
エレクトーンは3つの鍵盤を両手、足を使って弾くYAMAHAが販売する電子オルガンです。リズム機能や多彩な音色を装備していて、一人でバンドやオーケストラのような演奏をできることが一番の特徴です。全身を使って音楽を楽しむエレクトーンの魅力をご紹介します!
■ エレクトーンの特徴をご紹介します!
○一人でバンドやオーケストラのような演奏ができる!
エレクトーンの一番の特徴は、一人で全ての楽器の演奏ができることです。多彩な音色とリズムパターン、3つそれぞれの鍵盤に別の音色を設定できることで、楽器の多いオーケストラやギター・ベース・ドラムの3ピースロックなど、さまざまなジャンルの音楽をエレクトーン一台で演奏することができます。
○多彩な音色&リズム
エレクトーンはパイプオルガンのように鍵盤が上下に2段あります。さらに、足で演奏する鍵盤もあり、同時に3つの鍵盤を弾くことになります。右手で弾く上鍵盤は最大4音色が同時に設定できます。たとえば、トランペットとホルン・ヴァイオリン・フルートのように設定すれば、一つの鍵盤を押すだけで同時に4つの楽器の音が鳴ります。
同じように下鍵盤とペダル鍵盤はそれぞれ最大2音色まで設定が可能です。さらに、ワウなどのエフェクトもかけることが出来るため、音のバリエーションが非常に多いです。たとえば、オーケストラが演奏するスターウォーズのテーマ風の音色や、ピアノとジャズギターのジャズのセッション風など曲にあった音を細かく設定して作り出すことができるのが魅力です。
○音とリズムのセット=レジストレーション
音色とリズムの組み合わせをレジストレーションと呼び、セットしてある300パターン程度から選ぶことができます。レジストレーションは既存のものを自分でアレンジができ、新規で一からつくることもできるのでバリエーションは無数にあります。さらに、レジストレーションを下鍵盤の奥に一列に並んだボタンに登録すれば、演奏中に指で押してワンタッチで変更することもできます。
右側ペダルについているスイッチでレジストレーションを変更することもできます。また、自分で変えなくてもリズムに合わせて自動で変える設定もできるので、自分は演奏に集中して音色やリズムの変更をエレクトーンまかせにすることもできます。さらに、レジストレーションはUSBメモリーに保存して他のエレクトーンに登録することもできるので、ステージ演奏する場合などに非常に役に立ちます。
○鍵盤を押した後で音を変えることができる!
エレクトーンは「アフタータッチ」という機能により、鍵盤を押した後で音色を変えることができます。鍵盤を押した後に、さらに指に力を加え強く押すと、音色が明るくなり、音量も大きくなります。他の鍵盤楽器、たとえばピアノの場合は、鍵盤を押した後で音色や音量に変化をつけることはできません。押した瞬間にどのくらいの力を加えるのかで音色が決定します。エレクトーンは後から音色に変化をつけられるので、弦楽器や管楽器などの抑揚のあるロングトーンの音を表現するのにも適しています。
○「ホリゾンタルタッチ」でピッチを変えられる
「ホリゾンタルタッチ」というもあります。鍵盤を押した後で横方向に力を加えると、音のピッチ(音程)が変わる機能です。「アフタータッチ」と「ホリゾンタルタッチ」を使いこなせば、非常に細かい音の表現や、ダイナミックな表現も可能になります。
■ ピアノとエレクトーン、どちらが演奏が難しい?
ピアノは鍵盤が1つ、エレクトーンは鍵盤が3つで、手で弾く鍵盤は上下に分かれています。単純に考えたらエレクトーンの方が演奏が難しそうですが実際はどうでしょうか。
まず、エレクトーンは手で引く鍵盤が上下で重なっている部分が多いので、視野の中心で鍵盤を見ることができます。ピアノの鍵盤は一列で88鍵あるため横に長く、視野の端で鍵盤を見る必要があります。もしくは、見ないで弾くかです。手はエレクトーンの方がだんぜん弾きやすいです。ただ、エレクトーンの足の鍵盤は基本的に全く見えないので、慣れるのに時間がかかります。
○足の動き
足の鍵盤は、習いたてのころは動きの少ないベース音を弾くだけなので比較的簡単です。上級者になるにつれて、足の動きが多くなり、爪先とかかとを両方使ったり、通常左足だけでひくところを右足も使ったりするので、難しくなってきます。
○指の動き
指の動きはクラシックピアノの方がだんぜん難しいです。エレクトーンの場合、左手はほとんどバッキングに使っているので、クラシックピアノのように激しく動くことはまずありません。どちらかというとジャズピアノに近く、いろんな転回系でコードを鳴らすのが左手の役割になります。右手は主にメロディを奏でるので、クラシックピアノと同じくらいに動くときもあります。
○エレクトーンは総合力で演奏する楽器
単純に演奏の技術でいったらピアノの方が難しいと思います。エレクトーンは総合力で演奏する楽器です。たとえば、ラテンや8ビート、スウィングなどのリズムの場合にあった弾き方や、ジャズ風のアクセントの付け方など、音楽の全般的な知識が必要です。いかに、本物の楽器に近い音色とノリを出すのかが重要になります。
●エレクトーンとドリマトーン
エレクトーンはヤマハで、ドリマトーンはカワイの電子オルガンです。ドリマトーンはエレクトーンとともに人気がありましたが、2016年に販売終了になりました。他には、松下電器産業(現パナソニック)のテクニトーン、日本ビクターのビクトロンなどがありました。
■ おすすめYAMAHAのキーボード
エレクトーンは音楽の魅力を全身で楽しめる素晴らしい楽器です。しかし、価格が高くサイズが大きいのでなかなか購入に踏み切れない方も多いと思います。そこで、エレクトーンのように様々な音色を楽しめるYAMAHAのキーボードをご紹介します。
プリセット音色850、ドラムパターン43、タッチレスポンス、ピッチエンド、モジュレーションなどを装備したYAMAHAのポータブルキーボードとしては最高峰の製品です。
木目調のデザインが個性的で美しいYAMAHAのキーボードです。音色384、ドラムパターン16、リバーブ・コーラスなどの効果、録音再生機能を装備しています。カジュアルに使えるYAMAHAのキーボードです。
■ YouTubeで見つけた、おすすめのエレクトーン演奏!
エレクトーンの魅力を最大限に引き出している演奏をYouTubeで見つけました。ぜひ、ご覧ください。
■「スター・ウォーズ」メドレー 【 STAR WARS 】 エレクトーン演奏
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スターウォーズの世界を完璧に再現、ダースベーダーが息をする音まで弾いています。下鍵盤上のボタンの光を見ると、レジストレーションが自動で変わる様子がよくわかります。手のタッチによる音色の変化や、右足のペダルの使い方にも注目してください。
■Dancing Queen / ABBA「ダンシング・クイーン」Electone (耳コピ) ★YAMAHA Electone ELS-02C
aki-Electone solo
アバのディスコサウンドを演奏。エレクトーンで演奏するとスケールが大きな曲に聴こえます。左上に足鍵盤のワイプがでているので、足の動きがよくわかります。早いベースの動きも爪先とかかとを使うことで、うまく弾きこなしています。
■【Pair A Dice】ヤマハエレクトーンコンクール(国際大会)ファイナル演奏曲
花野 恵里Eri Hanano
カジノをイメージしたオリジナル曲です。ピアノや管楽器の音が非常にリアルです。爪先とかかとを使った足鍵盤の演奏は速く、しかも、ヒールのついた靴で演奏しています。テクニックが光る演奏動画です。
■ エレクトーンはリズム感を育てる
エレクトーンをおすすめはいかがでしたでしょうか。エレクトーンを習うとたくさんのリズムを扱い、そのリズムにのって演奏するので、リズム感や音の強弱の付け方がうまくなります。ぜひ、エレクトーンを習って一人オーケストラを楽しんでくださいね。
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