
4月6日から11日まで、米ネバダ州ラスベガスにあるラスベガス・コンベンションセンターで開催された、世界最大の放送・映像業界のイベント、NAB Show。
プロフェッショナルな機器やサービスが圧巻の一大ショーです。
NAB Showに参加したメーカーが日本市場に向けて紹介するAfter NAB Show。
最先端のエンターテイメントをクリエイトする、新鋭のアイテムを実際に見てみたいと思い、秋葉原の会場へ行ってきました!
メディア、エンターテインメント、テクノロジー、コンテンツビジネスに携わる多くの人が来場し、各ブースとも大きな賑わいを見せていました。
今回は特に見どころのあったセッションとそのブースの内容をお伝えします。

まずは品質への拘りで注目を集めている、AJA Video Systems社が6月に発売するポータブルサイズのマルチチャンネル H.264 レコーダー & プレイヤー ki PRO GOのセッション会場へ。NAB 2019 NAB Show Product of the Yearアワードを受賞した製品だけに、セッションが始まると場内ではカメラ撮影が止まりませんでした。

最大で 1080p 50/60 の映像を H.264 で 4 チャンネル同時に収録可能。入力をゲンロックする必要もないため、SDI カメラ、デジタル一眼レフカメラ、または HDMI カメラなどのソースを適切な収録チャンネルへ簡単に切り替えられるというもの。
4つの入力チャンネルから4つのUSBへ収録することも出来れば、1つのチャンネルから4つのチャンネルへの分配も可能。要するに入力チャンネルごとにUSBを指定したり、まとめて1つのUSBに集約することもできるというわけですね。

USBのスロットは全面パネルに4つと背面に1つ用意。USBメディアに収録できるため、すぐにPCで記録したものを利用することができます。
より細かい仕様については、メーカーサイトが参考になります。
マルチチャンネルの H.264 収録 / 再生でこのコンパクトさには驚かされました!!

画像左側のKi Pro GO を Ki Pro Ultra Plus と一緒に使用すると、両方のデバイスで最大 4 系統まで複数のデータストリームを Apple ProRes と H.264 でキャプチャーできるのだとか。
AJAのブースでは、コンバーターも展示されていますが、中でも新商品として注目を浴びていたのが、この 12GM。

12G-SDI から Quad 3G-SDI への変換と Quad 3G-SDI から 12G-SDI への変換が行えるコンパクトなコンバーター。
AJA Video Systems (エージェーエー・ビデオ・システムズ) / 12GM
次にご紹介するのが、革新的な映像技術とそのエンターテインメント性で、聴衆のド肝を抜いたブラックマジック・デザインのセッション。

内容は、注目のDavinci Resolve 16での数多くの新機能と、「8K」対応の新製品でした。これからのブラックマジック・デザインが向かっていく方向性を明確に示す内容でした。

数多く紹介されたDavinci Resolve 16の新機能は、特に緊急性を要するニュース番組用の映像制作、より独創性を求めるクリエーターの方には衝撃的なものでした。

そんな中レトロ/ビンテージ好きな私の心を熱くしたのが、映像のダメージ効果というもの。60年代風、70年代風なオールドスタイルな効果がかなりリアルでした。さらに驚きなのは昔のVHSテープの劣化した画質も再現できるというもの。

ポール・ウェラーがこの効果を知ったら、映像制作会社にこの効果を使用させることでしょう!
また、上述の8K対応の新製品も7点紹介されました!

Ultra HD対応のライブプロダクションスイッチャー、ATEM Constellation 8K、8KモニタリングシステムTeranex Mini SDI to HDMI 8K HDRをはじめ8K対応の機種への力の入れようが伝わる圧巻のセッションに手に汗握った方も多かったのでは。
新製品を通して、ブラックマジックデザインの8Kに対する熱量は、メーカーサイトからも伝わってきます。
今回のNABでは映像機器のこれからの可能性を感じました。次回11月のINTER BEE、そして来年のNABにも期待です。