
「ギターの改造って難しそう…」
そう思っている方にこそおすすめしたいのが、“ピックガードの交換”です。ピックガードは、ギターの印象を大きく左右するパーツ。材質やカラーを変えるだけで、新しいギターを手にしたときのようなワクワク感が得られます。
しかもこの作業、基本は穴を埋めて新しいネジ穴を開けるだけ!初心者の方でも、気軽に挑戦できる作業なんです。実は筆者も今回がはじめて。
本記事では、ギター改造が初めての方でも安心してチャレンジできるよう、交換手順から実際に作業して分かった注意点までをまとめました。
うまくできるのでしょうか……?
※今回の作業は、すでにピックアップなどの部品が取り外されているボディを使用します。
ピックガードの交換に必要な道具をチェックしよう

作業に使用する工具
今回はストラトタイプのピックガードを交換します。用意した工具類は次の8つです。
用意したもの一覧
- カッター
- ニッパー
- 下穴錐(きり、電動ドリルでも可)
- プラスドライバー
- タイトボンド
- ティッシュ
- マスキングテープ
- 爪楊枝×11本
ピックガードはパールホワイトのものを用意しました。

購入したパールホワイトのピックガード
ピックガードには、ビニール製の保護フィルムが貼られていることがあります。剥がしにくい場合は、ドライヤーで軽く温風を当てたり、こたつの中に入れたりして表面を少し温めると、剥がしやすくなりますよ。
ピックガード交換の流れをチェック!

純正品ではないピックガードに交換する場合、ネジ穴の位置がぴったり合わないことがあります。そんなときに必要になるのが、“ネジ穴を埋める作業”と“ネジ穴を開ける作業”のふたつです。
それでは、実際に作業していきましょう!
ネジ穴を囲うようにマスキングテープを貼る

マスキングテープでネジ穴を囲う
この作業で使うもの
- マスキングテープ
元から開いているネジ穴は、タイトボンドと爪楊枝で埋めます。あふれたタイトボンドや爪楊枝をカットするときのカッターなどでボディを傷付けないよう、あらかじめネジ穴の周りを囲うようにマスキングテープを貼っておきましょう。
タイトボンドと爪楊枝で穴埋めをする

タイトボンドを塗った爪楊枝をネジ穴に挿した様子
この作業で使うもの
- 爪楊枝
- タイトボンド
- ティッシュ
- ニッパー
- カッター
爪楊枝の先端にタイトボンドを塗布し、ネジ穴に差し込みます。タイトボンドの量は、画像のようにネジ穴から軽くあふれるくらいが目安です。余分なタイトボンドはティッシュなどで拭き取ってください。
埋めたいネジ穴すべてに同じ作業を行ったら、爪楊枝がしっかりと固定されるまで乾かします。だいたい30分くらいで固着しているのが確認できました。

カッターの刃を長めに出してノコギリのように小刻みに動かすとカットしやすいです
爪楊枝がしっかりと固定されているのを確認したら、ニッパーで短くカットします。そのあと、カッターでわずかにはみ出た部分をきれいに削り取って仕上げましょう。
ネジ穴を開けてピックガードを装着したら完了!

ピックガードをボディに仮固定して作業しました
この作業で使うもの
- マスキングテープ
- 下穴錐(きり、電動ドリルでも可)
ネジ穴を埋めたあとに、いきなりネジを回し始めるのはNGです。そのままネジを打ってしまうと、塗装や木部にダメージを与える恐れがあるほか、力が安定せず、まっすぐなネジ穴が開けられないこともあります。
トラブルを防ぐためにも、きちんと「下穴錐(したあなぎり)」を使って下穴を開けましょう。

下穴錐に印を付けると作業しやすい!
下穴についてホームセンターの方に尋ねたところ、「深さはネジの7割〜同程度、径はネジよりやや小さめが目安」と教えていただきました。
浅すぎても深すぎてもよくないとのことなので、下穴錐にはあらかじめマスキングテープで目印を付けて作業を進めていきます。

下穴錐で下穴を開けている様子
ピックガードをマスキングテープでボディに仮固定し、ネジ穴を開けたい位置に下穴錐で下穴を開けていきます。
下穴の径が小さいためか、それほど力を入れなくてもスムーズに開けられました。

穴あけ完了!!
初めての作業でしたが、なかなかうまくできたのではないでしょうか。
下穴を開けたら、あとはピックガードを装着するだけです。ストラトの場合は、配線を済ませてからピックガードを取り付ける流れになります。配線方法については、サウンドハウスさんの記事で詳しく解説されているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事: サウンドハウス|ギター パーツの配線

ピックガード交換作業が完了!
ストラト ピックガード選びのポイント
ピックガードには、材質やカラーなど、さまざまなバリエーションがあります。
今回のようにオーソドックスなストラトタイプ、またはフェンダーのストラトキャスターのピックガードを交換する場合、そのギターが何年式のモデルをモチーフに作られているかを把握しておくと、よりスムーズに作業が進められます。
ストラト ピックガードの一例
- 57年式はピックガードは固定ネジが8本
- 62年式はピックガードは固定ネジが11本、フロントPUとセンターPU間の上部にネジ穴がある
- 72年式はピックガードは固定ネジが11本、センターPUの斜め上にネジ穴がある
使用しているストラトが何年タイプのものなのか分からない方は、ピックガードのネジ穴で判断できるかもしれません。
ピックガード交換で“自分流”ギターに変身!
ピックガードの交換は、見た目を一新するのにぴったりの改造です。ネジ穴が合わなくても、“ネジ穴を埋めて開け直す”という作業をすれば大丈夫。「自分の手でギターを改造する」という体験は、演奏とは違った楽しさを得られます。ぜひチャレンジしてみてください。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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