CP PM802FX:異音がして正常動作しない。検証すると、レベルメーターの横にある2つの内部電源表示インジケータの内一つが点灯しておらず、内部直流電源ラインの-側がドロップしている様な動作状況が見受けられた。そこで内部電源回路を調べようとプリ部を固定しているネジを外すと、1本だけオリジナルではない、不自然に長いネジが使用されており、調べてみると先端が内部のプリント配線に接触していてシェルのGNDと短絡している可能性が疑われた。何故此処だけ長いネジが付いていたかは不明だが、仕様がオリジナルとは全く異なるタイプの木ネジだった為、ユーザーメンテナンス時にオリジナルのネジと入れ替わってしまった事が考えられるが、幸いダメージはなかった模様で、ネジを許容内の長さの物に変える事によって正常動作が得られ完了となった。
PEAVEY ESCORT:FANが回らない。検証すると、電源は入り、ミキサーの基本動作も特に異常は見られない為、電源回路は無事の様であった。そこでシェルを外しFANの配線を追って動作をチェックしてみると、やはりFANそのものの故障と判明。相当期間使用された模様で内部にも多量の埃が付着していた為、クリーニング後FAN交換した後仮組みして動作チェックに入る。各chの詳細動作をチェックしていくと、最後のステレオchでフェーダーのガリが発生。フェーダー交換にてようやく完了となったが、小型ながらもミキサーのchボードの着脱には相応の時間工数を要した。
PHONIC POWERPOD1062DELUXE:ch-3がLOW抜けする。検証しても現象が確認出来なかった為、問合せてみるとコンデンサマイクでその現象が出たというが、やはりこちらでは再現しなかった。そこでプリアンプ部を外してプリント配線を追っていくと、一部にアロンアルファ状の接着剤が付いている箇所があり、その部分はch-3のXLRコネクタの3番を半田付けしている部分なので、丁寧に剥がして見ると、やや不自然な半田修正跡が確認された為、一旦奇麗に半田を吸い取って調べてみると、その部分のプリント配線がやや浮き気味で、断線しかけている事が判明。どうやら工場で生産中にプリント配線が断線してしまい、不完全な半田修正を行って、その上を隠すように接着剤を垂らして固めてしまった物と思われる。その部分を補強修復後、完了とした。
PHONIC MU1202X:ch-1信号が通らない。検証すると、ch-1の入力のみ、XLRもTRSも入力しない。ジャックには異常は見当たらないので、シェルを外してOPアンプ回路周辺のパーツ状態や半田状態をくまなく調べてみたが異常なし。最終的に、I/Oボードからメインのchボードに繋がるフラットケーブルのコネクタのコンタクト金具の一つが緩んでいた為の接触不良と判明。金具修正にて完了となった。
PHONIC POWERPOD1860:PANを振るとスピーカーから音が出なくなる。検証すると特に異常はなく、接触不良や不安定な挙動もなかった為ユーザーに確認を入れてみると、スピーカーケーブルを反対側に差し込むと音が出なくなるという。この2つの状態から推測されるのはスピコンコネクタ内の配線の問題。通常は1+と1-に接続されるところ、2+、2-に接続された場合、この様な状態になる事を説明の上、本体は異常なし返却としてお試し頂く事になった。
UREI 1620LE:ヘッドホンからは音が出るがマスターとハウスから音が出ない。以前、同等の内容でエフェクトI/Oのジャンパーピンが外されていた例や、誤ってTAPE I/Oに差し替えられていた例があったので、背面を覗いてみると一応エフェクトI/Oに付いている。しかし、よく見ると、OUT-IN間ではなくL-RのIN-INとL-RのOUT-OUT間に接続されていた。これでは出る筈がないので正しい位置に差し替えると完了となった。
PEAVEY ESCORT:マイクのXLR入力にするとフェーダーが効かなくなる。そんな筈はと思いながら、まずはL-chにSPを接続してch-1から順に検証していったが、マイク/ライン入力とも正常にコントロール出来た。次いで、SPをR-chに接続し直して再びch-1からチェックしていくと、ch-4に接続した時にいきなりレベルが上がって制御不能になった。おやっと思いch-3に接続を戻すと問題なし、やはりch-4がおかしい、更にch-4のラインに入力しても制御出来なかった。結局チャンネル入力の片chだけが制御不能のため、XLR入力の時だけおかしいとの錯覚を起こした模様だった。ともあれ、ch-4のR-chは明らかにおかしいのでフェーダーを調べてみると、内部に小さな異物が混入してスライド接点を浮かしていた事が判明。取り除いた所正常動作が得られ、無事完了となった。
PHONIC P260:エフェクトが効かない。検証すると、EFXのインジケーターは点灯するが、エフェクトつまみを操作しても全く効果が得られない状態であった。このような場合、このミキサーに限らず、EFXボード単体での動作不良による物が多いのだが、今回はエフェクトボードには問題なく、試しに交換しても改善されなかった。電源ラインも正常で、その他動作は問題なく、EFXのメインPOTにも異常は無かった。結局母体のchボード側のプリント配線の不具合である事が判明、その内部の何処が断線又は短絡しているかまでは突き止めるには至らなかったが、chボードをとり寄せて交換にて完了となった。
ART 418:電源が入らない。検証すると、電源トランスの一次側が断線していた。ストックが無いのでパーツ手配し、程なくして入荷後、先ず交換した後、他に異常が無いかメインボード上を調べた所、DC電源ラインのノイズフィルター用コンデンサの一つが変質しており、触ってみると全体が極端にもろくなっていて、さほど力を加えずとも簡単に砕けてしまった。結果から判断して、コンデンサにリークが発生し、次第に電流が増し、やがて焼ける寸前にまで過熱した状態で暫く経過し、遂に電源トランスまで異常加熱を引き起こし、温度ヒューズ断線と言う結果に至った物と思われる。トランスとコンデンサ交換後、もうそれ以外には異常の無い事を確認した後動作チェックして完了となった。
UREI 1620LE:XLR出力から音が出ない。当初問題なかったが、検証を重ねるうちに一度だけ現象が確認出来たので、コネクタボードの半田付け等の不具合を疑ってコネクタボードの裏側が見える所まで外した所で現象が出なくなってしまった。XLRジャック周辺の半田状況を確認したが、特に怪しい部分は見当らなかった。そこで、メインボードに繋がるコネクタ関係を確認すると、他のコネクタと比較して若干浮いて傾いている。そのまま押してみたが入らないので、一旦外した後、ピンの曲がりがないかなど確認した上で、垂直に差し込み直してみると浮きも傾きも無い状態でキッチリ接続できた。どうやらこの接続部分で接触不良を起こしていた模様。動作チェックも異常無しで完了。
NUMARK PPD01:電源を入れると激しいノイズが入る。検証すると、信号無入力の状態でも出力から大きなハムノイズ状のノイズが発生していた。このノイズはジャックの抜きさしやツマミの操作でも変化していて、挙動の因果関係が全くつかめなかったが、現象的にはGND浮きのような音なので、GND関連の半田不良やコネクタの接続具合を調べたが異常は見当らなかった。とすると、電源回路に何か問題があるのかも知れないので、周辺パーツを調べてみると。平滑回路内のリップルフィルター用電解コンデンサの一つに若干頭部が盛り上がっている物を発見。早速外して容量をチェックしてみると明らかに容量抜けを起こしていた。最終的にこのコンデンサのみの交換で他には異常はなく、無事完了となった。
RODEC MX180MKⅢ:電源は入るが音が出ない。検証すると、出力に信号コネクタを差し込んだ瞬間だけレベルメーターが反応するが、どのチャンネルからも音が出ない。しかしパーツの状態を見る限りチャンネルボードもマスターボードも全く異常は見られない。ICや抵抗など、パーツ単体での不良は考え難いので、コネクション関係を中心に調べて行くと、最終的に電源ボードのコネクタを触ると状態が変わる事が判明。ボードを外して裏返してみると、電源ラインに繋がるコネクタの半田付け部分にクラックが入っていた。結局半田修正で完了。
RODEC MX240MKIII:音出ず。当初、音が出なくなった、内部のヒューズ抵抗が断線したと言う症状で預り、ヒューズ抵抗交換後、動作チェックすると正常になったが、どうもヒューズ抵抗が切れる事だけが問題ではない様なので、数日間傍らで信号を繋ぎっ放しでランニングしていた所、いつの間にかレベルメーターが振れていない状態に陥っていた。一旦電源を切って入れ直しても回復しないので、もしかしたらヒューズ抵抗が切れたのかもしれないと思い内部を調べたが抵抗は異常無し、パネル上の+と-の電源ラインの正常動作を示すインジケーターも点灯しているので電源は生きている模様。また、どのchも入力しなくなっているので、単独chの故障ではなく、メインアウト系の不具合らしい。しかし、メインアウトのボードを調べても異常は見当らないが、何故か-電圧が無くなっていた。そこで-の直流ラインを追っていくと、電源基板のコネクタから出ていないことが判明。基板を外して裏返してみるとコネクタピンの半田付け部分に微妙なクラックあり。修復して無事完了となった。
PHONIC MU1822X:R-chフェーダーが時々接触不良を起こす。検証すると、なかなか現象が現れ難い症状だったが、0dBより上のレベルまで上げてフェーダーを微妙に揺らすと時々レベル落ちすることが確認出来た。そこでフェーダー交換する事になったが、まともに掛かれば全てのツマミやフェーダーノブを外した後、チャンネルボード全体を外さなければならないと言う大掛かりな手段になってしまう為、別の手段をとる事にした。勿論中央のフェーダー交換の場合は諦めて全てを外さなければならないが、幸いマスターのR-chは一番端に位置している為、若干のノブと固定ネジを外した状態で、ボードを若干撓ませる事により、何とか隙間から引き出して交換することが出来た。
CP PM602FX:片ch音出ず。検証すると、指摘の通り片chのみしか出力が得られなかった。レベルメーターは振れ、ヘッドフォンOUTからも音が出ていたので、出力アンプモジュール側の問題と判明、シェルを開けて調べてみると、背面のボリュームPOTが内側に傾いており、POTの基板が2枚とも折れていた。音が出ていた方の基板はかろうじてカーボン皮膜が繋がっていて信号が流れていた模様。原因は使用中にPOTのツマミ部分を強くぶつけたか、背面から落下した物と思われる。POT交換にて完了。
RODEC MIXBOXMKIIDG:フェーダーを絞っても音が残る:検証すると、ch-1のフェーダーのみ絞ってもR-chの音が残ってしまうと言う症状が出ていた。先ずパーツの実装状況やコネクションをチェックしたが異常無し。半田状態も一見問題なさそうだったが、信号を入力してモニターしながら基板を動かしてみると正常になる事があったので、やはり何処かの接触不良らしいことが分かった。最終的にフェーダー端子のGNDポイントの半田が、見た目上は付いているのだがパターン面で剥れて浮いている事が原因と判明。再半田して完了となった。
PHONIC POWERPOD740DELUXE:少し音量を上げただけでリミッターが働いてしまう。検証すると、正常動作していて現象が再現しないので、コネクション関係を一通りチェックした後、メインボードの半田面をチェックすべく、大きなヒートシンクから基板を外して裏返し、半田面の詳細チェックを行った所、トランジスタの1つのリードが折れていた。今回は原因から先に見つかってしまった感じだが、プリドライブ関連のトランジスタなのでほぼこれが原因と断定できた。幸い半田付けにて修復可能な箇所だった為半田修正して、再度動作チェックして異常無き事を確認した。
RODEC MIXBOXMKIIDG:ターンテーブルを繋ぐとノイズが酷い。検証すると、明らかにGND浮きの症状で大きなハムノイズが発生する。勿論ターンテーブル側のGNDケーブルをミキサー側に接続した上での事で、ピンケーブルのGNDの導通も含め、ケーブル上の断線はなく、PHONO入力側のピンジャックにも異常は無い。どうもGNDターミナル自身が筐体GNDに落ちていない様子なので導通を調べてみると、筐体の塗装に絶縁されていて電気的に接続されていない状態だった。原因は、外歯ワッシャが装着されていたが締めが甘かった為か塗装をつき抜けていなかった事。そこで一旦ターミナルを外した後、ワッシャ部分の塗装を削ってターミナルが金属部分に接触する状態にして組み上げると正常動作が得られるようになった。
RANE TTM56:クロスフェーダーの動きが重くなった。検証すると、確かに他のフェーダーと比較すると重さを感じる。そこで幾つかのツマミを引き抜いてTOPパネルを外すとフェーダーが容易に外せる構造だった為フェーダーを調査。原因はフェーダーのスライドシャフトに絡みついた細かい埃がフェーダー側の穴とシャフトの間に詰まっていた為であった。フェーダーそのものもネジ止めで比較的容易に分解メンテナンス出来る構造だった為、一旦本体から外して各構成パーツ単位に分解、クリーニング後、少量の潤滑油を塗布して仕上げた所正常動作が蘇った。
PHONIC POWERPOD1860:電源SWが入ったまま切れない。検証すると、SWが機械的に固着してしまっていて動作しない。同時に背面パネルの一部が変形してコード巻き兼脚部が内側に傾いている。パネルを開いて内部を調べてみると、この曲がりが原因でSWが動かなくなっていた事が判明。この部分は相応の手当てをして回復出来たが、動作チェックするとch-1のヘッドアンプ周辺に不具合が有り、時折バツンバツンと言うノイズが発生しているので、改めて調べると、最終的に数箇所の半田クラックが確認出来たので、この部分を修正した所異常無しとなったが、やはり何らかの落下に近い衝撃による外的要因が原因と思われた。
PHONIC POWERPOD2280:スピコンが抜けない、片チャンネル音出ず。L、R両方のスピーカーアウトにスピコンが上下逆に差し込まれていて抜けなくなっていた。スピコンはオス、メスのキーの上下の大小によって逆接続出来ない形状に設計されているので通常は差し込めない筈なのだが、完全に逆向きに接続されている為、結線は1+、1-なのだが逆の2+、2-結線と同じ状態に切り替わって繋がっていた。その為R側はNC端子に当たっている為音出ず、L側は4極接続の際2+、2-からR出力が取り出せる仕組みの為R側の音が出ていた。問題はこのジャックからスピコンプラグを抜く事だが、構造上分解しても裏側から抜くと言う事は出来ない為、キーの引っ掛かりが一番軽減する位置になる様に少しだけ回転させ、後は壊さない範囲で強い力を加えてゆっくり引き抜く事により無事外す事が出来たが、オス・メスとも樹脂構造の為、強引に押し込んだ場合は互いに歪みながら接続出来てしまう様なので注意が必要だ。
PHONIC POWERPOD620:リバーブが効かない、LEDも点灯しないと言うもの。検証すると、その他動作は全て問題ないがリバーブのみ全く効かない。リバーブON/OFFのSWを操作してもLEDが点灯せず、リバーブ回路だけが死んでいると言う状態だった。外部からはこれ以上得られる情報はないので、フロント側のプリアンプ・モジュールを外してみると、先端にコネクタが付いた2本線のハーネスが無造作に転がっていた。このハーネスはリバーブモジュールの方面に繋がっていた為、容易にこれが原因と言う判断が付いた、さらに繋がっていたと思われるジャックも、背面の電源と出力回路が一体になったモジュール上に2ピンの空き端子が1つだけ有ったので紛れもなくそこから外れた物と判明。接続してあっけなく完了となった。
PHONIC POWERPOD1860:電源が入らない。当初の状態は、一部電源は入っているようでリレーのみ反応している音はするが、各部インジケーターが点灯せず音も出ない。そこで先ずはシェルを開いて内部を調べる為一旦電源を落として、ハーネスが繋がったまま内部を覗ける状態にして電源を入れると、今度はインジケーターも点灯して普通に信号が入り、スピーカー出力も正常に出る様になってしまった。いわゆる症状が隠れると言う現象に陥ってしまった為、あちこちのハーネスやコネクタ関係を少しずつ動かしてみたりしたが再現せず。一応各部コネクタをクリーニングしてから一旦組込み、時間を置いた後暫く動作チェックしていた所フッと音が出なくなり、インジケーターも消灯した。今度はそのまま電源を落とさずに、そーっとシェルを開いて内部の電源関係を調べて廻ると、電源基板上の+15Vの内部電源ラインの1つがダウンしていた。この為プリアンプ関係のICが停止してしまったと言う事になる。さてこの+15Vの停電の原因はと追いかけている内にまた直ってしまったが、此処まで来たら追い詰めた鼠の様な物なので、やや手間が掛かるが基板を外し、裏側の半田面の+15Vラインの元を探っていくと、ジャンパー線の半田付けの一部に微妙なクラックを発見。半田修正にて完了となった。
PHONIC POWERPOD1062:音出ず。検証すると、電源は入るのだが全く音が出ない。パワーアンプ・インに入力すると両chとも正常にスピーカー出力が得られるのでパワーアンプは正常と判明。問題はプリアンプだがch入力もマスター回路も全く反応がないので、オシロスコープで信号をたどるとOPアンプICの前までは信号が有るが出て来ない。そこでOPアンプの電源回路を調べるとどうやら+電圧がきていない為に動作しない模様。-電圧は正常で、パーツの状態も良好で焼けや断線なども無い。当初はプリアンプの故障に間違いないと踏んでいたのだが、プリアンプには全く問題なさそうと言う読みから電源と出力回路が組み込まれているパワー基板の調査に移り、+15V電源ラインにスポットを当て調査を進めた。この電源ラインを含む集合コネクタを抜くと正常に+15Vが発生するが挿すと、つまり負荷が掛かると0Vに落ちてしまう、しかし負荷側にも異常は無い。最終的にレギュレータICそのものの誤動作が判明、IC交換にてようやく完了となった。
CP PM802FX:R-ch側のスピコン出力が接触不良で音が歪む。検証すると、スピコン内部の接点金具が接触不良を起こしている模様で、プラグを動かすと指摘の症状が現れた。そこで接点活性化をして動作チェックしたところ、今度はL-chのレベルが下がってしまい、結局もう一つの不具合が現れた。原因を探っていると、マスターリュームPOTの接触不良が発覚。POT交換にて今度こそ完了。
RANE TTM56:つまみが割れた、ということで検証したが何処にも割れている様子なし。そこで動作チェックしてみたところ、出力が全く出て来ないので内部コネクタか何かが抜けているのかと思い、シェルを外しに掛かったが構造が見ため以上に厄介。あちこちのネジやナットを外してようやく内部にたどり着いた。コネクション関係は異常無し。ところがマスターのPOTのカシメ金具のみ妙に浮いており、そのPOTを調べてみると内部の摺動子が破損していた。どうやら一旦強い衝撃が加わって引っこ抜けてしまった摺動子を元通り組み込む作業を試みた形跡が有ったが、残念ながら細かい樹脂の一部が破損欠落してしまっている為修復不可能な状態。POT交換となった。
PHONIC P260:接触不良を起こしている。検証すると、普通に音は出ていて、一体何処が接触不良を起こしていたのか見当が付かなかったが、もう一度不具合内容を尋ねてみた所、ミキサー側の何処かが接触不良を起こしていたらしい所まで確認出来た、ともあれ、これでスピーカーは調査対象から除して、ミキサーを調べてみた。このままでは現象が出ないので一旦出力モジュールにアクセスできる状態にして音を出しながら各部をつついてみると、基板の端を持ち上げた時に限ってブツンと言って音が途切れるという現象が確認出来た。此処からが大変。非常に微妙な追いかけっこで、何度も基板を外したり測定プローブを当てたりの調査となったが、最終的にトランジスタの1つのリードがトランジスタ本体側で割れていた為、僅かな基板のたわみで接触不良を起こしていた。トランジスタ交換にて完了。
RODEC MX180MKIII:症状はヒューズが飛んだらしく電源が入らないというもの。検証すると、先ずメインヒューズが抜かれていたので装着して導通を測ると正常なので、そのまま電源を入れた瞬間、SW付近から小さくパツンと言う音がした感じがしたが電源入らず、ヒューズを調べたが切れていない。電源トランスの一次側、二次側とも調べたがこちらも異常無し。しかし、どうもSW配線が不自然で、SWの極性と向き、配線の関係がおかしい。様子から判断してユーザーがSWを外してしまって間違えて接続した物と判明。しかるべき回路になる様に接続して電源を入れると、今度は正常に起動した。その後信号を入力して動作を調べると、ch-2のみフェーダーを絞っても可変範囲が少なく絞りきれない。今度はフェーダー回路を調査するとまたもや接続ミス。今度はコネクタの接続がずれたまま装着してあった為ピン配列が狂ってしまっていた。これも挿し直して無事完了となったが、やはり不用意に中身をいじられた物は本来の実装状態が判らない為いたずらに難しい内容になってしまった。
PHONIC POWERPOD740:プチプチノイズ、音量上がらない。検証すると、いつもの様に全く正常に動作していて普通に音量も上がっているので、色々パラメータを変えたりしながらテストしてみたがやはり問題なし。暫く試していたが、やがてメイン側の出力だけ音質が変化し初め、そのうち歪が発生し、指摘の通り音量が上がらなくなって来た。調査の結果出力モジュール出力段付近にあるセメント抵抗のリードがスルーホールの中の半田面内側で断線していた。半田の内側に隠れて外から判別しにくい断線だったが、動作させた状態でこの抵抗に振れると出力が変化する症状がはっきり現れた為この断線が原因と断定。リードには未だ充分な余裕が有った為切れた部分を詰めて接続しなおして完了。正常動作を確認した。
PEAVEY XR886:フェーダーに関係なくボソボソとノイズが出る。検証した限りではフルフェーダーでも通常のヒスノイズ以外には異常らしき音は出ていなかった。ボソボソノイズはトランジスタやFETが劣化してくると発生し易くなる類のノイズだが半導体が劣化を招く程古くはないので可能性は低い。ともあれ現場では現象は出ていた筈と思われるので、基板全体のパーツの実装状態を端から調べてみると、電源部の平滑回路内の整流コンデンサが不安定である事に気付いた。そのコンデンサを手で動かしてみると片方のリードの半田が劣化してしまってフリーの状態である事が判った。その為内部電源電圧が不安定になってノイズを発生させていた訳だ。半田修正後その他のパーツの実装状態も一通り調べたが特に問題無いので全チャンネルの信号状態をチェックしてFIXとした。
PEAVEY XR886:R-ch音出ず、煙が出た。このような症状の大半は過負荷や電源事情のトラブル等の原因でパワーアンプ側の抵抗やトランジスタが焼けている場合が多いのだが、今回はパワーアンプは無傷。最終的にプリアンプの一部のプリント配線が1本焼損、その他焼損部位に繋がる回路上のコンデンサショート、ダイオードショート、IC動作不良とかなり難易度の高い故障内容であったが各部交換、動作チェックして無事完了となった。
PHONIC MR3243:11chフェーダー横の1-2バス、3-4バス、2MIX、SOLOの各スイッチのON/OFF時に大きなノイズが乗る。検証すると、確かにSWを操作する度に、如何にもDCもれと言った感じのブツンと言う大きなノイズが発生した。この症状だけでは発生箇所を特定する事は出来ない事と、特定のチャンネルだけ症状が出ている事から、先ず最寄りのバッファICから順に調べてみたが、結局ICでは無い様子だったので、周辺の電子パーツを押さえてみたりフェーダーを傾けたり押さえたりしている内に圧力によって状態が変化する事が判った。最終的にこれだと言う目に見えた箇所を特定するには至らなかったが、フェーダーのハウジング又は電解コンデンサのリードがDCラインに接触していた模様で、パーツのリード先端と他のプリント配線が接近していて怪しい部分を全て修正した後動作チェックを行った所問題なく動作する様になった。
PHONIC POWERPOD1860:5chのピークランプが点灯しっぱなし、MUTEボタンを押すとノイズが出る、レベルメーターがPFLを押した時にしか動かない。この合併的な症状はどれも全く関連性が無く、何が原因なのか全く見当が付かない。また初期不良ではないので暫くは正常に使えていた事になる。先ずは基板裏面の半田状況のチェック、追って一旦プリ関係の基板を全て外し、パーツの実装状況を入念にチェックしたが怪しい所は全く見当らない。しかし不具合は出ていると言う奇怪な状況だったが、最終的には天面の操作パネル全体と各部フォン・ジャック個々のGNDの接触不良が原因で0Vが何処に有るか基準を失った表示回路等が意味不明な動作をしていた事が判明。フォンジャックとパネルが接する部位を磨いた後活性化処理を施してFIXとなった。
PEAVEY UNITY300:ヘッドホン出力が無い。UNITY300では初めてのケースで、検証するとその他動作は全て正常でヘッドホン出力のみ死んでいた。原因はドライブICの動作不良でソケット装着タイプの為、IC交換は簡単な抜き差し作業のみで完了した。
PHONIC MM1805:マイク入力の1ch、2ch、6chが不調。検証した所、恐らく輸送の振動で接触箇所が磨かれた物と思われるが現象は治まっていた。底板を開けて調べた所XLRジャックの半田付け部分が怪しい。ピンの周囲に微かに筋が入っている様に見える。クリーニング及びその他点検の目的も含めて基板を外し、問題の箇所にXLRコネクタを差し込んで撓ませてみるとピンのみ半田と独立して僅かに動く事が確認出来、俗に言う芋半田状態であった。マイクジャックは筐体に固定されており、基板もスルーホールなので条件的には良いのだがDIP時の温度等の関係で基板とジャックのピンの接合部の合金化が不完全だった物と思われる。半田修正にてFIX。
PEAVEY SRC4026:メイン出力のL-chに時々バリバリノイズが出る。検証初期にはなかなか現象が出ず、キャビから外して端から基板を撓ませたりするうちにようやく現象が出る様になった。現象的に何処かの導通不良には間違いなく、半径5cm程度の範囲まで追い込んだ所で、なかなかこれと言った不具合箇所が見付からない。ケミコンやコネクタの疑いはなくなり、残るは平面実装のチップコンか抵抗しかなくなったが、どれも外観上の半田の乗りは上々で綺麗なフィレット(適度な半田溜まり)が形成されている。しかし状況的には必ずチップのどれかが当りの筈なので、歯科医が虫歯の痛む箇所を探るように小さな調整用ドライバーの先で端からチップの上を微かな力加減でコンコンと叩いていく内に明らかに敏感な箇所を発見。綺麗にディップされたチップ抵抗の片側の半田に微細なクラックがあり、半田修正でFIXとなった。
PHONIC MM1202:ヘッドホン・ジャックの片ch音出ず。検証した所ヘッドホンのL-chから音が出ず、ケースを開けてヘッドホンジャックの基板周辺を調査しているうちに回復してしまって現象が出にくくなってしまったが、最終的に原因はヘッドホンジャックの基板と本体間を繋ぐコネクタ(メス)の接点金具の緩みに因る接触不良と判明、金具修正でFIXとなった。
PEAVEY XR886:電源入らず。パワーアンプ系はうかつに電源を投入すると、予期せぬ被害拡大に繋がる可能性が有るので、取り敢えずヒューズの状態や電源周りのコネクションを確認した後、パワーアンプではヒューズ切れの次に有りがちな出力トランジスタのショートをチェックしたが異常無し。次にサーマル・プロテクト・スイッチや出力回路に多数使われているセメント抵抗を計測するがどれも異常無しで、取り敢えず回路上に大きなダメージは受けておらず電源を投入しても安全な状態だったので、おもむろにパワースイッチをONにするが、なるほど全く反応が無い。今度は電源を投入した状態でトランスの二次側をチェックした所、既にこの段階で電圧が無い。もしやトランスの断線かと思いきや、一次側もチェックした所こちらも無い。先程のチェックでヒューズ迄は来ていたのに、すぐ後のトランスの一次側に電圧が掛っていないと言う事は、もう網に掛った魚同然で単なる配線トラブルと容易に判断出来る。最終的にヒューズホルダーの基板裏に半田クラックを発見、FIXとなった。
PEAVEY XR886:チャンネル動作不良。サーフェス・マウントなのでサクッとボード交換で対応しようと思ったが交換用ボードが無かった為どうしても直すか新規ボードを手配するしかなくなってしまい、じっくりと不良箇所を追いかけた結果チップICの不良を見つけたが、チップは接着剤でしっかり固定された状態で半田付けされている為、リードを固定している半田を溶かしても接着剤が効いて外れない。更に過熱してチップを回転させる様にやや力を加える事でやっと外れ、交換して無事FIXに至った。
ADJ XDM3633:時々動作不良。何処かの配線か回路の導通不良とまでは判ってはいる物の調べている内に直ってしまったり、暫くするとまた出て来たりと、どうにもつかみ所のない一物だ。最終的に到達した問題はやはり非常に見つけ難い半田不良で、外観上は艶やかで綺麗に盛り上っていて部品のリードに馴染んでいるかの如く見えるが、実は微かに剥がれて導通不良を起こしていた。
PHONIC MM1705:電源が急に落ちる。当初は現象が出ず、暫く使っていると急に信号が通らなくなって電源ランプも消えている状態だというので熱暴走を仮定して暫く通風状態を悪くして通電しておいて1時間程度経過した所、電源のインジケーターが消えていた。電源を入れ直すと一瞬点いて消えるので電線関係の断線や接触不良ではない事がわかった。電源トランスから順を追って電圧を調べるとレギュレータICが過負荷の如く過熱して、そこから先が電圧降下を起こしている。しかし負荷側の抵抗値を調べても特に異常は無いのでICを交換して動作チェックした所問題は解消した。やはりレギュレータIC自身の不具合が原因で異常過熱を引き起こしていたらしい。
PEAVEY XR2012:パチパチノイズあり。通常に接続して小出力で聞いた限りではパチパチノイズは確認できなかったが、ダミー負荷をかけてMAX状態で暫く動作させてみると症状が数回確認された。症状的にはパワーアンプの不具合によるプロテクト回路の誤動作のようだ。基板を外して調べてみたがそれらしい箇所はやはりあらわれないので出力トランジスタと周辺のトランジスタを幾つか同時に交換してテストした所異常は現れなくなった。原因としては出力トランジスタの特性にばらつきが有り、部分的にオーバーロードを起こしていたと思われる。
ADJ XDM2221:PHONO入力で音出ず。現象は明らかにPHONO入力のうちPHONO1のLのみおかしく、他の入力ではPINジャックを差し込む時PINコネクタのHOT側のみが接触した状態にするとブーンとハムノイズを拾う筈が何故か拾わない。カップリング回路等を追ってみてもおかしい所は見当たらず、これはヘッドアンプ自身の不具合と判断してICを交換した所OKとなった。この機種では珍しい例だが結局IC不良であった。
PEAVEY XR684:ガサガサノイズ有り。良く聞いてみるとR-CHのスピーカー出力から微かにカサカサと言うノイズが聞こえる。このノイズはボリュームをMINにしても出ており、症状的にはパワーアンプに原因がありそうだが、パワーアンプに不具合箇所は見当たらず、接続を絶つと現象も消えるのでプリアンプの最終出力回路近辺から出ている様子だ。そこでフラットケーブルのPINを端からオシロで当たると信号は元より内部電源ラインにも不安定な信号が現れているのでアース絡みのチップコンデンサが怪しいと見た。しかし電源ラインからアース回路に繋がるチップ・コンデンサは沢山有るし、どれもパラレルに繋がっているので何らかの外観上の差異が無い限り見分ける事は出来ない。非常に原始的では有るが最終的手段として端からチップを交換して言った所、数ヶ所交換した後遂にリークしていたチップコンを発見した。
PEAVEY XR560:バリバリノイズ発生。ボリュームで変化するので発生源がプリアンプである事まではすぐに判り、先ずICを端から調べてみたがなかなか姿を現さない。ICではなくコンデンサのリークによって発生する場合も有るので、もしかしたらICを全て当たっても駄目かも知れないと思う所まで調査しつつ、あるICを外した所、ICの裏に隠れる回路の一つのパターンが異様に浮いていた。断線はしていなかったが、フラックスが変質した様な形跡が有るのでその部分を取り去って接続し直した所FIXとなった。
PEAVEY UNITY2002-16RQ:コンデンサ破裂。調べてみるとファンタム電源の回路に異常があり、定格値48Vの所75V近くまで上がっていた。電源トランスは中間タップ付き20V+20VACで正常に動作しており、回路を追って見るとファンタム電源用にはタップの両端から取って40VACを整流した後トランジスタによって制御している筈だが、実際には全く制御されておらず整流されたままの75V近い電圧がそのまま出てしまっている様だ。各部のトランジスタやダイオード、抵抗値まで測定したがこれといった異常はなかった。結局GNDパターンの半田付けにやや怪しい部分があり、その部分を再半田した所復活した。結果から判断する事になるが、察するにGNDラインが導通不良で浮いた事により制御回路が電圧を落とせずに異常電圧が出てしまってコンデンサを破裂させる結果となった様だ。