION COLORSPOT575:250Wモデルよりも暗くなった。レンズやフィルターをクリーニングしても未だ暗く、リフレクターを調べてみると表面が黒変していた。熱そのもので焼けたと言うよりも、熱の影響で酸化した様な状態だった。その為、クリーニングも効果が無く、交換するしかない状態だった。しかしリフレクターはムービングヘッド内の一番奥に位置する為、一旦ヘッドを全て分解しないとアクセス出来ない為、非常に大掛かりな作業となった。
ADJ ACCUSCAN250:正常に設定できない。検証すると、ゴボホイールが回転しないので、ホイール関連の回路周辺をチェックしたが異常なし。各部コネクタをチェックしてみると、ミラー側と本体側を結ぶフラットケーブルのコネクタ部分の接合がおかしい。一旦抜いて差そうとしても何故か傾いてしまう。特に異物もピン曲がりも無く、何故片方だけ浮いて差し込めないのか不可解であったが、最終的に抜け止めのレバーの先端がカバーのネットに引っかかって開いたまま閉じない事が判明。その為レバーの下側の、外す時に押し上げる構造のノブが邪魔をして入らない事が判明。レバー先端をネットから開放する事によりコネクタは正常に接続され、ホイールも設定動作も正常に機能するようになった。
ELATION POWERSPOT250:カラーホイールが正常動作しない。検証すると、時々モーターが空回りしてホイールが回転しないと言う状況が現れていた。内部を調べてみると、ホイール側のギアが磨耗して1/3周ほど歯抜けになっていた。これではギアを交換するしか方法がないが、このギアはヘッド内の一番奥に装着されている為、手順通りに分解するにはヘッド機構を全て外さなければならないので大変な作業になってしまう。そこで方法を変え、上下のユニットを分離させた状態で維持し、開いた隙間から、他のフィルターガラスなどを壊さないように、横からそっとカラーホイールだけ外して、シャフトを固定しているEリングを横から外して何とかギアのみを交換する事が出来た。組み上げて動作チェックすると、今度は空回りはしなくなったが、どうも回転がスムーズではないという新たな問題が発生。ドライバICやモーターの特性にも異常はなく、色々調べた結果、最終的にドライバボード内の抵抗素子が1本断線していた事が判明。その抵抗を交換すると、スムーズに回転する様になり完了となった。
SE FS250:制御がおかしい。時々制御不能に陥ると言う珍しい物だったが、コントロールボードやメインボードを調べてみても特に異常はなく、コネクタ周辺のケーブルを動かすと再現しやすい為、コネクタ端子の状態を調べたがやはり異常なし。最終的にコネクタに繋がる配線の被覆の内部で1本切れかけていた為に動かすと断線症状が現れていたことが判明。配線修正にて完了となった。
ELATION OCTOPOD80:LEDがつかない。灯体が3個、修理依頼として入荷。検証すると、いずれも青色のLEDが5~10個、点灯しない状態だったが、調べてみると点灯しない部分が全てNGではなく、5個程度のグループでシリーズ接続されている為、その内の1個が断線するとグループ内のLEDが点灯しなくなるという事が判明。端からLEDの端子間をショートさせていき、点灯した時にショートさせていたLEDが不良と判断して交換する事により完了となった。3台分で計5個のLED断線だったが、初期不良ではなく、しばらく使用してからの断線であった。
ELATION DESIGNSPOT250:PANが動作しない。検証すると、電源を入れた直後のセットアップ動作ではPANモーターは回転するので、モーター及び駆動ベルト等、機械的部分は問題無い事がすぐに判明したが、その後特にエラー表示は出ないものの、セットアップが完了しないような挙動を示すと共に、PANが動作しないという状態に陥った。そこで、メインボードからPANモーター間、センサー間をチェックした所、最終的に回転数を検知するセンサーとメインボードを結ぶコネクタ間の一部で接触不良を起こしていた模様で、コネクタをメンテナンスしたところ異常無しとなった。
ELATION POWERSPOT250:シャッターが開かない。検証すると、初期化動作中にはシャッターモーターも反応し、ドライバーICも問題無いようだが、初期化が終わってTEST動作させても、DMX操作してもシャッターが開かない、その他にも幾つか動かないモーターがあるので、そのモーターを受け持つドライバボードを入れ替えてみたが反応なし、改めてメインボードから調べ上げていってもやはり問題なし、最終的に回転ゴボのモーター軸が油脂不足でスムーズに動かない事が判明。その為、初期化動作が不完全のまま完了していた模様。モーター軸その他各部をメンテナンス後、動作チェックすると無事全機能が回復した。
ELATION COLORSPOT575:ヒートエラーが出て点灯しない。検証すると、電球が完全に冷えている状態でもヒートエラーが出て点灯しないという、いかにもセンサーの誤動作又はセンサー回路の断線の様な症状だったが何処を調べてもセンサー不良も断線箇所も無く、最終的にイグナイターの動作不良に因るものと判明。イグナイター交換にて完了となった。
LITEPUTER CX5:バックライトが点灯しない。検証すると、動作は正常だがバックライトのみ点灯しない状況だった。内部を調べてみると、特にコネクタ外れや断線の様な不具合は見受けられなかったが、バックライトに掛かる電圧を計測すると0Vで全く電圧が掛かっていない状態だった。そこでバックライトの配線の行き先のコネクタ端子で測ってもやはり0V。しかし、接続されているコネクタの基板上のオスピンのコネクタが、メスと違うタイプで妙に不自然であった為、接続間違いを疑って基板上のシルク印刷を調べてみると、最終的に別のコネクタに接続されていた事が判明。決め手となったのは、ディスプレイ上のAとKの文字と正しいと思われるコネクタの側近に印刷されたAとKの文字。そこに挿し直した所正常に点灯。無事完了となった。
ROBE SPOT250XT:電源が入らない、動作しない、電球が点灯しない。大分年季の入ったセットだったが、電源が入らなければ動作も電球も点灯しないのは当然の事と思いながら、先ずはおびただしい量の埃を取り除く事から始まり、電源が入らない原因を調査。これはメインのヒューズホルダーが劣化して導通がなくなっていたのでホルダー交換。トランスまでは行くようになったが起動しない。続いて調査すると、制御基板上の内部ヒューズも断線。ここまで来て起動はするようになったが、今度は電球が点かなかった。確かに指摘の内容となったが、これだけ揃う例は珍しい。結局電球は新品で、ソケットも問題なかったが、最終的にFANに近いセンサーに、油と混じった泥に近い埃汚れが厚くこびりついていた事が原因と判明。クリーニングして遂に完了となった。
SE DPDMX20L:反応しない。検証すると、4chのうち、1と2のみ出力が上がらなかった。チャンネルごとのヒューズや、背面パネルを外して配線状態をチェックしても異常がないので、出力系を調べると信号経路の抵抗が焼損断線していた。原因は出力回路の過負荷と思われるが、抵抗を交換して動作チェックした所、ch-1は改善せず、ch-2は若干出力が出るようになった。出力ショート等の大きな過負荷の場合、出力素子がリークしてショート状態になる事があるが、今回は素子の導通を調べてもショートはしていなかったが、他に考えられる部分がなかった為、この2箇所の素子を交換した所、やはりそこが原因で無事に機能が回復した。
ELATION SHOWDESIGNER1:BATTERY LO表示が出てメモリーされない。症状的には内蔵のバックアップ用リチウム電池の消耗を表しているので、外して調べてみると、3.1Vと、まだ消耗している状態ではなかった。そこで再度装着して基板の配線上で電圧を調べてみたが、やはりこの状態でも問題なく3.1Vが確認出来た。仕方なく、一旦仮組みして電源を入れてみると、今度はメッセージは現れず普通に起動した。その後の動作は安定していたので、念の為バッテリーホルダーを磨いて装着し直して完了、様子見とした。
SE FS250:コントロールが出来ない。検証すると、電源は入り、電球も問題なく点灯するが、マニュアルモードでもDMXモードでも内部モーターが動作していない。カバーを開けてホイールを手で回転させてみると、モーターの制御制動は掛かっているのでモーター不良や配線関連のトラブルではなかった。そこで先ずは操作側のボードを差し替えてみたが変わらず。元に戻して本体内部のCPUボードを交換してみると正常動作が得られた。
SE DJSCAN250:電源が入らない。先ずは内部が埃で埋め尽くされていた為、分解し掃除からの作業となった。 その後の調査でヒューズの断線やケーブルやコネクタ関連の異常も無く、全く電源が入らない状態で、端から追いかけて行った結果、電源トランスの一次側の断線が判明。更に調査を進めるとFANが動作不良を起こして回転しなくなっていた。当初、FANにも埃や細い紙製のリボンが絡まって詰まって回転出来ない状態だったが、埃や異物を取り除いてFANの接続端子に電圧を掛けても既に死んでおり、全く動作しなかった。一連の状態から遡って考察すると、ほぼ間違いなく埃の蓄積が原因でしかるべき結果に陥ったと考えられる。
最初に埃の蓄積により放熱効率が低下していくが、やがてリボンや多量の埃がFANを停止させ、FANは長時間の強制停止による過負荷により故障、そのまま稼動させた事により電球の熱が篭って電源トランスの温度ヒューズが断線して停止、使用不能に陥ったと思われる。
SE DMX16C:フラッシュボタンの一部が潰れた。検証すると、フラッシュボタンの数箇所のボタンのみ節度が無く、触れただけで反応してしまうので、何もしないでも誤動作してしまう可能性が有る状態だった。この原因はSW単体のヘタリと言う事でSW交換して完了になるものだが、ヘタリの原因を突き止める為にSWを分解してみると、内部に装着されている皿状の小さな接点金具の一部に亀裂が入って、押されたまま自力で元の形状に戻らないでいる事が原因であった。相当の時間使用されている様子なので機械的寿命による金属疲労と思われるが、微妙な厚みや強度のばらつき或いはフラッシュボタンの使用頻度の違いなどの影響が大きいと思われる。
SE MUSHROOM/D:内部でブーンと言う音がする。かなり古く、使い込まれた灯体であった。検証すると、どうやらFANから発している模様。カバーを開けて見ると、FANを中心にスモーク混じりと思われる粘性の埃がびっちり付着し、FANそのものの軸の回転抵抗も増大している様で、回転速度が低下している為に数分点灯させただけで本体外側まで電球の輻(ふく)射熱による急激な温度上昇が感じられた。そのまま長時間化動作せられていた為と思われるが、メインボード状の電解コンデンサが熱で劣化していた。
ELATION OCTOPOD80:電源入らず。SWを入れたほんの一瞬だけディスプレイが点灯しようとするが、それ以外は全く動作しない。シェルを開けて内部を調べたが異常個所は見当らないので、電源回路から順に追っていった。しかし、トランスの二次側から整流回路を通りICやコンデンサ付近までは正常な電圧が現れているし、異常な過負荷の兆候も無い為電源関連のトラブルではなさそうだった。最終的にはクロックの有無やICの信号のやり取りが正常に行われているかという込み入った測定が必要になってくるが、手っ取り早い所でストックしていたICが有る事と、ソケット装着の為、容易に差し替えが出来る為、端からICを交換してみると、コントローラ・チップを交換したところで機能が回復した。結果的にこのICが動作不良を起こしていた事が原因であった。
ELATION BP16DMX:DMX信号が出ない。XLRジャックの端子部分で出力信号を調べてみると、DMXの-信号は出ていたが+信号が出ていない。静特性を調べても導通が全くないので、シェルを開けて調べてみると、XLRジャックの3番ピンに半田付けすべきワイヤーがGND端子に半田付けされていた。たまたま工場で製造上の凡ミスが発生した物と思われるが、ともあれ正常に接続し直したところ正常動作が得られ完了となった。
ELATION COLORSPOT575:ヒューズホルダーが壊れた。検証すると、確かにヒューズホルダーが破損しているが、それ以前に内部に多量の埃が蓄積しているので、先ずその埃を取り除いてからの作業となったが、しつこく粘着した埃が多い為、レンズ以外の基本的な内容だけでも手間隙掛けたクリーニングとなった。その後ヒューズホルダーを交換し、FANや各部動作を確認。機械的には問題なかったが、光学的にレンズの汚れと曇りが酷く、光量まで極端な低下に至っていた。その後分解クリーニングを伴う丹念なレンズやフィルターのクリーニングを施し、やっと完了となった。
ADJ ROTOPOD250:回ったり回らなかったりする。検証すると、FANが回らない状態で、本体に過熱跡が見られた。明らかにファンが回らずオーバーヒートした為の過熱跡だったが、今回初めての事例であった。調べてみると、FANコネクタのハウジング自体はしっかり結合されていたが、肝心のコネクタ金具が抜け方向にずれてしまっていて正しく接合していなかった。その為に動作不安定になっていた物と思われる。金具修正にて完了となった。
ADJ ROTOPOD250:電球が点灯しない。確かに電球は切れていないにも拘らず点灯しないので、電球の点灯電圧を作り出しているボードを調べてみると2Wタイプの抵抗が変色して片方のリードが抜けていた。リードが抜けた原因は状態から判断して異常過熱による物。試しに外したリードを接続して動作させてみると、一応点灯はするが、問題の抵抗が尋常ではない温度上昇を引き起こしている為、新しいボードと交換して完了させた。勿論新しいボードの方は、仕様と思われる発熱こそあるが、明らかに温度は低い。この異常過熱の原因は明らかにはならなかったが、推測として発振ロスが発生した為に消費電流が異常に増加した物と思われる。
ADJ MEGAFLASHDMX:水を被ってしまいDMX信号を受け付けない、。先ずは水害によるダメージを確認したが、既に乾燥している為、またどの程度まで水滴が浸入したかは不明。特に問題ない様子だったので、スタンドアローンで点灯する事を確認してから、DMXをアドレス1に設定して動作チェックすると正常動作し特に問題ない状態であった。状況から察するに、不意の降雨か何かで一瞬濡れた時に動作しなくなり、その後普及を試みて色々操作しているうちにアドレス設定が変わってしまって任意のDMXアドレスで動作しなくなったものと思われる。
ELATION ACTIVESCAN250:シャッターが開かない。検証すると、点灯はするが、シャッター以外にもゴボ・ホイールも回転しない状態だった。電源を切った状態で手で回すとストレスなく回転し、電源を入れると、モータードライバの制動電圧が加わって動き難くなっていたので配線やモーターそのものの不具合ではなく、センサーも正常に働いている様だったので、システムの暴走又はボード内のプリント配線或いはチップパーツの不具合の可能性が高い為、メインボードの交換を行った。その後は正常に動作し、DMX信号にも反応する様になって無事完了となった。
ADJ MBDMX:止まってしまった。検証すると、全く問題なく動作していた。今までの例ではベルト外れ、ベルトの張りすぎ、プーリー外れのいずれかであったが、今回の例はどれにも該当せず、DMX信号にも普通に反応していたので、とりあえずランニングしてみようと別の場所で電源を入れたところ、勝手に回り出し、回転数もランダムに変わってしまうという現象が突然現れた。この状態で本体に軽いショックを与えたところ、状態が変化したので、どこかで接触不良を起こしている事を想定してワイヤリングやコネクタの接続状況、メインボードを調べたが、特に怪しい部分は無かった。 しかし、先ほどの症状はどう見ても正常ではなかったので、さらに電子パーツの実装状況を入念に調べたところ、最終的に電源回路内の電解コンデンサのリードに緩みを感じた。この時点で一旦メインボードを外して該当するコンデンサの半田状況を調べたが、半田には異常はないが、やはり緩み感があるので、コンデンサを外してみると、本体から出ているリードそのものの付け根が緩んでいた。この状態では内部の接合面が断線している可能性が高いので、コンデンサを交換。その後同様のテストを試みたが、今度は異常は現れず完了となった。結果から推測して、コンデンサのリードが接触不良を起こした瞬間にコンデンサ内部で不規則な小さなスパークが発生してシステムを誤動作させた物と思われる。
ELATION DESIGNSPOT250L:シャッターが動作しない。検証すると、シャッター以外にカラーホイールとゴボホイールも動作していなかった。その他のモーターは正常だが、このモーターのみ初期化動作しないので、スタンバイ状態にならない。先ずはコネクションのチェックからケーブルの接続状況、パーツの状態までチェックしたが外観上の異常は認められなかったので、電源ラインをチェック。しかしDC電圧が基板内に入り、レギュレーターICを通過して5V電圧も正常に出ているので、電源回路にも異常なしの模様。またROM ICやクリスタルにも異常はなく、それ以外の回路やボードには問題なく、最終的にシャッター関連のモーターが接続されているドライバボード単独の不具合と判明。ボード交換にて完了となった。
ADJ SONICBEAM:点灯しない。大分前に販売されていたモデルで、かなりの年月、稼動し続けた様子。内部には多量の埃の蓄積とレンズの汚れも進んでいた為、先ずはクリーニングからの作業となる。その後各部を調べた結果、電球ソケットの劣化断線とリレー端子の半田付け部分の半田の過熱劣化が確認され、ソケット交換、半田修正後に動作チェックを行ったが、各部モーターの動作には異常はなく、リレーが入る音はするものの、依然電球は点灯しない。再度電球点灯回路を辿り、電源トランスを含めた導通を調べたが、他には異常はなかった為、リレーそのものの導通不良以外考えられない所まで到達。最終的にリレー交換にて完了となった。
ELATION POWERSPOT250:シャッターが開かない。検証すると、初期動作が終わってもシャッターが開かず、内部で光が点滅している様子。一旦消灯して、ヘッドのシェルを開けた状態で電球を外して動作させて見ると、ゴボホイールの初期化が終了せずに回転が止まらない状態であった。内部で点滅している様に見えたのはこの為であった。回転が止まらない原因を調べると、ゴボホイールの固定位置が所定の位置から外れている為マグネットがセンサーから遠ざかって反応しなかった為。またその為ゴムギアからも遠ざかって小さい回転ゴボは回らない状態であった。このゴボ位置を調整して動作させるとシャッターも正常動作して完了となった。シャッターが開かなかった原因は初期動作が終了していなかった為と判明。
SE DPDMX20L:LEDは点灯するがパーライトが点灯しない。検証すると、ch-1~3までは出力なし、ch-4が常時出力と言う状態だった為、先ず各ch毎に装着されているヒューズをチェックした所、ch-1~3まで3本断線。Ch-4のみ異常なしだった。第一段階として断線ヒューズを全て交換してテストすると、今度は全chとも常時点灯という状態に変わった。ここで内部を調べると、外観からは過熱後やダメージは見受けられなかったが、特性を調べてみるとトライアック(出力素子)が4個ともショート状態であった。原因は定かではないが、瞬間的に強大な負荷が掛かった様な状態が発生して、ヒューズが溶断する前にトライアックが強いダメージを受けてショート状態になってしまった可能性が考えられる。全てのトライアックの交換にて完了。
ADJ SHOWDESIGNER:雷が落ちてからコントロール不能になった。最悪の状態を想定して、先ずは内部パーツの状況を調べてみたが、特に外観上に焼けやスパーク跡のような物は見られず、電源程度は投入しても問題なさそうだったので、注意深く電源を入れると、一応起動するがメモリーエラーのメッセージが出て停止してしまう。そこで、取り敢えずリセットを掛けて見ると、今度はバッテリーローの表示。一旦電源を切って、暫くして再び電源を入れると再度メモリーエラー、試しにもう一度リセットしてみると、やはり今度はバッテリーロー表示が現れるので、メインボード上に実装されたバックアップ用ボタン電池を外して電圧を測ると0Vであった。そこでこのバッテリーを交換して再度リセットすると、今度はエラー表示なし、暫くして電源を入れ直しても正常に起動した為、完了とした。結局落雷によるダメージではなく、たまたまバッテリーの消耗時期が、落雷が有った日の前後に訪れたものと想定される。
ADJ MEGAFLASHDMX:電球がつかない。ヒューズホルダーが破損した。見た所、電球に異常はなさそうだったので、先ずはヒューズホルダーを交換して、伏せた状態で電源を入れると、微かにカチカチと放電音が聞こえるが電球が点灯しない。その放電音が何処から出ているか確かめようと向きを変えながら内部を覗いていると、時々点灯する事があった。これは内部に接続不完全な個所がある可能性が高いので、内部を調べてみると、特にコネクタ関連は異常ないので、メインボードを外して裏返してみると、配線の一部が断線し、一部が筐体に接触しそうになっていた。この為、時々点灯したり消えたりという不安定な動作をしている物と思われた。
断線個所を修正、仮組みして動作チェックすると、今度はいきなりメインヒューズが、パチンと音を立てて溶断した。そこでヒューズホルダを開けて見ると、余程激しい電流が流れた様で、溶断個所は真っ黒に焼けて、ガラス管が割れて砕けていた。これは尋常ではないので、ボード上の整流回路付近のダイオードを調べて見ると2本ともショートしていた。念の為整流用のブリッジダイオードを調べてみるとこちらも一部ショートしていた為、該当するダイオードを全て交換。その他パーツに異常が無いかを調べた上で仮組みして動作させたところ、今度こそ正常動作が蘇って完了となった。
ELATION POWERSPOT250:縦方向に動かない。先ず電源を入れずにヘッド部分を手で動かしてみると、横方向には軽い抵抗感と、モーターの回転音が微かに聞こえるが、縦方向には何の抵抗もなくフラフラな状態だったので、最悪ベルトの破断が想定されるが、カバーを開けて調べてみると、単にベルトが外れているだけであった。装着した後動作チェックを行い、特に外れそうな気配はなかったが、若干ベルトの張り具合を高めて完了とした。
ELATION OCTPOD80:LEDが点灯しない所がある。子機灯体が3個依頼されており、内2個はLEDが1個だけ不点灯、もう1台は同じ色が複数個不点灯という症状が現れていた。該当するLEDを外して調べてみると、1個だけ点かなかった灯体はLEDが短絡しており、複数個点かなかった灯体は、点かない内の1個が断線していた為に、シリーズ接続されたグループが全て消灯していた事が判明。LED計3個交換にて完了となった。
LITEPUTER CX1203:フラッシュSWが正常に動作しない。検証すると、1箇所のチャンネルのみ点灯したままになっており、そのチャンネルだけはSWやフェーダーを操作しても全く受け付けない状態になっていた。調べて行くと、どうやらフラッシュSW周辺にショート反応が見られるが、周辺を見る限り半田ショート等の異常は見受けられないので、一旦SWを外して調べてみると、SWそのものの不具合で、6極あるSW端子の2曲間が短絡したままの状態になっていた。小さなSWだったが、幸い分解出来る構造だった為、接点金具を外してみたが、まだショートしている。通常ならあり得ない話だが、最終的に、SWの電極間に微妙な導電性の汚れ、恐らく細かい端子パーツを加工した際に発生した微細な針状の異物が付着していた模様で、SW内部のクリーニングにて異常反応は出なくなった。
ELATION SCENESETTER:BLACK OUTのLEDが陥没している。LEDが低くなっているのかと思いきや、表からは完全に見えない状態で穴が空いていた。内部を調べてみると、恐らく工場でボードを装着した時点でLEDが大きく傾いたまま装着されてしまったようで、合わせるべき穴位置とは遠い位置に向いていた。理論的にはそのまままっすぐに立てれば良いだけなのだが、ボードが装着されたままの状態ではパネルに当たって修正できない為、一旦ボードを外して位置修正、再装着して動作チェク。他には問題が無かったので無事完了。
ELATION POWERSPOT250:点灯しない。検証すると、点灯しないだけでなく、チルトモーター、ゴボやカラーホイールが動作していない。ベース側とヘッド間の連絡配線が断線している様な挙動が伺われる為、端から導通を調べて行くと、どうやら首の部分の内部で断線している模様。これは少々厄介な場所だが、ヘッド部分を外して見ると、首の部分の内部で配線が絡まり、引っ掛ったまま回転していた様子で、最後には断線とショートを伴いながら過熱が発生した模様で、配線の被覆が癒着したまま数本の配線が断線していた。幸いにもこのハーネスには充分な余裕があった為、癒着した部分を全て切除して1本1本配線を接続、内部に引っ掛らないよう処置をして動作チェックした所正常動作が得られた。
ELATION OCTOPOD30:電源が入らない。検証すると、全く電源が入らない状態だった為、ヒューズ関係は元より配線や電源トランスまで調べたが断線等は無く、電源トランスの二次側にも正常なAC電圧が現れていた。そこで電源を入れた状態で基板上のテスターリードを当てられる個所を調べて行くと、レギュレータICの手前で電圧がなくなっていた。レギュレータ以降に異常負荷などの問題も無かったので、整流回路内の断線の疑いが高まった。そこで一旦ボードを外して配線を追っていくと、最終的にターミナルの端子部分、それもターミナルのベースに隠れる部分でのプリント配線の断線が原因と判明。接続して完了となった。
STAGE EVOLUTION DJSCAN250:メンテナンスして戻ってきた物がシャッターが開かない。検証すると、シャッターが開かないのではなく電球が点灯していなかった。電球交換口を外して見ると電球ソケットが電球から外れていた。恐らく輸送中のショックで抜けた模様。念の為内部チェックしたが他には特の問題なし、単にソケット抜けだけだったようで、装着後は正常動作していた為完了とした。
SOURCE BLADE:電源が入らない。先ずはそのままの状態で内部パーツの焼けなどが無いかどうか調べる為に天板を外してみると、内部基板上に装着されている筈のヒューズが付いていない。初めから付いていなかった事も考え難いので内部に脱落していないか調べた所、小さなガラス片が1つ確認出来た限りで、その他にヒューズの端子や破片らしき物も見つからなかった。ともかく、ヒューズを装着した後、電源トランスやその他構成部品に異常が無い事を確認したあと、一応電源インレット付近にあるメインヒューズの断線も確認してみた所、そちらも断線していた。メインヒューズも交換した所で動作チェックした所、何の問題も無く点灯、各部モーターも支障なく動作していた。何故ヒューズが断線したかは不明だが、結果的にヒューズ交換だけで完了となった。
AMERICAN DJ MBDMX:回らない。検証すると、取り敢えず回転するので、ミラーボールを吊るす様に逆さにして暫く動作させておいた所いつの間にかストップしていた。その時点で内部を調べて見ると、モータープーリーが浮いてベルトが外れていた。モーターのシャフトにはプーリーが擦れた様な細かい痕が見られた為プーリーを調べてみると、ネジで2点とめられている内の1点が緩み、もう1点もあまりきつくない状態であった。この為回転しているうちにプーリーが抜ける方向で浮いてきてしまい、ベルト外れを起こしてしまったものと判明。位置調整した後ネジ締めにて完了。
PLAYTECH SUPERSPOT250:ゴボエラーが出る。検証すると、初期化時にゴボ・ホイールがセンサーに反応しない為にエラーが出ている状態だった。センサー素子、配線等、順を追って調べてみたが何処も異常無し。ただ、検出マグネットの表面が鉄屑が付いたように荒れていたので、マグネットに付着してガサガサしている物を取り除くと、磁気はある物の陥没した状態になった。その時点で再度動作チェックしたが、やはり反応しないので、検出マグネットを交換した所正常に反応するようになった。結果的に原因はこのマグネットで、何故そうなったのかは不明だが、マグネット自身が劣化して砕けて陥没した為に磁力が弱まってしまった事に因る物と判明。今までにない例であった。
ELATION DP415:ch-3と4が点灯しない。検証すると、電源は入り、正常に動作している様子だがch-3,4のみ出力が得られない。そこで背面パネルを外してみると、内部基板上にヒューズホルダーが有り、ch毎の出力素子に繋がっており、ch-3と4に該当する回路のヒューズだけ断線していた。当然交換後は正常動作が得られ、単なる過負荷に因る物と断定した。
ELATION POWERWASH250:電源は入るが電球が点灯しない。先ず電源を入れると初期化は正常に行われ、一見問題ない様に思われたが、電球のON操作をすると、リレーが入って電球に起動電流が流れ始めると電源が切れてしまうという現象が確認出来た。もう一度繰り返しても同じ。そこでメインSWを外して2連になっているSW端子間のそれぞれの導通を調べて見ると片方だけ抵抗を持った特性が現れた。この為、電球点灯前の消費電力が少ないうちは問題なかったがいざ大電流が流れようとするとSW部分で電圧がドロップして消えてしまう事が判明。SW交換にて完了。
ELATION POWERSPOT250:プリズムがガクガクするという物。先ずは内部の汚れをクリーニングした後、動作チェックすると、定位置リセット、動作とも不安定で明らかに異常動作をきたしていた。ドライバボードのコンデンサ劣化やベアリングの油脂不足が発生していたので各部メンテナンスを行ったが変わらず。多くの前例では電源未投入時の回転負荷を正常値に戻してやれば解決していた類の物だったが、今回は別物であった。ドライバICも異常無し。結局ステップモーターのコイルの1本が断線していた事が判明。モーター交換にて完了となった。
ELATION ELDDMX20L:点灯しない所がある。先ずはLEDは点灯しても4chとも全く点灯しない状態であった為、調べてみるとヒューズホルダーにヒューズが装着されていなかったり、装着されていても断線していたり、ヒューズホルダーのカートリッジが破損している物有り、多量の埃の付着有りで、かなり戦い抜いてきた様相であったため、一通りのメンテナンスの後再チェックすると、2chのみ点灯しない現象が発生、コンセントから逆に追っていくと、出力素子を通ってドライバに到達するまでの間に断線がある模様だった。見たところ配線の焼けなどはなさそうだったが、2chのコイルがややぐらついていた。このコイルに問題有りとにらみ、ボードを外してコイルを外してみると、やはり片足だけ折れて短くなっており、リードが基板に届かない状態であった。これでは装着する事が出来ないので、新しいコイルと交換してみると無事正常動作が得られた。
ELATION POWERSPOT250:電球が点かなくなった。検証すると、一連の動作に問題はないが電球のみ点灯しないという状態だった。1年以上連続使用していた模様で、内部に多量の埃がこってりと蓄積していて、先ずは内部クリーニングからの作業となった。イグナイタやサーマルSWには異常は無かったが、ソケットの接点金具周辺、特に接点部分が黒く焼け焦げて穴が広がっていた。これでは正常に装着しても接触不良を起こしやすいので、ソケットを交換した後点灯させてみたが点く気配がない。メインボード上の回路もトランスやバラストも調べたが異常無し。最終的に左右のアームの中のヘッドに繋がる配線の一部の断線を確認。修復してようやく完了となった。以前にも電球が点灯しないトラブルのメンテナンスの経験はあるが、今回は始めて見る例であった。
ELATION POWERSPOT575IE:電球が破裂してレンズが破損した。検証すると、レンズとリフレクターに亀裂が入っていた。手順的にはシリコン接着を剥がしてレンズやリフレクターを交換すれば済むのだが、リフレクター側はアルミの枠の内側にはめこむ構造で、同シリーズのリフレクターを装着しようと思ったが微妙にサイズが合わず、フレームの径の方が僅かに小さい為接合できない。結局上手く合う物が無かった為フレームの内側を丁寧に研磨して勘合させ、完了とした。
ELATION POWERWASH250:動作がおかしい。検証すると、PANモーターが動作しない。モーター自身には制御電圧が加わっているようで、電源を入れた時には制動が掛かっているが、リセット動作も何も行われない。そこでボトム内に組み込まれているメインボードを調べてみたが、パーツの外観上は特に異常は見られなかった。CPU関連の故障は考え難いので、先ずはモーターに直結しているドライバICを入れ換えてみたが変わらず。次にドライバICとCPU回路の間で橋渡しとなっているインターフェースICを交換してみたところ正常動作が得られ、完了となった。
ADJ ACCUSPOT250:ゴボが回転しない、電球が時々消える。検証すると、先ずゴボホイールが手で回してみても回らない為、ゴボホイールを外してみるとゴボの一つのベアリングが固着していた。原因は油脂と埃が交じり合って熱で固まった物が接着剤状に固まって張り付いていた為で、クリーニング後油脂を注油して完了、あと、電球点灯不具合については、電球が劣化して内部が白く変質し、内部のガラスもやや変形していた為電球交換。この段階でざっとメンテナンスした後電源を入れてみると、ヘッド側のFANが回転していない。電圧を調べてみると正常に印加されていてFANの動作不良と判明。FAN交換後、電源を入れて、今度はFANも正常に動作する様になったのでムービング動作のチェックに掛かると、今度はカラーホイールが回転しない。手で回す限りは特に重さを感じないが、カラーモーターのコネクタ周辺がやや変色していた。そこでモーターコネクタを外して電極間の導通を調べてみると一部導通なし。コイルに繋がる接合部で断線している模様だった。断線個所の接合修復は困難だった為カラーモーター交換。此処まで完了させた所でやっと正常動作が得られ、完了となった。
SE DJSCAN250R:カラーが変わらない。検証する前に、先ずは内部やFANに埃がタップリ蓄積していたので、クリーニングを行いながら内部を調べて見ると、カラーホイールを回転させる為のベルトが外れていた。通常は外れない構造になっているのだが、モーター側のプーリーを固定するネジが緩んでホイール側のプーリーとの平行が保たれずに脱線した模様。一旦ベルトを掛けた上でプーリーの位置調整と増し締めを行い、完了となった。
ELATION SHOWDESIGNER:電源が入らない。先ずはACアダプタからチェック、出力電圧も正常で問題無い様子なので、電源回路を中心に調べたが目に見えた断線や焼けなどのトラブルは見当らない為、電源を繋いでおいて端から電圧をあたってみると、電源SW部分で途切れた。結局電源SWの接点部分の劣化による接触不良が原因であった。SW交換にて完了。
ADJ MEGAFLASHDMX:電源が入らない。検証すると、メインヒューズは断線していないが、全く電源が入らない状態だった。ACコードの断線もない為、電球の付いている方向からシェルを外し、メインボードを外して裏返してみると、内部にヒューズが装着されていて、ついでに断線していた。切れ方は激しくはなく、僅かな電流オーバーで断線した模様だった。そこで、元々即断タイプのヒューズだった物をタイムラグタイプに変更して動作チェックすると断線する気配もなく正常動作が得られた。
ELATION COLORSPOT250:HEAT表示が出て点灯しない。先ずは電球ソケットの装着具合等、一通りチェックして検証すると、普通に点灯して動作も問題なかった。その状態で暫く動作させていると、不意に消灯してしまった。そこでサーマルSWをチェックしてみたが、温度遮断はしていなかった。その他にサーミスタを使用した温度センサーが有るので調べてみると、センサーに埃が付着して冷却風の流れが悪い状態であった事と、装着されている鉄板とのギャップが狭い様だったので、クリーニングとギャップ調整を行った所消えなくなった。結果的に、原因は熱が篭った為のセンサーの誤動作と判明。
PLAYTECH SUPERSPOT250:ヒューズがすぐ飛ぶようになった。検証すると、メインヒューズではなく、内部基板上のヒューズが、一見正常のようだが導通チェックすると断線しているという症状が現れていた。同時にヒューズホルダーに過熱痕が有り、ホルダー金具に緩みが見られた。結果から判断して、電流オーバーに因る断線ではなく、ホルダーの緩みが原因で発熱し、やがて自然断線のような結果になっていた模様。ヒューズホルダー交換、異常は発生しなかったが、念の為各部を調べたが、1年以上業務使用している割には各部のメンテナンスが行き届いており、他に不具合が無い事は勿論、殆ど磨耗も無く状態は良好であった。
ADJ ACCUSCAN250:突然電球が消えてFANが回らなくなっていた。検証すると、動作的にはFANが回らない以外は正常だったが、ディスプレイのパネルや制御基板上のコンデンサに過熱跡が有った為、何らかの原因でFANが故障し、そのまま電球が点灯していた為に内部温度が上昇し、温度プロテクトが働いた物と思われる。パーツ交換にて完了。
SE FS250:電球が点灯しない。検証すると、電源は入り、ディスプレイ関連や各部モーターは正常に動作しているが、電球だけが点灯しない。電球ソケットの装着具合や電球劣化も無く、各部配線も一見して問題なかったが、実際に端からコネクション部分を引っ張りながら調べて行くと、最終的にコンデンサ部分の配線がグラス繊維で覆われた中で接続不完全な状態になっていた。この部分を接続して完了となった。
ELATION POWERSPOT250:チルトのベルトが外れた。検証すると、チルト側のベルトが外れて内部にぶら下がっていたので装着。動作チェックしてみると、異様に緩く、ギアの上で横方向に滑らせると軽く滑ってしまう。その為、パンとチルトが同時に動いているうちに滑り落ちてしまっていると判明。ベルト調整後、動作チェックして完了となった。
ELATION SCENESETTER48:DMX信号が出ていない。検証すると、DMX信号レベルが極端に低い状態だった。内部の電源基板に搭載されているドライバICを調べてみると、ICの背中の中央を横断する形で亀裂が確認出来た。また、7番pin付近が黒く変色し、亀裂部分から煙が噴出した形跡がある。このICのみを交換して完了となったので、DMXケーブル等を伝わって外部から強い電気ショック等を受けてICが破壊された可能性が高いと考えられる。
PLAYTECH SUPERSPOT250:症状はプリズムエラーが出るというもの。検証すると、先ずは何も現象が現れず正常に動作していたので暫くランニングさせてみたが、それでも問題は発生しなかった。前例ではプリズムの初期位置検出用センサーのズレが原因でエラーが出た事があるが、今回の物は位置的な問題もなく、プリズム自体の動きにも問題ないということは、やはり問題はセンサー関連の不具合しか考えられない。そこでセンサー周辺の詳細チェックを行った所、センサー素子が装着されている小さな基板上のコネクタの半田が不完全で、3本あるピンの内1本の半田の流れが悪く、若干はじけた形状になってピンに接触しているだけの状態が確認された。この為こちらに運ばれる時の小さな振動で接触面が磨かれて現象が治まっていた模様。半田修正にて完了となった。
ELATION SCENESETTER48:物を落とした為のフェーダー破損。検証すると、メイン回路周辺のフェーダーが6個ほど、シャフトごと折れてノブが欠損した状態だった。原因は物を落とした時の強い衝撃による物である事は報告内容からして明らかだが、状態を調べてみると、フェーダー内部のスライダーとシャフトを結ぶ結合部が折れていた。勿論この状態では修復不能の為フェーダー交換となったが、幸い基板やフロントパネルにはダメージはなかった為フェーダー交換のみで完了する事が出来た。
ELATION POWERSPOT250:シャッターが半分しか閉まらない。状態は良く外観も綺麗な為それほど酷使されていない状態だったが、原因を調べてみるとシャッターのプレートのモーター軸固定ネジが緩んでいた為に正常に初期化が行われないばかりか、動作中に開閉具合が変化している事が原因であった。その部分を増し締めした後、各部ネジの締め付け具合もチェックしてみたが異常無し。結局この部分だけが元々締め付けが甘かった為に稼動中の振動により緩みが発生した物と思われる。
SE PC3:コードが抜けてしまって電源が入らない。検証すると、ACアダプタを接続するジャックの内部が陥没してしまってDCプラグを接続出来ない状態だった。内部がどういう状態なのかを調べる為シェルを外してみると、内部配線の先端にDCジャックの部分パーツが繋がったままの状態で内部に落ちていた。調べた所破損はしておらず、単にDCジャックの外周のネジ側から内部パーツの樹脂部分のはめ込み部分が抜け落ちていただけだった為、容易に接合修復する事が出来たが、念の為接合部分にエポキシ剤を塗布して抜け止め処置をして完了とした。その他状態は異常無し。
ADJ WARP:ゴボが変わらなくなった。大分古い機種でかなり使い込まれている様子だったが、検証するとゴボホイールが全く回転していない。他のミラーモーターは正常で電球も点灯しており、メインボードからも電圧が現れているのでモーター単体の故障と言う部分までは直ぐに判明したので、モーターを調べてみた所、内部の減速ギアが磨耗してしまってシャフトが空回りしている状態だった。特殊な専用モーターの為取り寄せに時間が掛かったが、何とか入手する事が出来、モーター交換にて無事完了となった。
ELATION SCENESETTER48:本体を動かすとカラカラ音がする、時々突然ブラックアウトになる。先ずはカラカラの正体を突き止める為筐体を外してみると、直径3mm程の、紛れも無い砂岩のかけらが転がり出てきた。どのような経路で内部に混入したかは予測できないが、可能性としては他の機材と一緒に車両等に積載する際に混入した事などが想定される。この異物に少々の発泡材のかけらなどが見られたが、何れも導電性の無い物だったので突然ブラックアウトする現象とは無関係である事が確認された。ブラックアウトについても、特に本体側から特定できる要因は得られなかった為、想定される原因としては、多くの灯体を一度に点灯させて大電力を使用した時に電源タップ末端に発生する電圧降下の影響が考えられる。
ADJ ACCUSPOT250:ゴボがおかしい、DMX操作を受け付けない。長期に渡り営業稼動していた様で、内部には多量の埃が蓄積しており、FANも今にも埃が挟まって失速しそうな状態だった。先ずはこの物凄い埃を綺麗に取り除いてからの作業になったが、調査の結果ゴボ・モーターのベアリングが油脂不足で固着、DMX動作については、恐らくアドレスが想定外の番地に不意に変更されていた為にコントロールを受け付けなくなっていた物と考えられる。各部メンテナンスして無事完了
ELATION ACTIVESCAN250:電球は点灯している様だが光が出て来ない。検証すると、特にエラーのようなメッセージも無く一見問題無さそうな動作をしていたが、テストモードにしてみてもシャッターが開かない為光が出てこなかった。モーターや配線、ボード各部を調べたが異常は無く、モータードライバも正常動作しているのでシステムのバグを疑いメインボードを差し換えて見たが変わらず。色々調べているうちに結局メインボード関連にはどうしても異常無しと言う結論になり、もう一度メカ部分の調査に掛かり、最終的にセンサーのリードの1本が微妙に半田不良を起こしており、いわゆるイモ半田状態になっていた部分を発見。半田修正にて完了となった。
SE DJCOLOR250:動作がおかしい、ということで検証開始。オートモードでは電球は点灯し、カラーホイールの動作もスムーズ。特に異常は見られなかったが、他の灯体とリンクさせてDMXで動作させると動作が揃わないことが判明。調査の結果カラーホイールの回転位置のズレが原因と判明。修正して完了となった。
ELATION COLORSPOT250:途中で誤動作してしまう。検証すると特に問題が見られないため故障箇所を推理する事が出来ない。先ずは埃だらけの本体内部をクリーニングしようとキャビを開けると結構な量の埃と、スモークオイルの湿り気があった。特にこの汚れはFAN周辺に集中して、ハーネスのコネクタ部分にもこってりと付着していた。そこでコネクタを外して掃除するついでに内部の接点金具を外してみると割れ発見。この部分はパン・モーターの回転検出を行うセンサーに繋がる部分なので回転精度と密接な関係を持つ場所だ。最終的に他には特に問題なく故障の原因はやはり此処で、端子修正にて完了となった。
ELATION ACTIVEWAVE250:電源は入るがコントロールできない。検証すると、確かに動いてはいるが光が出ておらず動作不良を起こしている。数分動かしていたら本体が温まって来たので電球は点灯しているようだがシャッターが開かない様子。調べてみるとゴボやカラーホイールとシャッターの相互のギャップに乱れが生じ、一定の回転角の組合せで悪条件が重なるとホイールやシャッターが引っかかって動かなくなる事が判明。一旦分解して各部ホイールの固定位置や反り、歪みを全て修正して完了となった。本体外部には結構使用感があり、頻繁に移動や設置を繰り返すうちに歪みが発生してきた模様だった。
ADJ POCKETSCAN:全く動作しない。検証すると、電源を入れても全く反応しない状態であった。この状態で一番考えられるのはメインボードの不良だがかなり古くその他パーツも傷んでいてもおかしく無いが現状では調べられないので先ずはギッシリ溜まった埃を全て取り除いてからメインボード交換。その状態で仮組みして動作したところ問題なかった為細部を調整した後正式に組み立てて動作チェック異常無し。これだけ酷使された後でモーターケーブル断線やFANの劣化もなく、ボード交換のみで復活するというのは有る意味当たり機種と言えよう。ともかくしっかり作り込まれている為コストは掛かっているがそれだけ長寿命設計とも言える。
ADJ POCKETSCAN:電球が点かなくなった。原因は電球切れやトランス不良ではなく、電球ソケットの接触不良。このソケットはワンタッチの差し込み式で内部構造は小さなコイルスプリングと接点金具の組み合せになっているのだが、スプリング部分が腐食してボロボロになって接圧を失っていた事が接触不良の原因であった。ソケット部分を新しい物と交換する事により完了。
ADJ POCKETSCAN:電球点灯せず。こちらは電球やソケットには異常はなく、電球の点灯をコントロールしている制御回路やリレーも正常に動作していたがソケットに電圧が現れない。そうなると配線のどこかに断線箇所でもあるのだろうかと思い配線を追っていったが、結局配線ではなく点灯用電源トランスが断線している模様。トランスの結線を外して導通を調べてみると一次側コイルの断線が判明。パーツ価格は少々張るが点灯用トロイダルトランスの交換が必要となった。
ADJ LIGHTCOPILOT:動作不良。検証するとch-3が常時点灯でch-5が点灯せずと言う症状が出ていた。先ずはコントローラーから調査して、コントロール系に異常が無い事を確認した上で出力回路を調査すると、出力のサイリスタが2本ショートしており、更に5chは抵抗素子とアイソレータも不具合を起こしていた。パーツが異常をきたした原因が何であるかを断定する要素は無いので何とも言えないが、過大負荷による故障とも考えられる状態だった。
ADJ VIRTUALBEAM:時々電球が付かなくなる。こちらの検証では一向に現象は再現しないので先方に確認した所、実はこちらでも30分位点灯して試したが現象は出なかったので、もしかしたら故障では無いのかもしれないと言う。また、エンドユーザーから引き受けた時点で埃の付着が酷かったので少しクリーニングしてから試したと言う。結論から判断すればこのクリーニングで直ってしまっていたと言える。原因は多量の埃による冷却効率低下によってランプ周辺に付いているサーマル・プロテクトが働いてしまった模様。内部クリーニング及び各部点検にて完了とした。
ADJ SCENESETTER:チャンネルのLEDが幾つか点滅、数字表示部も上部のみ点滅。動作状態としてはシステムが暴走しているか、電源電圧が著しく不安定になっているような様子だった。基板を外して詳細を調べてみると、飲み物らしき液体が内部に入った痕跡があり、部分的にプリント配線のレジスト材が激しく腐食していた。レジスト材をクリーニングした所、幸いな事に配線を形成している銅箔自体への腐食によるダメージは予想以上に軽く、ICソケットの交換のみで完了させる事が出来た。
ADJ MIDIPACK:「下がる」キーが働かない。この類の故障の原因として多いのは通常キースイッチ自体の接触不良か半田の不具合と言う場合が多いが、今回は何れも問題なく、半田や各パーツの実装状況も良好だった。しかし再度仮組して動作テストを行っても動作しない状態なのでSW回路から別回路に渡った先にテストピンを当てて測定するとSW動作が反映されていない。間にはコネクタしかない。結局コネクタ内部の接触金具の変形(開き)による接触不良。金具修正によりFIX。
ADJ SCENESETTER48:時々電源が落ちたり動作不安定で操作パネルの中央を押すと状態が変化する。検証してみると確かにパネルを押すと変化がある。そこで一旦キャビネットを開けた状態で電源を入れ、基板を撓ませたりしてみたが一向に変化しない。先ずは内部電源ラインの電圧を調べてみるといきなり来ていない。そこで操作パネルと分離している小さめの電源基板を調べてみると、5VラインのレギュレータICのリード部分で半田がクラックを起こして浮いていた。このICは基板に実装されているのだが、放熱板は筐体に直接ネジ止めされている為、リードの曲げ寸法が若干狂っていて半田クラックを起こしやすい応力が掛かっていた事が判明。
ADJ DPDMX20L:ディスプレイに「日日日」と表示され操作不能になる。検証するとディスプレイのみ全点灯して本体は全く動作していない様子だ。電源は入るので先ずコントローラ・ボードとメインボードの接合部の導通を疑ったが特に問題なし。コントロ-ラー用5V電圧も正常に印加されている様だ。とするとシステムICが動作していないのか。最終的にIC動作の基本となるクロックを刻むクリスタルが動作不良を起こしており、クリスタルの交換によってFIXとなった。
ADJ VIRTUALBEAM:電源を入れて一定時間が経過すると動かなくなる。検証すると本体内部に綿埃が沢山積もっていた為、恐らくこれで熱がこもってサーマル・プロテクタが働いてしまったに違いないと判断して分解掃除をする。掃除が完了して数時間のエージングをして異常が無ければオーバーヒートと言う事で結論付ける所だったが、組み立て後起動した直後に突然停止したので調べてみると、なんと制御ボード上のヒューズの芯がうっすらと折れかけていた。
ADJ LIGHTCOPILOT:8個繋いだ内の7番コンセントに繋いだ灯体(PL4450)だけ直ぐにヒューズが飛ぶ。こちらで点検した限り異常は全く無く、また出力電圧を操作したりはしない機種なのでヒューズが切れるのは灯体側か電源電圧の問題ではないだろうかという事で一旦返送して試してもらったが、どうしても7番だけおかしい、また8番もおかしくなったと言う事で再度の点検依頼となった。もう一度詳細を調べたがこれと言った不具合は確認できず、ピンスポを8台接続して様々な条件で動作チェックを行った所、電源電圧を120V以上に上げた時点で接続したピンスポが8台とも同時にヒューズが切れた。(LIGHTCOPILOTの電圧表示は120Vだがピンスポの表示は115V)これはCOPILOTの出力電圧がピンスポの定格115Vを超えた為と思われるが、先方に確認した所100Vで使っていると言う。電源配線や信号配線について詳しく尋ねた結果、オプション購入で現場に施設してある為こちらに返送しなかった15Mのコントロール用ロングケーブルに問題(断線気味)ありと断定。ケーブルを交換する事によって解決となった。
ETA MC8C:フェーダーの動作がおかしい。原因はフェーダー単体の導通不良の為、作業的にはフェーダー交換で対応出来たが、導通不良を起こしたフェーダーを分解して検証した所、何故か躍動子(フェーダー内部の接点金具)がカーボン皮膜に接触しなくなる所まで潰れてしまっていた。躍動子はバネ圧を持って接触しているので、上から押されて多少沈んでも戻る様になっていると共に、必要以上には押せない様ストッパー構造も付いているので、フェーダー内部に異物でも混入しない限り通常は躍動子が接触しない位置まで潰れてしまう事は無い筈なのだが、有力な証言は得られず真相は謎となってしまった。
ADJ H650:時々回転しない。検証してみるとギアが上手く噛み合っていない様子で、特に回り始めが重苦しく、電源電圧等の条件によっては始動不能となる状況も予測できる状態であった。回り出してしまえばさほど感じられないが、手で回してみても確かに硬く感じる。H650は特殊なギアボックスがついていて、グリスまみれになりながら分解してみると別段何処かのギアが割れているとか変形しているとか言う不具合は無かったが、円筒状のギアの中で3個の衛星状に回転する特殊なギアの相互の組み合わせが1歯でもずれると遊びが無くなり、極端に動きが悪くなる事がわかった。特にマッチング・サインらしき物は見当らないので、組み合わせを変えながら、一番しっくり噛み合う組み合わせを探して組み立てた所、適度の遊びとスムーズな始動を確認することが出来た。
ADJ MEGASTROBE:電球を交換しても全く点灯しない。今まで使えていた筈なのに電球を替えても点かないと言う事は、もしかしたら電球側に何らかの問題が有る可能性が有るが、外観上の異常も無く、フィラメントが無い放電型なので初めから壊れている事は考え難いのでボードの調査に入った。先ずディップ・スイッチの設定によってテスト・モードを選択し、点滅の速度や明るさも大体中程度に設定して電源を入れるがやはり点かない。もう少し掘り下げて整流ダイオードからトランジスタ、抵抗に至るまでの特性を一通り調べ、制御電圧も調べてみたが異常は認められない。勿論110V、120Vでも試してみたが状況は変わらない。となると制御回路が起動していないと結論付けるしかないが、何のきっかけも無く突然コントローラ・チップが死亡する事は考え難いので、制御回路の音頭取りとなるクロックを調べた所、どうやら正しい周波数で安定して発振していない様子。此処まで来ると不具合は発振回路かクリスタル(水晶発振素子)のどちらかになるが、LSIに繋がる発振回路の外部構成部品は故障する可能性が殆ど無い一般的なセラミック・コンデンサのみになるので傾向的にクリスタルの動作不良と断定。交換して無事FIXとなった。
ETA MC1224CM:フェーダーが反応しないチャンネルが有る。検証してみると、どうも曖昧な動作をしている。ある時は正常に動作していると思われたフェーダーが突然効かなくなったり、フェーダーを動かしていると違うチャンネルのLEDが点灯し始めたり消えたりと、暴走してしまったのかと思われるような動作をする事もある。確かにCPUを使用しているので条件によっては暴走する事も有り得ると思うが、リセットしなくても直って正常に動いてしまうような事が有る状況から暴走は考え難い。良く見ると、フェーダーのハウジング(フェーダーを形成する金具)の一部がICの根元のランドにギリギリまで接近しており、その付近で不要なショートが発生して信号を乱していた可能性がある。また実際に接触不良を起こしているフェーダーも有った為、該当フェーダーの交換とハウジング接近箇所を修正した所問題は発生しなくなった。
ADJ VERTIPRO:点滅してしまう。先ずはカバーを外して内部を見ると、2個有る内の電球点灯用給電ブラシの1個が極端に磨耗しており、モーターを回転させると電球が付いている軸のブレに応じてブラシに触ったり離れたりしており、回転子の半周ほどが焼け爛れたようになっている。電極が2個ある内のもう一個は殆ど磨耗していない事から、許容以上の軸ブレが発生した場合、アークが発生しやすくなり、一旦アークが発生して導通しない部分が出来るとさらにアークの頻度が増えてどんどんブラシを焼いていってしまったと考えられる。軸に関しては構造上全くブレを無くす事は出来ないが、問題ないレベルまで調整した後ブラシを交換し、回転子を丹念に磨き、最後に油脂を馴染ませてFIXとした。
ADJ MAX:動作不良 動作検証では正常に動作してしまい、なかなか現象が再現しなかったが、最終的に内部制御回路用のヒューズホルダーの緩みが原因である事を突き止めた。接触不良によるトラブルの場合、使用現場では常に現象が出ていても輸送時の小刻みな振動で磨かれてしまってサービスセンターに着いた時点では直ってしまっている為に故障箇所が見付けにくい例は少なくない。
ADJ MAX:動作せず。検証すると小さく”ウーン”と回転音らしい音はするのだが確かに回っていない。裏側から覗くとモーターのシャフトがゆっくり回っているのが確認出来たので、シャフトの固定ネジ緩みかと思い、表側を覗くとこちら側はシャフトが回っていない。何とステップ・モーターのシャフトが折れてローター部分だけが回転していた。本体外部に傷は無く、強い衝撃が加わった跡も無いので、余り考えられない事ながらステップ・モーターそのものの製造工程か何処かでクラックが入っていて使用中にポッキリと折れてしまった物と推測される非常に珍しい例だ。
ADJ MEGASTROBE:点灯しない。この電球は放電型なので普通の電球の様にフィラメントに導通が無いからNGという判断が出来ないので単体では点灯可否の判断が出来ない。今回のクレームは電球の劣化よる物と思われるが、冷えている時には若干放電する様子が伺えるが点灯には至らず、やがて温まって来ると不安定に点き始め、完全に温まると正常に点灯する事がわかった。勿論新品の電球に換えれば冷えている時から安定して点灯する。